ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩ「ダウンヒル DOWNHILl」を見る聴く、
大学、ラグビーの試合、決勝のゴール、英雄の主人公、皆に担がれて祝いの最中、学校長と優等生、その妹、宴の席に、ウェイトレスの娘、優等生と恋仲か、ウェストレスは手紙を指しだし、こっそり読む優等生、一方、子供と追いかけっこの遊び人の主人公、小綺麗にして席に、だが、既に来賓の挨拶、部屋に入って直ぐに止まり、直立不動、偶然か隣に佇むウェイトレス、並んで講話の終わりを待つばかり、こうして二人は知り合った、こんな様子を逐次見詰める校長の視線、宴の席、主人公と優等生の妹、主人公の悪戯、豆粒を飛ばしての悪戯、校長のカップの中に、不審に上を見回す校長、主人公と妹も共に、見回して、悪戯好きの主人公、優等生と主人公とウェストレス、部屋の中、ダンス、巧みな主人公、へたな優等生、三人のこれからの関係も、予想が、二人は呼ばれた、校長に、何事だ、部屋には、校長と、清楚に着飾ったウェイトレスの娘、彼女は弄ばれたと校長に訴えたのだ、だが、果たして、二人のどっちだ、二人は娘を振り返り見詰める、座っていた娘が立ち上がり、真っ直ぐ前を見詰め歩いてくる、カメラの焦点は娘の顔に、娘の視線に、合わせ、後移動のカメラ、故に、背景はぼやけて、娘のみしっかり焦点が合って、余りに美しい顔、目つき、表情、素晴らしい、だが、この娘は真っ直ぐ前を見ているのだから、切り返しの位地の青年二人の真ん中を見ていることになる、映画は、そんな切り返しのあわせなど気にしない、娘の姿、表情、ゆっくり近づく不気味さを捕らえて素晴らしい、漸くに二人の青年の側に、カメラは娘の後ろから、右左、二人をゆっくり見詰め返し振り返る、さてどっちだ、犯人は、主人公は何の後ろめたさも無いから、平然と、だが、娘の指さしたのは主人公なのだ、驚き笑うしかない主人公、だが、笑っても居られない、不審顔の優等生、校長から、諭されて、主人公は退学だ、屋敷に戻って、どうして良いか、玄関のソファに座り込む、後ろの階段とその前を歩き行く母、戻った父、直ぐにはなにも語れない、やっとの事で、語るのだが、既に居場所は無い、こうして屋敷を出て、街中の暮らし、貧しい暮らし、ウェイターか、テーブルのブルジョアカップル、二人は立ち上がり踊り出す、主人公はテーブルのシガーケースをこっそり手にして懐に、不安げな顔、カメラはその様子をワンショットで横から捉え、パンし移動すると、先ほどの二人と後から現れた踊り子たちが並んで、その列に主人公も並び踊り出す、これは舞台、セット、劇の最中の出来事だったのだ、カメラは、真横から、舞台の人々の様子を捕らえ、更には、客席までも映し出す、シガレットケースから舞台と客席までのワンシーンの素晴らしさ、だから、主人公はウェイターでは無いのだ、役者なのだ、しかも、後ろに並ぶ端役の役者、このワンシーンで、全てを撮り尽くす、しかも、パンと移動の最中に、見る事が問われる、理解することが揺るがされていくのだ、校長室で、娘の前に進み歩きの移動時もまた、見る事が、主人公が、優等生が、校長が、娘が、個々の思惑が、不安が、突き出されていく、楽屋、スター女優、先ほどのシガレットケースの女、愛人のブルジョア男、そこに主人公が、ケースを忘れていると現れた、若い貧しい役者に何処か惹かれる女優、主人公もまた美貌に絆されて、ブルジョア男はなにも顧みず、当たり前に座っている、背中と頭が映されて、手前の二人の奥に、若者は去って行く、残された二人も出かける、外は雨、二人は若者を誘い乗せる、走る車、バス停、主人公は下り去って、バスに、冴えない暮らし、バスの中、抱き合うカップル、孤独な主人公、漸く目的の場所に、だが、傘がないままに走りアパートに、階段に近づき、カメラは主人公の背中を捉える、黒い影に覆われた画面、階段に近づき、主人公の背中と判明、そして、手前に影を垂らして階段を上がっていく、この光と影の遊び、寂しい孤独な部屋、さて、そんな彼に手紙が、遺産だろうか、資産が手にされたのだ、大金だ、こうして着飾って、女優の元に、資産を知った女優の態度が変わる、現れたブルジョア旦那など、既に興味が薄れて、今や着飾った絶世の美男主人公に惹かれ、旦那を追いたて、二人は車に、その車に今度は旦那を乗せるのだ、傲慢青年、旦那の成り代わり、金の為に付き従う女、かくて、女は散財して、請求書ばかり、実は女と旦那とは初めから折り合っていた、知らずに利用された主人公、金は使い果たしたか、ホストの仕事、ブルジョアの男たち、女たち、酒場で、ブルジョアおばさんが、見詰める、彼女の前に連れ行かれる主人公、店の太った女将、若い青年を弄ぶ女、音楽、倒れる男、空気を入れるためにカーテンが開かれ、窓が開けられ、そこに見えてくるブルジョアたちの汚れた姿、前に座るおばさんの視線、表情、不気味、これまでの己が蘇る、呆然と立ち尽くし、かくて彼は船乗りに、港の貧しい小屋の中の生活、仲間たち、倒れて船、船室を中を見詰める、余りに貧しい生活、船の機関の揺れと音と動き、近代の響き、此処に何を見る、彼方のブルジョア生活、この貧しい労働者の生活、音と揺れの中、窓の外には荒れた海の波、彼は船から飛び出し街中に、路地、オーバーラップの映像、雑踏、人々、近代化された街の様子、孤独に歩く、あの娘の前移動の如くに、カメラは後退移動、主人公は前に、進む、彼の視線にはなにが見えている、近代と云う恐怖が、かくて辿りついた実家の前、執事が出迎えて、座り込む主人公、あの階段前の椅子、ソファ、そこに両親が戻り来る、なにもしてないと主人公が云ったが、理解しなかった父は謝り、探したのだと、漸くに和解して、母と共に、だか、このブルジョア暮らしから、なにが始まる、既に知って仕舞っていないか、世間を見てきて仕舞っていないか、見る事の多様性、見られることの多様性、カメラの遊び、光と影の遊び、この遊びの先に、遊戯に収まり衝かない、場が、間が、まさに、青年の人生と一緒だ、この場と間を生きるしかないのだが、
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