英語で人生修行していこう!

50代で塾講師
独学で英語の上級をめざしています

自主勉強サークルでの立ち位置

2016-04-22 09:17:24 | TIME reading
もうかれこれ何年になるのかなぁ?と自問自答するのが
近隣に住む隠れキリシタン信者の集団のような自主勉強サークル。


毎週土曜日の夜7時から1時間半、6名ほどのメンバーが入れ替わりで講師を務めます。
ライティング以外の3つのスキル、リーディング、リスニング、スピーキングが
その担当者の好みで30分ほどの持ち時間の学習を展開するという手はずです。

私はもちろんTIMEからのリーディングなのですが、
残念ながら当てにしていた英会話クラスが塾側の事情で消滅してしまい、
「ここのこの単語/文章、どういう意味合いなん??」
と気心の知れたオージー同僚に尋ねられなくなりました。
あぁぁ~、やはり独り立ちの時期がいつかは来るんだなぁと思ったり(涙)。

私自身は英語で読んで英語で理解するのはムリ、という考え方をしています。
以前はそういう理想論でがんばって(しがみついて?)英語のニュースや小説に取り組んでいました。
今やどんどん変化してきて本当に情報として自分の興味のないものは
英語力が上がるというエサをぶら下げられても全く重い腰を上げなくなってます。

たぶん手段より内容として英語を道具にする意識が上がったからだと思います。
基本にあるのは常に日本語。
日本語で読めないものは英語では絶対に読めないんだな、と確信に近く思ったりします。

今年は日本語論文をきちんと読もうと音読しながら意味を探ったりするのが結構楽しいです。
科学説明文は未来志向で物語や小説より私はずっとワクワクするのがちょっとマニアっぽい??

例えばオープンアクセスにしてあるサイト、「ライフサイエンス新着論文レビュー」。
興味のある分野、やはり二人に一人罹患するガンの最新論文はいつも読みますが、これもそう。
’Tumour exosome integrins determine organotropic metastasis.’
要約としては;

長年にわたり,がん転移の成立には転移に適するニッチが必要であるとされてきたが,
がんが特定の臓器に転移する転移の臓器特異性については,
がん転移の研究における最大の謎のひとつとされている.
今回,筆者らは,マウスおよびヒトにおいて,
臓器特異性をもつがん細胞に由来するエキソソームが転移先の細胞に優先的に取り込まれ,
そこでがん転移に適するニッチを形成することを明らかにした.
マウスに肺に特異性をもつがん細胞に由来するエキソソームを投与すると,
骨に特異性をもつがん細胞の転移先は骨から肺へと変化した.
さらに,プロテオミクス解析によりエキソソームに含まれるインテグリンの発現には
その臓器特異性によりパターンのあることが判明し,
インテグリンα6β4およびインテグリンα6β1は肺への転移と,
インテグリンαvβ5は肝臓への転移と関連がみられた.
エキソソームに含まれるインテグリンα6β4の発現を低下させると
肺におけるエキソソームの取り込みは減少し,
肺への転移も減少した.
同様に,エキソソームに含まれるインテグリンαvβ5の発現を低下させると
肝臓におけるエキソソームの取り込みは減少し,
肝臓への転移も減少した.
臨床データからは,患者の血中のエキソソームに含まれるインテグリンが
将来の転移先の予測に有用である可能性が示された.

以上引用終わり。

この論文の成果からどんな恩恵が受けられるのだろう?と考えを膨らますのも楽しい。
つまり罹患後のロードマップがきちんと分ること。
それに基づいて対抗策をひとりひとりに合った攻略法で立ち向かえる準備ができるかもしれないこと。
そういう考えを思いめぐらせながら読むのはすごく面白いのです。

それと奇妙な偶然なのですが、
日本語を英語のような外国語としてまず頭に入れることが
地味に楽しい作業です。
この論文は英文もUPされているのですが、精読すると自分のペースで翻訳修行ができます。

