英語で人生修行していこう!

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独学で英語の上級をめざしています

植物人間って一括りにしないで!「潜水服は蝶の夢を見る」

2011-11-30 11:08:26 | TIME reading
「潜水服は蝶の夢を見る」日本版予告編


トルコの首相が表紙になっている号(11/28日号)に
今回のタイトルにもなっている'A Flicker of Consciousness' by Eben Harrell/Liege
の記事がある(pp45-49)。

主人公の男性はまずブルガリアの冷凍工場の工場長だったValentine Filipov。
もう1人はベルギーの新進気鋭のドクター、Steven Laureys。

フィリポフは2009年の8月9日の日曜日に自宅庭の照明器具を取り替えようと
階段から落ちて(わずか1m弱から!)脳を損傷し、医者から植物状態と宣告を受けた男性だ。


家族が快復の望みをかけてベルギーのローレイズ医師に診断を仰いだが
現在まで大きな進展はないということだ。

しかしこのローレイズ医師たちのグループが3年越しで取り組んでいるのは
今までの植物状態と診断された患者の中で一気にコミュニケーションが図れるまでに
快復が可能な患者の存在を明らかにする計画だ。

この患者のグループは、'minimally conscious'とカテゴリー分けされる人々である。
目で鏡の自分を認識できるというのが診断の一つとされている。

ローレイズ医師(なかなかハンサム!)が目指すのは、これまでの金額のはる診断基準内容を
安価なものに換えられないかということらしい。
つまり誰でも身近に植物人間か回復可能な人間なのかの診断がつけられるものを探しているのだ。

びっくりな発見は、植物人間になるという原因が
それまで考えられてきた脳のすべての部分にダメージがあるわけじゃないということ。

主な3つの部分の一つでも損傷を受けると覚醒が妨げられることを発見したのだ。
一つは前頭葉、二つ目は頭頂部の部分、三つ目は前の二つに信号機のような合図をする視床の部分という。

脳の機能がまだすべてはっきりと解明されていない以上
医学界での新しい発見は毎日のようにおこるのだろうと思う。

以前評価が高くて見た映画でそっくりな内容のものがあったなぁと思った。
それが『潜水服は蝶の夢を見る』http://chou-no-yume.com/main.html

特殊な目で会話が成立する器具を開発してもらって
主人公の男性が今の自分の状態を克明に記した
自伝を元に作られた映画である。

後味はもちろんあまりすっきりはしないのだけど、
脳の未知の部分と感情をもつ人格の部分のせめぎあいが
人間を人間たらしめているなぁって感動する映画だ。

きっとこの研究が続けば、脳の器質的機能やその限界などもわかって
心臓病などが代替部品(ステントなど)で一命を救えるように
多くの一時は植物人間として処理された患者の人々に福音がもたらされると思う。

そして近い将来に人間の脳とほぼ同じ人工知能の機能を備えた
ロボットも開発されると思う。
そうなったらどんな風に社会が変わるのだろうか。



19歳の頃の記憶はさっぱりなく<高野山再訪日記>

2011-11-28 11:12:10 | 日記
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穏やかな気候の中、世界遺産・高野山へ姉がどうしても行きたいというので
早朝から出かけていきました。

若いのに「Discover Japan」風だった19歳の頃
仏教に関心が高かったこともあって、さっぱり興味のない高校では1年先輩を誘って
ここの宿坊に泊まったことがありました。

その日は春分の日でした。
がっ、その前夜、あまりに寒くて寝つけず
支給されたお布団や毛布では寒すぎてこっそり余分にあった毛布などを
押入れからひっぱりだして「浅漬けのきゅうり」みたいに寝たことを思い出します。

朝、カーテンを開けたら・・・・。
『えぇぇぇ~嘘やろ??』
一面銀世界。
そう、20センチ弱ほど積雪がありました。

高野山、恐るべしです。

昨日も姉はロングダウンコートを着用して岐阜からやってきました。
私はネットで土曜日に気温を確認したので
ハーフコートでしたが、正解でしたねぇ。
お山の上も大して差がなくて暖かな一日でした。
たぶん14度くらいはあったと思います。

写真は金剛峯寺の石庭です。
豊臣秀次の自刃した部屋とかもあります。

私はあまり妖気を感じないと思っていますが
この秀次自刃の部屋ではなく、それと境を接している
黄金の間というのに身体が反応しましたねぇ。

かなりヤバイのです。
どういったものか、怨念がどぉ~~っと居座っていて
ちょっとした集会所みたいな気を感じました(こわいよぉ~)。

こういう場所にばかり天皇や皇族が通されているってのも
競争心のない優雅な暮らしをしているはずの皇族の方が
あまり長寿に恵まれないせいじゃないのかなぁと思ったりもします。

