今月10月から消費税が10%に引き上げられた。 軽減税率などの複雑な税率など、今回の増税は果たして本当に必要だったのか? 子育て支援のために、乳幼児から未就学児童の保育費の無償化などへ使用目的もあるが、結局は年金や医療費などの足らない分に回されるのは決まっている。 毎年のように増大する年金、保険料の税金は増すばかりである。 給料の15%以上をこの税金で払っている。 さらに、所得税、地方税、雇用保険料などを合わせると20%を超える税金を払っている。給料がどんなに増えても、手取りで入るお金は確実に減っているのが現実である。
政府は景気は回復傾向にあることをずっと言い続けているけど、実質的な家計の収入は減り続けている。 価格競争を続ける市場価格も徐々に値上がりする傾向にあり、企業や商店などの実質的な純利益は増えていない。 さらに消費税の引き上げで、価格に転嫁できないこともあり、これまでよりさらに利益は減る傾向に進んでいる。 企業や商店、雇い主への収入減は直接雇用される側に反映されるので、昇給、賞与などに期待することは難しい。 大企業の勝ち組だけが景気を上向かせている状態で、それを景気回復だとする安倍内閣の姿勢は我々庶民からすると容認できないのは当然だ。
世界的な経済低迷期であることは確実で、そうした現状でこれまでのような政策が通用するはずはないのだ。 根本的な改革が必要だし、必要でないものへの支出を無くすことは必須である。 毎年のように赤字国債を数十兆円も発行して、国の借金を増大させ続けている現政権が将来の子供達に対して、裏切り続けていると言っても良いだろう。 今の子供達が迎える未来は確実に今以上に厳しい物になる。
さらにその先はもっと厳しいことはこれまでの国の経済的な成り行きを見るまでもなくはっきりと見えるだろう。
本当の子育てとは何なのか? を真剣に精査して対応する必要がある。 確実に将来がある国にすることが最も真摯な姿勢で子供達に受け渡すことが、本来の子育てであるだろう。 政権の人気取りのような政策に終始するような政治は要らないのである。 ましてや、消費税の増税分から子育て支援へ税金を投入することは、本当に子育て支援と言えるのか? 家計を直撃するような税金を掛けて置いて、一方では保育などの無償化を評価することは矛盾しているのではないか。
無償化以上に大切な物は、現役で働く世代に対する支援や減税や就労支援だろう。
給料がしっかりと生活を支えることが出来るレベルにあれば、養育費の無償化は必要ないし、子供を育てることに意欲的になる。 子供を持つことに無理が無い生活基盤を作ることが最も大切で、無償化だろうと子供は増えない。
子供を育てる環境(これは子供を持つ家庭環境である)を正常なレベルに維持することが最も大切な政策だろう。 これを無くして、将来の子供に未来はないし、子供は健全に育つ環境を得ることは出来ない。
なぜ、少子化になったのか?? その点をしっかりと精査する必要があるだろう。 なぜ、結婚をしないで独身を選択する若者が増えているのか? なぜ、一人っ子の家庭が増えているのか? 物価は上昇し、税金は増え、給料が目減りする社会で結婚をして、家庭を持つことがいかに大変なことかを本当に理解できているだろうか。
学費や教育費などの負担軽減だけで、この先、人口が増えると思えない。 人口減少で年金額は削減され、税負担は増え続ける社会制度はこの先も続く。 その中でどのように子供を育てることが出来るだろうか?
自分一人の生活を守るだけで精一杯の世の中で、子供を育てることは相当に厳しい現実が待っている。 これは何も日本に限る事ではない。 世界的な経済低迷と高齢化社会が抱える問題だろう。 しかし、その中でも実行可能なコンパクトな社会制度を作ることは可能だ。 ただ、ある程度の我慢は必要になる。 生活を根底から変えるようなスタイルを見つけることも必要だろう。 政府は当然だけど、無駄な支出はしないことは当然で、公共事業費の削減、公益法人などの削減、国営の民営化、国会議員の定数の大幅な削減と報酬の削減はすぐに出来る対策だ。
日本は無駄な議員が多すぎる。 無駄な給料を税金で負担している割合が高すぎる。 一般サラリーマンに比較しても給料が高いし、年金制度も倍以上に手厚いのである。 それを当たり前とするような政治を続けている以上は、庶民的な感覚を基礎にした政策なんて出来る訳ないだろう。
今後も消費税は増税するだろう。 厚生年金の税額ももっと増大する。 将来は働く人口が減少して、外国人労働者が増大するので、日本らしさは失われることは必須だ。 日本は益々生きにくい国になるだろう。
気象変動はさらに加速して、日本は熱帯地方と同じレベルになり、桜も咲かない国になりそうだし、局地的な豪雨、強風なども頻繁に起き、毎年のように最高気温を更新する。 これまでのような河川の氾濫基準や耐震、自然災害の建物などの基準は低いレベルになるだろう。 世界的な気象変動は確実に進んでいるし、今後もこの変動を停めることは出来そうにない。 これから未来を生きる子供達に対する責任を果たすこともなく、世界は経済戦争を繰り返し、核戦争すら起こす危険がある。
人間は向上心の塊であるので、これまでのように経済や化学、医療、産業技術、食料技術、ITなどなどの技術的な発展を遂げてきた。 しかし、この向上心は逆に他人を押しのけてまで発展させたいと思う悍ましさがある。 戦争をして弱い国を乗っ取り、権力を行使して支配下に置くことを繰り返してきたのである。
人間は何処までも自己優先の動物だから。 人との共存と言う世界観をもっと持つ必要があるし、この先、人間がこの地球で生き続けるにはそれ以外には方法は無い。
国同士の利害関係や企業同士の競争で発展してきたこれまでの人間の生き方はこの地球を破壊の方向へ進めてきたのである。
世紀末には人間はそのことに気づくだろうか? いや、好むと好まざるとに関わらず、目の当たりにその現実を知らされる日が訪れるだろう。 すでに手遅れになってから、初めて人間の愚かさに気づく。 人類の共存の世界を作ることが最も大切で最優先する選択肢だったことを気づくだろう。 がしかし、手遅れになった時に地球は人間が住むには不可能な世界に変化していることになる。
人間そのものがすでに人間性を失い、野獣の如く振る舞い、凶器となり果てているかもしれない。