不思議なのだけど、バレエクラスで動きにひとつひとつ用語があるのですが、
その作業をインプットするのと同じ脳の部位を使っているように感じるのです。
このレビューで使用されている用語はカタカナ名がきちんとついているので楽ですが、
これがアルファベットと数字の羅列(酵素とかなど)になるともっと読みにくい日本語です。

少しずつ高い山を登る登山者に似ててそれが案外楽しいのです。
うぅ~む、賛同者は自主勉強サークルでは得難いので
TIMEの時事英語の短い記事で自分の分担箇所は行っております。

通訳も翻訳も人工知能の競い合いで30年ほどでその地位が無くなると聞きました。
では後に何が残るの??というと、なんと教師の仕事だそうです。
個々人の進捗状況や心理状態に合わせて教える仕事はAIにはムリなのだそうな。


Hugh Jackmanへの「10の質問」より

2013-10-05 13:38:33 | TIME reading
http://content.time.com/time/video/player/0,32068,2663216298001_2151744,00.html
すこし前のインタビュー記事(9/11!)だったのですが、
3名しかいない毎水曜日の実質リーディングクラスの1名(私の元・教え子で高校3年生)が
試験明けということもあり、
多少読みやすい記事がいいというのでこれにしました。

だいたいTIMEの’10 questions’はHPにいくとインタビューすべてを観れるようになっています。

字面だけで読むのと日常でふつうに話すインタビューのスピードのちがいにドギマギ。
これをただ漫然と聞いていたら、ある日『おぉ、英語がわかるようになった』なんて
絶対にないやろな、と思ったりする。
そんなウマい話はご用心ですぞ。

アメリカで映画の仕事が多い彼は、恰好のパパラッチの好物。
そういう手合いにはどうしますか?というめちゃくちゃ早口のおばちゃんインタビュアーに、
'if I start flipping the bird or throwing punches, how frigtening it would be for them. So I'm constantly sitting on it.'
「アッタマに来て、この野郎、ふざけんな、と怒鳴りつけたり、何発かなぐりつけてもそんな手合いがビビるなんてあるかな?だからじっと我慢してるんだ」

というような訳文になるでしょうか???
普段に当たり前に使われる表現が一番むずかしかったりしません??

彼は筋肉隆々でマッチョな役柄が多いんだけど、
とても頭のよい方だと思ったりします。

なんと意気投合したエチオピアの男性(この人がニコニコしているとか)と
コーヒー豆の販売会社も経営しています。
会社名が'Laughing Man'。

職場の同僚でもあるジョイというオージーに尋ねると、
300ほどの言語を話す人種がオーストラリアにはいるとのこと。
そういう土壌があるから人間に対しての寛容度が日本人よりずっと高いのでしょうね。
とても魅力的なジャックマンの一面をみた気がしました。

さてさて私の身辺の新しい動きについて。
娘が私のフェロー本校(港区赤坂)での面接授業にぶつけて
横浜から東京中野区へ引っ越しをする予定です。

東京というところは面白いところで、山手線の内側と外側で地価が大きく変わるそうな。
最初それがわからずに水道橋にある会社へこの春から転職した娘は
高田馬場あたりにマンションを見つけようとしていたら・・・・・。
うぅぅ~む、安くない・・・・。

そこで馬場から普通で4~6駅離れると、下町の商店街が大きくひろがる
便利で妥当な家賃のマンションに物件があることが判明。
不動産屋さんから聞くと、上記のような山手線での線引があるそうです。
ほぉ~~。
そういう点をものすごく気にするところが、よそものにはよくわからない点やねぇ。

西武線の沿線になるのだけど、関東大震災の後、台東区あたりの倒壊してしまった寺社仏閣が
大挙して中野や練馬あたりに引っ越してきて住宅地になったということらしい。
だから下町というか、住宅地が広がっている地域なのだそうです。
いや~~、めっちゃ楽しみ♪

