英語で人生修行していこう!

50代で塾講師
独学で英語の上級をめざしています

最終回の第六回課題

2013-08-30 14:19:54 | 翻訳
フェロー、マスターコース金融・経済の第六回を細々と下訳中です。
今回は日英、つまり英語に直す作業です。

しみじみ思うのは、私の苦手なテキスト、月刊英語教本(茅ヶ崎出版)、
The Latest News in Englishのユニットのような英文に仕上げるといいんだろうな、ということ。
この8月号の表紙には、
「国立香川大学の入試に本誌の記事が出題されました」と印刷されております!
だんだんと難解な(へんてこな?)文法や和訳などよりも
より実用的なグローバル英語への転換がおこってきてる証拠でしょうか?
ということは、誤解を生じさせないようなシンプルでわかりやすく
きちんと内容を伝えるということが大事だと言えそう。

たぶん現在受講中のコースを専攻することはなさそうです。
姉のガン騒動で何カ月か必死に英語圏での先進医療現場の英文を読み、
日本語で書かれた、やや硬い文章も読んできたことから
自分ならもうちょっと分りやすくできるかも?と大それたことを思い立ったからです。

店頭売りはせず、定期購読でしか入手できない『がんサポート』という月刊誌があります。
ここの編集方針は、わかりやすく事実に基づいた情報を読者に提供するということです。
姉に直接送るのでは押しつけがましいということから
私が2年契約の定期購読者になり、その後姉に渡すようにして読んでいます。
そこから、このような姿勢の内容が読者に待ち望まれていたのだと分りました。

つまり難しいことをできるだけわかりやすく簡潔に書いて知らせることの大切さです。

『バイオニュースサイト』によく行きます。

そこで、ん????というような文章によく出くわす。
たとえば、


がん治療におけるmTOR活性阻害ターゲット化に耐性が生じる機序を解明
2013-8-21 9:00 より引用

Hebrew University of Jerusalemとカリフォルニア州の研究チームは、有望とされている抗がん治療がなぜ腫瘍細胞の死滅に期待したような効果を挙げられないのか、その原因解明に一歩近づいた。同チームの研究成果は、この手詰まり状態を打開するために大きな理解をもたらしてくれるかも知れない。

研究対象になった問題の治療法は、mTOR (哺乳類ラパマイシン標的タンパク質) の活性阻害をターゲットとするものである。
mTORは、細胞が環境から受け取った分子シグナルの処理の管理に重要な役割を果たしており、各種固形がんで特に強く活性化されることが知られている。
これまで薬剤によってmTORの活性を阻害する方法では、がん性腫瘍外層のがん細胞を死滅させることはできているが、腫瘍の中心部に対しては、これまでの臨床治験では思わしい成果が得られていない。
<ここまでは理解可能>

酸素供給量が低下する状態、すなわちhypoxiaと呼ばれる低酸素環境は殆んど全ての固形腫瘍に対して作り出す治療であるが、それに対する腫瘍の反応の有様は多岐にわたる。mTORのシグナリングが低酸素状態の影響を受け、また変化を受けることは知られているが、この現象を説明できるメカニズムはまだ明らかになっていない。
<この部分が妙な気分になる>

というのも、低酸素環境は~治療である、が核となる文の構造と思うのだけど
低酸素環境は治療ってちょっと言葉が足りてない気がします。
私だけなのかな?

このような読みにくい日本語の問題もあって、
せっかくの貴重な情報を読みたくない気分になってしまうなら
もったいないと思うようになったわけです。
やっぱり母国語の日本語を工夫しないとダメということでしょうか。

最終課題をしつつ、HeLa細胞を題材にした'The Immortal Life of Henrietta Lacks',
『不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生』を読了。
いや~~、中里京子さんの訳、すばらしかったです!!!
あまり感動したので、原書も注文し、ゲットしました。

続いて間をおかずに、彼女のもう一つの訳出作品、『地球最後の日のための種子』スーザン・ドーキン著を読んでいます。


何度も1級合格のために過去問題をやっていたので、あっ!と思ったのは
1級の長文問題は案外中里さんが訳した本ともリンクする題材から出題されていますよね?
英検協会の先生方も関心を示す作品に着目できるほどの翻訳者なのでしょう。

