こんばんは 鈴木有機農園です。
農家では今日が野始めて農作業など始める風習が有りました。藁で縄を綯ったりの内仕事です。昭和30年代後半頃からそんな光景を見て育ち、手作業・肉体労働の時代から就労して、いやと言うほど厳しさを体験して、ネクタイ生活に憧れを懐く日々でもありました。昭和45年頃歩行の田植機が出回り、腰をかがめる作業から解放。でもその後の水田除草は最も過酷なものでした。pcp等のホルモン系の除草剤がでまわり、広葉雑草に効果があってもヒエ等のイネ科植物には効かなく、散布後はドジョウなど観てる間に死ぬ程の農薬でした。ヒエ等の残った雑草を採るのに腰をかがめる頻度は少なくなったが、まだまだ重労働でした。若い私はヒエに色が付く薬を開発してくれないか、立って歩いて見つけ次第採れるのにと、無くなるとは今の時代を読めませんでした。現代の農業は農機の開発と農薬の開発で画期的な省力化になり、農機の操作出来れば誰でも従事出来る農業になりました。余剰時間が出来、就労時間の少ない稲作農業になりました。経済面で観ると昔は苦しいながらも食えた農業で、今は農業だけでは経費に押し潰され食えない、米余りの時代になりました。如何に手を省き省力化していくかに費やしています。作物に直接触れる機会が無くなり、観察力も身に付くことも無くなりました。イネの生理を知る本物の農業者は居なくなりました。採算の取れない農業で勉強する意欲も湧かないでしょう。このツケは食べる消費者に回っていくのです。品質の低下と気候変動による収穫量の激減あり、時には世界恐慌にも成りかねないかも知れません。
こたつに入って野始めの初日、まだまだ書きたかったがダメな事羅列してみても、改善されないことを知り止めました。