新しい土地でそこの地元の人たちと交流ができて
人間関係がぐぐっと広がれば、彼女も土地に愛着がわいて
毎日が快適になるだろうな。

私が二人の子供たちに一番大事にしなくてはいかんと言ってきたのが
人との絆を大事にしろってことです。
そのおかげか(汗)、二人とも勉強はしなかったなぁ。
でも母親として私はあまり後悔がない(全然と云いたいけどそれはウマすぎる!)。

私も夫も二人ともいつかはこの世からあちらの世界に行かねばならない日が来る。
そんな前後にどちらにも豊かな人間関係が築けていたら
私たちも安心して旅立てるというもの。
そんなこと当然だろう?と思っていたらこれがとんでもない!
私が長く他所のお子さんたちに英語を教える立場から言えば、
他人と一からコミュニケーションをとれるようにしておくことこそ
親がまず子供に率先して教えなくちゃ育たないことだと思っています(強調)。

勉強のことなんて、こんなに情報が錯綜している現代の日本では
いつからでもやれると思えるけど、甘いですか??
私にはそう思えて仕方ないのですが。

アメリカ人の考える「幸福の追求」

2013-08-18 10:36:36 | TIME reading
なんとまぁ、先月初めのTIMEのカバーストーリーでしたね、これって(汗)。
思い返すと、今年の夏の酷暑がこのあたりから爆発したんじゃなかったでしょうか?
7月1週目に40度近くに気温が上昇したように記憶しています。
それじゃぁこんな辛気臭い話題、まして英語で書かれていたんじゃ読めないはずだ(苦笑)。


ブランドイメージが大きすぎてそこに集う面々の中に自分の嫌な姿を見る思いだった慶應通信時代。
お気を悪くされる方がいたらごめんなさい。
でも、自分の一番見たくないものを過大評価されて見させられることは
私には何よりも嫌でした~~。
これは理屈じゃなくて生理的なものなので申し訳ないです。

ぶっちゃけ何が嫌だったのかといわれると「学歴コンプレックス」でした。
東大理系を頂点とした夫一族の中で私の私学文系の肩書は半人前だったのです。
文系でもエリートと言われる慶應ってどんなもんだろう?という興味もあり、
日大通信から3年編入もオッケーだったという好条件もあり編入学しました。
教育哲学専攻だったことから、一通りの哲学者の難解と呼ばれるような著作も読まされました。
そうじゃないとレポート作成(4000字)→科目試験という道筋で単位がもらえなかったから。
でも悪いことばかりじゃないって、多少時間と距離がおけるようになり感じ始めています。
それもこれも、頭を掻きむしりながら意味不明の難解な哲学書を読んだおかげです。
結局、母国語の日本語での知識の深まりができたことへの感謝です。

タイトルにもある、'The pursuit of happiness'の内容は3部構成になっています。
*アメリカ人の国民性としての幸福とは何か、
*イギリスから独立を果たしたジェファーソン思想との関連性、
*実生活のあれこれにアメリカ人が持つ意識のデータ一覧。
<一つ目の記事の全文URL>http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,2146449-1,00.html

二つ目が異常に難解です。
というのも、私自身がジェファーソン思想ってのがよく分っていないから。
アリストテレスのいう幸福の定義はかろうじて分るような分んないような・・・・。
だからこういうものを実感として読めるようになろうと思えば、
字面からもう一段高い作業をせねば到達できないんだろうなと思った次第。
で、私ならどうするかというと「何回でも読み返す」という作業しか他に道なしです。
これってまるで考古学者みたいですわ~~~。

英語力をあげるのに、私がどうしてもやりたくないことがリスニングのディクテーション。
これをやってると英語自体が嫌いになりそうになる。
客観的にみても、母国語でこれをやってる人って誰だろう?と考えると・・・・。

そうそう!!
心理職のカウンセラーの人がテープおこしという作業でやるじゃないですか?
それ以外に通常はやらないことだと思うわけです。
だんだん哀しくなってきて『あか~ん、これは合わへんのや』と諦めました。