彼女は実は夫の大学の後輩にあたる方です。
つまり英語は大学入試で学んだ以来ずっと忘れていたものだったはず。

一念発起して英会話教室からイギリス留学、そして英国人の伴侶をつれて
日本に帰国、と、私と違い、どれほどの努力と集中力で
翻訳者までの階段を登ってこられたことか。

何十年もダラダラとその場足踏みをしていたことが
やや恥ずかしいです。

でも、彼女が毎年新年になると地図を買い求めてそれを眺めながら
翻訳に疲れると頭をリセットすると書いていたことが印象的です。

私のように当てもなく英語とつかず離れずしていたのではなく、
きちんと自分の専門分野を持ちながらの英語力UP。
だから英語だけしかやってこなかった私よりも興味を広く持てるのだろうと思いました。
学ぶべき点が多いなと思います。

最後に月曜日と火曜日(8/26-27)と岐阜県に住む、闘病中の姉からの誘いで
長良川鵜飼を見物し、ホテルで一泊してきました。
岐阜県の観光地といえば、高山がピカイチ。
鵜飼も一時は廃れたのですが、必死のPRでお盆明けのウィークデーにもかかわらず
多くの人で賑わっていました。


姉の状況はありがたいことに徐々に回復傾向です。
持ち前の毒舌もそれに伴って復活中(苦笑)。
ただバレリーナも真っ青の激ヤセぶりはなんとかせねば。
いっしょに大浴場に入ったら、
「アンタ、そんなに巨乳だったっけ?」
などと、Bカップの私に真顔でいう始末。
おいおい、おねえちゃん、アカンで。
自分の今のボディーイメージ歪んでますって、と呆れました。

多くの情報があふれているけど、その中からきちんと正しいと思われるものを
取捨選択してくる力が必要になってきたな、と思います。

アメリカ人の考える「幸福の追求」

2013-08-18 10:36:36 | TIME reading
なんとまぁ、先月初めのTIMEのカバーストーリーでしたね、これって(汗)。
思い返すと、今年の夏の酷暑がこのあたりから爆発したんじゃなかったでしょうか?
7月1週目に40度近くに気温が上昇したように記憶しています。
それじゃぁこんな辛気臭い話題、まして英語で書かれていたんじゃ読めないはずだ(苦笑)。


ブランドイメージが大きすぎてそこに集う面々の中に自分の嫌な姿を見る思いだった慶應通信時代。
お気を悪くされる方がいたらごめんなさい。
でも、自分の一番見たくないものを過大評価されて見させられることは
私には何よりも嫌でした~~。
これは理屈じゃなくて生理的なものなので申し訳ないです。

ぶっちゃけ何が嫌だったのかといわれると「学歴コンプレックス」でした。
東大理系を頂点とした夫一族の中で私の私学文系の肩書は半人前だったのです。
文系でもエリートと言われる慶應ってどんなもんだろう?という興味もあり、
日大通信から3年編入もオッケーだったという好条件もあり編入学しました。
教育哲学専攻だったことから、一通りの哲学者の難解と呼ばれるような著作も読まされました。
そうじゃないとレポート作成(4000字)→科目試験という道筋で単位がもらえなかったから。
でも悪いことばかりじゃないって、多少時間と距離がおけるようになり感じ始めています。
それもこれも、頭を掻きむしりながら意味不明の難解な哲学書を読んだおかげです。
結局、母国語の日本語での知識の深まりができたことへの感謝です。

タイトルにもある、'The pursuit of happiness'の内容は3部構成になっています。
*アメリカ人の国民性としての幸福とは何か、
*イギリスから独立を果たしたジェファーソン思想との関連性、
*実生活のあれこれにアメリカ人が持つ意識のデータ一覧。
<一つ目の記事の全文URL>http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,2146449-1,00.html

二つ目が異常に難解です。
というのも、私自身がジェファーソン思想ってのがよく分っていないから。
アリストテレスのいう幸福の定義はかろうじて分るような分んないような・・・・。
だからこういうものを実感として読めるようになろうと思えば、
字面からもう一段高い作業をせねば到達できないんだろうなと思った次第。
で、私ならどうするかというと「何回でも読み返す」という作業しか他に道なしです。
これってまるで考古学者みたいですわ~~~。

英語力をあげるのに、私がどうしてもやりたくないことがリスニングのディクテーション。
これをやってると英語自体が嫌いになりそうになる。
客観的にみても、母国語でこれをやってる人って誰だろう?と考えると・・・・。

そうそう!!
心理職のカウンセラーの人がテープおこしという作業でやるじゃないですか?
それ以外に通常はやらないことだと思うわけです。
だんだん哀しくなってきて『あか~ん、これは合わへんのや』と諦めました。