ろくな死に方をしなかった時の権力者が死んだ場所などに
記念館などを建てたりして皇族を呼び、記念行事を行うというのも
お気の毒だと思ったりしました。

暗闇、光、水というのは無意識の世界の何かを喚起する小道具ですが
奥の院の灯篭が累々と飾ってあるだけの場所も恐ろしいほどの妖気が漂っていました。

昨晩最終回だったというお江の墓はすごく立派でびっくり!
自分の産んだ二人の息子を巡って乳母・春日の局と闘って敗れた哀しい女性も
こんなお墓を建ててもらったら嬉しかったかなぁって妙な気分でしたねぇ。


しかし、総じて世界遺産に指定を受けた後の高野山は
30年余前に出かけたひなびた風情はどこへやら。
一大観光地のようなすごい開かれた場所に変貌していました。

春の桜を見に出かけた吉野のほうがずっと風情がありましたねぇ。
高野山は比叡山より妖気漂うすごい場所でした。

一人称、二人称、三人称

2011-11-24 17:04:14 | 日記
娘が「一回読んでみてよ、きっとおもろいから。」と
この前、横浜で3泊した時に貸してくれた『八日目の蝉』角田光代著。
松本清張シリーズの合間に読んでみたのです。
やっぱりこの際、見そびれた映画も見なくちゃとレンタル店で借りきて
それも見ました。
ご覧になった方、結構いるのじゃないですか?
どんな感想をお持ちになったでしょうか。

私の感想はかなり冷静で客観的です。
そんなこと考えて読んで、オマエは楽しいのか??と言われそうなほど
へぇぇ~と思いつつ読みました。

娘は大絶賛の嵐。
私は、うぅぅ~ん、そうなんだ、と妙な感じです。

なぜ妙なのかは、一つ目の神話が「母性神話」、もう一つが「三歳児神話」と
二つの神話が美しく光り輝く典型的な話として中心を成しているから。

母性があるなら父性もあるのではないかと私は思うし、
女性が赤ん坊を前に誰しも無条件に愛情を注げるとは思えないから。
これは出産し、育児をした女性なら誰しも覚えがあると思います。
著者の角田さんは創造力を頼りに書いたのだろうと思うなぁ。

そして私が多少の息苦しさを感じつつ読んだのは、
この小説が男女間などの二人称、二者関係に限定して書いてあること。
男か女か、母親か子供か。

この二者関係も結構苦しいものがありますねぇ。

一者関係の小説だと私は思っているのが、村上春樹の作品群。
彼の作品はほぼ全てがたった一人しか登場人物はいないだろうというのが
私の感想です。

なぜならば、心にかなり傷を負った人間が自分の心と深く対峙するときに
その原因をどんどん掘り下げるのは苦痛なものです。
それを多重人格的に何人かの人物に自分のパーソナリティーを投影して
自分とそのペルソナとのかかわりで自分の内面の傷を癒そうとする話。

だから村上氏の作品には、暴力、セックス、死、この3つはどうしても必須な要素。
彼の作品に似ていたのは、カズオ・イシグロの「私を離さないで」だったように思います。

どのようにも解釈ができるのに、なぜかすっきりとした整合性はない。
心の中の出来事は、映画を見るように夢の世界を現しているからではないでしょうか。

世界各国で読まれるのは、誰にも当てはまる汎用性をもつ部分が
心の傷を癒す作業というところだからじゃないかと思うのです。

それから考えると、何を考えずにガンガン楽しく(?)読み飛ばせるのが
松本清張の作品ですねぇ。

昨晩、彼の傑作だと評価が高い『点と線』を読みました。
自分が生まれた年に書かれた作品なのだけど
これもとても面白いのです。

自分の生まれたころの日本はどうだったのか。
いまとあまり差がない日本人のありようもかなり面白いのです。

なぜ読み飛ばせるのか。
これか松本清張の文体が3人称であるからだろうと思い至りました。

作品の登場人物の誰にも自分を投影しようとしていないからです。
だから火曜サスペンス劇場っぽく、どんどん次はどうなるのかなぁって
面白く読めるのだろうと思います。

娘のもう一冊のお勧めは東野圭吾、『流星の絆』。
けっこう厚めだけどまた「ふぅ~ん」と読めそうな感じです。

TIMEを通してアメリカという国を知るために

2011-11-22 08:41:29 | TIME reading
今週末からNHK教育chの白熱教室でも取り上げられる
『選択の科学/コロンビア大学ビジネススクール特別講義』シーナ・アイエンガー著と、『集中講義!アメリカ現代思想/リベラリズムの冒険』仲正昌樹著の
2冊を寝しなの小説と並行しつつ、毎日読みすすめようかと思っています。


アメリカ型民主主義とか人道主義を推し進めるために
つかわなくてもいい軍事費を多額につかい、
ベトナム、湾岸、イラク、アフガニスタンと貴重な人命を失いながら
それでもアメリカは正義の戦争をしていくのが
どうにも理解しづらいもんがあるのです。