私はリスニングで語学力が上がるタイプじゃないんです。
このことから、自分が上がったスキルを一般化することの怖さがわかります。
自分のことは自分だけしか分んない。
だからそのオリジナルを自問自答して探し求めなくちゃいけないと思うのです。
簡単に答えをもらおうと思えば思うほどどんどん目的地は遠くなるように思うな。
長続きするような方法を考えることを恐れずに探していくのが大事だと思います。

さてTIME、7/8-15のdouble issueですが、日本人の国民性を卒論の一つの柱にせねばならなかったことで
この特集の「アメリカ人の求める幸福の形」という内容は興味深かったです。
清教徒の精神を貫くためにアメリカ大陸に移住した白人のプロテスタントたち。
日本人の私との考え方の大きな相違は、
「常に変化を追い求め、
時々思い立ったように新しいことをはじめ、
それに伴うリスクは気にしない」という精神かな?

一番初めの記事内の難解な部分、Easterlin Paradoxという用語の説明文です:
which is held that there is a threshhold beyond which increases in income produce
no commensurate increase in subjective well-being.

私のへっぽこ訳だと、「自分が感じる幸福と相反するほどの所得の増加から始まるものを指す」くらいでしょうか???
こういう、なんじゃこれ??という箇所がマスターの課題でも何箇所か出てくるのです。
1日考えてもわかんない。
で、まぁ、放置して明日の朝になったら良い考えが浮かぶかも?と適当な性格が幸いするのでしょうね。
時間がたっぷりあることに感謝せねば、と思っています。


ところで、Easterlin Paradoxとはなんぞや?
これはRichard Easterlinが提唱する幸福理論の一つです。
おおざっぱに言うと、衣食住が事足りたら人間は現在の収入の増加があっても
それに比例して幸福度は上がらないっていうことだと理解しました。

面白かったのは、他人の幸福を妬む気持ちのシステムとは、という箇所。
嫉妬の感情は、あまりにも相手との差がありすぎる場合は発生しないという。
つまり、自分よりちょっとだけ幸福な人に対して妬む感情がおこるっていうのです。
『あぁぁ~、あるある』とうなずくことしきり。
自分から見て手に届きそうな人をターゲットにするんだ、そうそう!と思ったのです。

基本的に古いものを大切にする日本人の特性と
アメリカ人の壊して新しいのもを造っていく精神は違うだろうなぁと思いました。

二つ目の難解な記事は、あと10回ほど読まないときっちりわかんないわ~~。
それも私には嫌じゃないので、やってみてまた違う読みがでてくるかもしれませんね。



がっかりしたこと、あれこれ

2013-05-28 08:41:16 | TIME reading
かなりブログの間隔があいてしまいましたね~~。
特別なことがあまりなくて、そうするとどうも書こうと思えなくなってました。

がっかりしたことだけは幾つか身近におこっています。
まず一つ目。
先週末の朝日・日曜版別紙の村上春樹最新本『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』について(朝日プラス・シーより)。


半月ほど前に友人と『IQ84』全巻と交換で、この最新本を読み終えていました。
まぁ~ひどいもんです。
本当にがっかりしました。

というのには、理由があるのです。
村上作品の中心は、「死、性(生)、暴力」の3つがモチーフです。
それを多少リッチな小物や設定状況で彼なりに小説に仕上げているように感じる。
この「彼なり」というのが、彼がバブル(現在の中国に近い)のころから
人間的に成長を遂げていないのがなんとも哀しい。

もう60代半ばかな?
作家として成熟できていない現実が見てとれ、
最新作への期待が高かっただけに
読者としてかなり「がっかり」でした。

色に対して私なりの解釈や仮説があり、
色を持たない人間がどのように人間的に豊かになっていくのか。
すごい期待満々で読んだからです。

おまけに固有都市、中部・名古屋が主人公・つくるの舞台となっているじゃないですか。
足かけ5年ほど通学した大学までの馴染み深い場所という設定もあり、
かなり期待満々だったのです。
その膨らんだ大きな風船が破裂した感が否めません。