私はリスニングで語学力が上がるタイプじゃないんです。
このことから、自分が上がったスキルを一般化することの怖さがわかります。
自分のことは自分だけしか分んない。
だからそのオリジナルを自問自答して探し求めなくちゃいけないと思うのです。
簡単に答えをもらおうと思えば思うほどどんどん目的地は遠くなるように思うな。
長続きするような方法を考えることを恐れずに探していくのが大事だと思います。

さてTIME、7/8-15のdouble issueですが、日本人の国民性を卒論の一つの柱にせねばならなかったことで
この特集の「アメリカ人の求める幸福の形」という内容は興味深かったです。
清教徒の精神を貫くためにアメリカ大陸に移住した白人のプロテスタントたち。
日本人の私との考え方の大きな相違は、
「常に変化を追い求め、
時々思い立ったように新しいことをはじめ、
それに伴うリスクは気にしない」という精神かな?

一番初めの記事内の難解な部分、Easterlin Paradoxという用語の説明文です:
which is held that there is a threshhold beyond which increases in income produce
no commensurate increase in subjective well-being.

私のへっぽこ訳だと、「自分が感じる幸福と相反するほどの所得の増加から始まるものを指す」くらいでしょうか???
こういう、なんじゃこれ??という箇所がマスターの課題でも何箇所か出てくるのです。
1日考えてもわかんない。
で、まぁ、放置して明日の朝になったら良い考えが浮かぶかも?と適当な性格が幸いするのでしょうね。
時間がたっぷりあることに感謝せねば、と思っています。


ところで、Easterlin Paradoxとはなんぞや?
これはRichard Easterlinが提唱する幸福理論の一つです。
おおざっぱに言うと、衣食住が事足りたら人間は現在の収入の増加があっても
それに比例して幸福度は上がらないっていうことだと理解しました。

面白かったのは、他人の幸福を妬む気持ちのシステムとは、という箇所。
嫉妬の感情は、あまりにも相手との差がありすぎる場合は発生しないという。
つまり、自分よりちょっとだけ幸福な人に対して妬む感情がおこるっていうのです。
『あぁぁ~、あるある』とうなずくことしきり。
自分から見て手に届きそうな人をターゲットにするんだ、そうそう!と思ったのです。

基本的に古いものを大切にする日本人の特性と
アメリカ人の壊して新しいのもを造っていく精神は違うだろうなぁと思いました。

二つ目の難解な記事は、あと10回ほど読まないときっちりわかんないわ~~。
それも私には嫌じゃないので、やってみてまた違う読みがでてくるかもしれませんね。



わが意を得たり/翻訳者で読む<その2>

2013-08-10 19:39:28 | 英語力UP
自他共に認める遅読者の私。

その証拠に漫画も読むのが遅いです。
一字一句ゆるがせにせずに読むのでコミックも案外疲れます(汗)。

最近ブームになっている『探偵ナイトスクープ』のテレビ脚本家でもある百田尚樹氏の『モンスター』。
たぶん早い読み手なら2時間ほどで読んでしまえるでしょうね。
4日ほどかかったなんて、私がどれだけじっくり読む人なのかわかりますよね。

母国語でもこうなら外国語の英語の書いたものなんてもっと時間がかかります。
だから仕方ないのでタスクを自らに課すことになる。
たとえば一日10ページで半月で終わらそう、とか予定を組むのです。

論理的に読むということも1級の長文読解で満点をとりたいと思ったことから
自分に習慣づけを心がけました。
というのも、語学の4つのスキル、聞く、話す、読む、書くのうち
私が一番欲しかったのは、「深く読む」だったからです。
独りでどんどん知識を深めたり広げたりできるのは自問自答できる「読む」ことでしょう?

TIMEを1週間で読み終える課題をやっていたときのことです。
書いた記者のTS、topic sentenceは、一つの段落のどこにあるのか探しました。
こんな作業を3年ほどやると、早くは読めないのも当然ですよね?
でも、深く読めるようにはなったので悪いことばかりじゃないです。
日本語の参考文献に下線を引くように、大切だと思える箇所に同様に下線を引けるようになる。
そうすると、一通り読み終わってからその部分だけを合体させれば
要約、アブストラクトが見えてくるという面白さが味わえます。
あっ、面白くないでしょうか(汗)。

翻訳者の作品を読ませていただくと、自分の世界がすこし開かれるようで
これも地味に楽しい。

たぶん資格試験にパスするためのゲートをくぐった後だから
見えてくる世界が異なって見えるようになったのかな?
ある程度の量を負荷をかけて、熟読or精読したおかげだと思います。