きっとそうせざるをえない「何か」があるはず?
じゃぁそれはナンだろうって少しだけ自分なりに理解したいなぁと
思い至りました。

ヨーロッパはギリシャに始まった西洋哲学思想が根底にあるというのは
イヤというほど慶應時代の基礎座学の単位習得で学んだのです。
専攻が教育哲学をベースにしていたので倫理学のベースは
カントとJS・ミル、必須でした。

白熱教室で一躍有名になったハーバード大学・サンデル教授の師匠ジョン・ロールズが
どんな考えなのか。
またサンデル教授の授業風景を見るにつけ、もともと出来レースっぽく
伏線がきちんと立ててあり、そこへ少しずつ生徒からの意見を加味しつつも
自分のあるべき結論にもっていくような用意周到さがあると思いました。

では、その根底に流れるアメリカ現代思想ってなんだろう??と
自分なりの考えを持ちたくて私の知的レベルで読めそうな本を選んだというわけです。

「選択の科学」では全盲のコロンビア大学教授のインド系アメリカ人女性が
選ぶことの強さを教えるらしい。
選ぶことと選ばないことで人間がどうなるのか。
帯の裏表紙の部分には非常に興味をそそられる文章が一部載っています:
・わが子の延命措置をするか否かの究極選択。判断を親がするより、医者に委ねたほうが、後悔は少ない。

うぅぅ~む、これは私には当てはまらないように思うなぁ。
自分で行わない限り、やった医師に恨みを向ける楽な流れに身を任せてしまいそうだ。

歴史のある日本は古いものに価値を重くおくけど、
新しくて力があるものが古いものより素晴らしいと考えるアメリカは
日本とは全く別の意思決定で選択がなされているように思えるのです。

それが何に由来するのか、ちょっと興味があるので
アメリカのリベラリズムの元ってなんだろうと考える一助にするために
火曜サスペンス劇場風の松本清張(『点と線』を読書中、オモロイですわ)の本と
同時進行で読みすすめます。

<別のHPからプロフィール抜粋>
◎シーナ・アイエンガー教授について
アイエンガーは、20年にわたって「選択」をテーマにして、さまざまな実験や調査、研究を実施し研究成果を体系化した。
アイエンガーの両親はインドのデリーからの移民で、シーク教徒。
両親がアメリカに移住したのち、カナダのトロントでアイエンガーは誕生。
3歳の時に眼の疾患を診断され、高校にあがるころに全盲に。
家庭ではシーク教の厳格な教えが反映され、着るものから結婚相手まで、両親がすべて宗教や慣習で決めるのを見て育った。
しかし、アメリカの公立学校で、「選択」こそアメリカの力であることを繰り返し教えられ、大学に進学してからは「選択」を研究のテーマに選んだ。
スタンフォード大学では社会心理学の博士号を取得し、現在はニューヨークのコロンビア大学でビジネススクールの教授を務めている

なかなか上がんないもんだなぁ~

2011-11-18 10:56:41 | Writing
私のライティングの文章力。

例のコースの3回目のevaluationが返ってきました。
なんだかちょっと英検のネット発表みたいでドキドキなんですよね
どうも病み付きにならないように気をつけないとあかんなぁって思ったりします。

それで結局今回はちょっと上がったぁ??と思いきや・・・・。
同じ「C+」

どうにもstylisticsに問題があることが判明しました。
判明はしたのだけど、どうやってこれをクリアーするかがさっぱり

すでに一級合格済みの体験記を載せてる人物のエピソードなんかを読んでも
すっごく頑張って書いても「C」だったのが12回中9回あたりから、
『あっ、わかった!』
と実感した(腑に落ちた?)と書いてあるのですわ。


今回は慶應での卒論とかぶるネタ(日本の皇室の役割とは何か?)だったため
悪い虫が動き出してしまい(つまり書きたくて書きすぎ)
20wordくらい多く書いてしまったことが災いした模様。
前後10%で収めないと、この文体(stylistics)の評価が下がるのでは?と
そう考えてます。


ところが、です。
1級のエッセーの難しいところは「微妙に短いのに5段落で書け」というルールがあることです。
これにいつも苦慮するんです。

3つのポイントの関連性をテーマとどう絡めるかってのが
一歩まちがうと奈落の底になってしまう
今回の6点という歴史的得点はその良い例でしょうねぇ。

10月の試験結果の前にこのコースの申し込みをしたので
ちょうど次回の試験前にエッセー12回がすべて終了します。
何かをつかめるのか、はたまたモヤモヤ~の状態で受験となるのか。
私の理解能力の範囲を示す試金石みたいなもんですねぇ。

他人事っぽく、
「どうなるんやろなぁ~~