有名大学を出て、大企業に就職、お洒落なライフスタイルをしつつ
心は空虚、というありきたりの設定がもう現在の状況から大外れというのも
なんとも哀しいです。
彼はどこへ行くんでしょうね。

次のがっかりは、姉のガンがらみともかぶること。
先週のTIMEは、「アンジェリーナ・ジョリー効果」というカバーストーリー。
彼女のような行動をした人は、私がプロテスタント教会主宰の英会話教室の講師からも見聞きしました。
その講師(アメリカ人宣教師&英会話教師)の実姉さんが片方の乳房にガンができたのです。
もう片方にはなにもないのに、リスクがあるのは当然ということでジョリー女史のように、
両方ともいっぺんに切除したと聞きました。
それを聞いたときに、
「そんなにしなくてもエエんとちがいますか?」
と、ありきたりな質問をしました。
そうすると、
「遅かれ早かれ罹患するなら、いっぺんにとってしまったほうがいいじゃないの?」
とあっけらかんと答えられたのが印象的。

じゃぁ、すいガンになった家族暦がある家系の人間は、
予防措置としてすい臓もとってしまう???
一生インシュリンの投与をしなくちゃいけなくなりますぞ。

ここで問題なのは、アメリカ式人間もモノとして考えるという思考じゃないかという点。
私がこのクラスに20年近く在籍して、いつも越えられないハードルを感じていたのが、
何でも解答がすぐ見つかるようなモノの言い方をされたことです。

たとえば、ウツになった→医者に行って薬をもらう、だめならカウンセラーにかかる。
こういう具合です。
そこで何が問題なのかというと、→の部分に葛藤がないこと。
ここにとても大切な「何か」があると私は思うのです。
それは人間の成熟に必要なものじゃないかということ。

キリスト教のクリスチャンでもあるということなので、
最後は神が待っていてくれるという強さもあるのでしょうか。
私はどうしても納得ができなかった点ですねぇ。

最後のがっかりは、私のマスターコースの進み具合。
紆余曲折を経てプロになるのでしょうけど、
私、それほど英語でお仕事がしたいの?と自問自答しています。
姉がらみでiPad版Natureを定期購読したのですが、
TIMEなんて目じゃないほどの難しさ。
よくよく考えると、元々の日本語での同レベルの論文が読めないことも
大きな原因としてあるでしょうね。
日本版NatureのNewtonでも読めないことには始まらないかなぁ??
ここでも結局は日本語力が大切になりますね。

昨夜、NHK総合夜10時からの『プロフェショナル仕事の流儀』で
人間国宝の88歳志村ふくみさんという方が染織家としてどう生きてきたかを特集していました。
http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0527/index.html

「雨過天晴」という藍が発酵をし終わり、
最後の最後に出す奇跡の淡い水色に挑戦されていました。
終わりがないから楽しい。

こんな物言いは、私の英語修行でそう言い切れるのか?
うぅぅぅ~~ん、それだけの情熱がないような、あるような????
またまた自問自答が続きます。
私、それほど英語が好きじゃないのかもしれない。
とまぁ、そんな疑問も昨今の私には思えたりしています。

一歩ずつ前へ前へ

2013-03-30 11:39:40 | TIME reading
実姉のことで暗くなっても仕方ないって思いながら暮らしています。
人生初、目の前が真っ暗とはこのことか、と思いましたが、
真っ暗じゃなくて、「無彩色」になる感覚でした。
自分の命を賭けて闘うということの意味がどういうものか。
私はやっとわかったように思います。

同じ時期に私よりずっと優秀なスコアで1級を取得なさったYoshikoさんのブログから
この抜粋の転載の許可をいただきました:

「わたしは1秒1秒を楽しむつもりです。
そして、楽しんでいる間は、そのことを意識していようと思います。
たいていの人たちは、生きているのではなく、
ただ競争をしているだけ。