次なる「翻訳者で読む」の翻訳家は中里京子氏。
彼女は先生になるために教育学部社会学科地理が専攻だった方です。
ひょんなことから英会話クラスに通い始めて、そこからイギリスへ留学。
そこで御主人のイギリス人と出会い結婚→来日、現在に至るという具合です。
なんとフェローの先輩にあたります。
とても謙虚で前向きなすてきな女性です。
「煎じつめればご縁と運」
http://www.fellow-academy.com/fellow/pages/tramaga/backnumber/221.jsp

彼女は私が大好きな小説(映画もすてき!)『ピアノレッスン』の翻訳者でもあります。
彼女のご主人との二人三脚の翻訳方式は、そうだよな、そうしなきゃムリだよな、と
うなづくことばかりです。

というのも、5回目の課題文(NYTからユーロの失業率について)で
どうしても文脈から自分の拙訳が文意に沿わないので悶々としていたある日。
塾の仕事の前に英会話の講師でもあるオージー男性講師に尋ねたのですね。

そうすると、いとも簡単に雲が晴れて、まるでミステリーの謎解きのような経験でした。
『あぁぁぁ~、だからか!』という具合です。
こういうのが病みつきになる第一歩なんでしょうね。

熟読の極みまでいかないと味わえない体験でしょうか。
何せ一字一句訳してみても、どうしても訳せない箇所がある。
まぁ、そういうところは普通の読書ではネチネチこだわったりしませんやん??
そこをスルーせずに、解決を図ってみると次に同じ言い方に出くわしたら
いともたやすく読めるようになる訳です。
気分爽快ってこういうこと?

話を戻しましょう。
中里京子さんのこの本は2年前に出版された翻訳本です。
この不死細胞HeLA細胞(ヒーラ細胞)がデジタル定期購読しているNature誌で
最新ニュースに取り上げられていることから検索して読むことにしました。

労働者階級の黒人女性だったHenrietta Lacksが、子宮がんになることから
物語が始まるのです。
癌細胞を研究室で培養しようと当時1950年代、研究者たちはしのぎを削っていました。
彼女から採取されたがん細胞だけがなぜか培養に成功したのです。
そこから名づけられたのが名前と苗字からとった「ヒーラ」。
倫理的な問題がクローズアップされだしたのは、最近のことです。
人種差別的な匂いもありそうなだな。
http://www.fellow-academy.com/fellow/pages/tramaga/backnumber/221.jsp

ところで中里さんの師匠にあたる方、田口俊樹氏は元・高校英語教師です。
https://www.fellow-academy.com/fellow/pages/tramaga/backnumber/bk_1.jsp
田口氏は私と同じやり方で読解力を上げたんだ、と納得しました。

そうなんです!
熟読して、その内容が語れないときちんと読んだことにならないのです。
それともう一つ大切なことは、日本語力の大切さ。
かなり日本語の文献も読まないとそれと比例して英語力は上がらないのですね?
塾生にもいつも話してることズバリです。

そしてもう一つ大切なことは、翻訳家として世の中に作品を出すようになっても
中里さんは田口ゼミにずっと通う生徒でもあるということです。

臨床心理士をしている友人も同じように大学の心理学科の教授から
いまだにスーパービジョンを受けています。
たぶんそうやって妙にぶれそうになるのを
客観的に教えて軌道修正してもらえる「場の力」が必要なのでしょう。

謙虚にかつ大胆に。
そして母国語の力も英語力と同様に磨いていく職人をめざす。
ふぅ~む。
縁の下の力持ちってのは、自分に向いていそうだけど
問題はかなりの分量を毎日こなさないとその高みにいけそうもないってことですね。

とりあえずポピュラーサイエンスのこの『不死細胞~』の中里さんの作品を
じっくりお盆過ぎまで読んでみようと思います。

翻訳者で読む<その1>

2013-08-05 10:26:51 | 翻訳


ずらぁ~~っと最近読んだ本、そしてTIMEの記事、最後はいつもおなじみのTIMEのコラムニストの出版した最新本をUPしてみました。


翻訳の6回中5回目のNYTの抜粋の記事(『ユーロ圏内での失業率の推移について』)は、おおまかなラフで訳出ができました。
今回はかなり早めに仕上がったのですが、どうしても読みとれない部分がいくつかある。
ここがきっといわゆる「地雷」なのですねぇ(しみじみ)。

推測なんですが、通常の方とは別の考えで訳している自分がいます。
なぜそんな風に思うのかと云えば、意識して冷静に自分の立ち位置を見てるからかな?

マスターコースはかなり高いです(きっぱり)。
一回の添削指導料は現在のコースで1回につき1万円以上かかります。
こんな高い添削料金ってまぁ、他にないでしょう?
じゃぁ、この底流に流れてるもんってなんやろ?と考えてみると・・・・。
方法論を教えてもらってるんだな、と思い当たります。
あえて迂回路をとおる勇気が必要かもしれない。
単純で誰よりも早い方法は、実はないのかも??

そういう堂々巡りを何年かしてみてようやくたどり着くのでしょう。
そのあとに、やっとこさというか、
見えるか見えないかわかんない「センス」みたいなもんが結晶として残る。
それからどうやって合格基準点に達する訳文に仕上げるのか。
まぁ、息の長い仕事なんだろうと結論付けてます。

なのでこのコースで学ぶのも誰も懇切丁寧に教えてはくれないという、
一見不親切にみえる方法です。
でも、ここがプロになるために越えねばならない関所みたいなもんかな。
大切なことは、自分で探し求めて獲得せねばならないということかと。
大学入試の塾での仕事のように、懇切丁寧に教えてくれることを望んだらアカン。
地中に深く埋まっている原石をまず探しにいくようなモンかもしれません。
でも、それから研磨しないと宝石にならない。
短気な人には不向きな職種だと思ったりします。

ということで、興味のある翻訳者の仕事、
つまり翻訳作品を続けて読んでみるのもいいかも?と思いました。

私は吉田利子さんという翻訳者の方に注目。
旧・東京教育大、現・筑波大学卒の元・公務員だった女性です。

世間を大いに騒がせた女優、アンジェリーナ・ジョリーが脇役にもかかわらず
鬼気迫る演技で有名になった映画、『17歳のカルテ』、原作『思春期病棟の少女たち』も
彼女の翻訳で出版されています。
ご存知の方、多いのでは?



彼女の翻訳作品を3冊ほど読んでみて、感想というか『ほぉ~~』と思うところもありました。
やはり集中的にプロがどんな仕事をしているか、目の当たりにするのは大切ですね。
でも、つくづく思い知らさせるのは、「めちゃくちゃ根気がいるやんな」という一言。
そりゃぁ、粘着気質のタマモノという以外に言葉が見つかりません。
すごいわぁ~~~。

TIMEのお気に入りのコラム、'Health & Science'のライターであるAlice Parkが出した最新本を珍しく読もうと思い立ち、海外から取り寄せました。

やっぱり日本語の本も、原文もどちらも読まないと私の脳みその「車」は前に進んでくれそうもないです。

気持ちの中で一つ、大きく確かになっていることがあります。
それは年齢的にいつ余命宣告が姉のように来るかもしれない「お年頃」になってきたということ。
他人事だと思っていたのですが、身近にそういう事実を突きつけられると
やはり考えておかねばと思えるようになりました。
それはこれから自分が何かを始めるなら、やはり社会が良くなるために僅かばかりでも
お役にたてることをしつつ、お金ももらうことにしたいなということ。

自分の利益ばかりじゃなくて、かといってボランティアだけでもダメだな、と
そんな風に考えています。

『幸せがこわれるとき』'Undercurrents’の作者、マーサ・マニングが巻末近くでこう独白しています:
「一生懸命築いたお城が壊れてしまったとき、
もう何も残されていない気がした。
一生懸命に努力して人生の基盤を造った。
一生懸命にせわしく働き続け、いつも一時にふたつ以上のことを成し遂げようとしてきた。
大学に通いながら結婚し、博士課程で勉強しながら出産し、
履歴に箔をつけようというだけの目的でハーバードで研修するために、
夫と幼児とともに500マイルも引っ越した。
業績が幸せへの近道であり、有能でさえあればまちがいなく満足していられると思っていた。
勤勉と努力で記念碑をつくりあげた。だが、それが砂のお城にすぎないとは思ってもみなかった。」243-244ページ抜粋

彼女ほどのガンバリはしてこなかったけど、似たような心象傾向をもつ私にも
重なる部分があるなぁと思った。
どんなに努力して勤勉を長年続けても、心のきしみにセラピストとして見ないふりをしてきたのはやはり痛かったなぁ、と思ったりする。
こういう部分も人間相手の仕事のはまりやすい穴なんだと思う。

思う通りにならないから楽しいんだ、と簡単に言えないくらい人生は重いもんなんだ。
ネットで原作者の彼女の画像を見つつ考えました。
最後は自分がそれまで築いた人々の縁がセーフティー・ネットになるのだなぁって。
こればっかりは、見返りを期待していたのでは絶対に築けないもんです!
大事にしよう、としみじみ思いました。