はるかかなたの地平線にある決勝点にたどりつこうと一生懸命です。
そして、そこに行くことに熱中するあまり、
息がきれ、あえいでしまって、自分たちがいま通過しいる、
美しく静かな田園風景も目に入らないのです。

そして、そのあげくに知ることは、もう自分たちは年老いて、疲れ果てていて、
決勝点に着いても着かなくても、結局、何の違いもない、ということ。

わたしは、たとえ大作家になれなくても、道草をして、小さなしあわせ
をたくさん積み上げることに決めました。」

A・J・ウェブスター『あしながおじさん』より

とても示唆に富んだ文章だなぁと心にしみじみ染み入りました。

ウェブスターの人生の真の幸せとは?という命題への追求が
彼の作品を時代の淘汰に負けずに、
名作として後世に読みつがれていく一因だと思います。

人間って欲の塊だなぁ、と常日頃思っています。
私がうまくつきあえない人のタイプが自分の考えを押し付ける人です。
誤解を承知で言うなら、私の姉は第一子の長女として
このタイプの人間だといえると思う。
平等にたとうとするとぴしゃりとはね付けられてきたなぁ、と
まるで娘と同等の妹の私は思い返します。

でも、生まれ順って日本では人間の性格形成に多大な影響があると思います。
長年培われた日本の風土と文化のなせるものでしょう。
習俗ともいいますね。

欲や快の感情は良いものとするアメリカの文化は、
日本人とはちょっと趣が異なるのではと感じています。

その最たるものが、時宜を得た今週号のTIME'How to cure cancer'

姉に少しでも希望を持てるような内容がないだろうか。
この一念で一字一句読みました。
こんなに真剣に英文から情報を読み取ろうとしたのは
1級の1次試験以来だなぁ。
でもこういうのが本当の読解力になっていくのだろう。
「必死に取り組む」、これが最終的な手段になると思う。

今回の「ガン特集」で興味深いのは、ハリウッド方式のがん治療法解明レース。
何人かの著名なハリウッド関係の映画人がガンに倒れてきた。
2011年に亡くなったLaura Ziskinは映画『スパイダーマン』の敏腕プロディーサーだった女性。
こういった映画関係者が大金を出し合って作った団体が、
'Stand Up to Cancer',SU2C。

映画の作製手段と同じく、どうやってヒットする映画を作るのか。
MITの教授であり、分子生物学分野のノーベル賞受賞者でもある
Philip Sharpが議長となって、3年以内という期限つきで
最初に治療法を解明した組織および団体に膨大な報奨金を出すのだそうな。

内容は・・・・。
まぁ、アメリカ的です!
お金の力でそれぞれに個々の名誉や秘密保持をしてきた団体が
縦横の障壁をとっぱらってしまい、必死に解決策を探り始めています。
あともう少しかもしれない。
日本でもips細胞の技術が革命的に進んでいるので
あっと驚くような打開策がもたらされるかもしれない。
絶対に希望を捨てないようにします。

自分が一番辛かった時に親身に助けてくれた人が
心身ともに弱り、助けを求めている。
その災難は誰にでもいつおこるかわからないわけです。
たとえ可能性や望みがわずかでも、安易に「○×にかかれば助からない」という
自分だけは大丈夫、勝ち組だ、というような言葉は絶対に聞きたくありません。
今日最終回だったNHKドラマ『純と愛』の中で、
主人公の待田純のセリフに、
「神様がいても、神様にはもう頼らない。奇跡は人間がおこすのだから。」
と彼女が語っていました。

姉ともいっしょに温泉や名古屋の街へ靴を買いにいこうと
話しています。


最後に、とうとう買いましたiPad。
まだ使い方がぎこちないのだけど
retinaにしたので、なんてキレイ!
これで実務翻訳のgoogle操作もきびきび行えそうです。
すこしずつ「前に前に」向かって歩いていきます。