こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅呼吸ケアセミナー報告1

2010-08-01 20:49:50 | 訪問看護、緩和ケア
今日のセミナー、面白かったです。
札幌医科大学保健医療学部理学療法科の準教授である、石川朗先生の呼吸理学療法の講義も、誤飲・嚥下障害の講義をしてくれた大阪大学歯学部の野原先生のお話も、とっても興味深いお名はしでした。

刀根山訪問看護ステーションの管理者長浜さんの在宅呼吸管理の実際は、呼吸器患者さんを中心に見られてきた工夫などが聴けました。

すごくおもしろかったので、何回かに分けてご紹介しますね。

昨今騒がれているCOPDの患者数は、WHOによると1990年に死亡順位が6位であったものが、2020年には3位になると予測されているそうです。
しかも、4位が下部呼吸器感染症(インフルエンザ)5位が呼吸器癌、7位が結核と予測され、死亡順位の上位を呼吸器疾患が占めてしまうようです。
さらに、冠動脈疾患や脳血管障害などの死亡率が軒並み下がってきているにもかかわらず、COPDだけが上昇が止まらないんですよ。
怖いですね~。

現在日本におけるCOPD有病率は11人に一人で男性は女性の3倍だそうです。

今日も元気だ。たばこがうまいという「いこい」の宣伝をJTがおおっぴらにやっていた頃の若者が、今60台となっていて「年だから階段上がると息切れがするよ~」なんて言って、その実COPDのベースが出来上がっているなんて話を聞くと、ホタル族の私の旦那も、そこに近ずいているのかと思ってしまいます。
実はCOPDのベースを持っている人の95パーセント以上が診断を受けていないのだそうです。

落語家の歌丸師匠は一日50本を50年吸ってきたそうで、楽屋では酸素を吸っているそうです。
また、和田アキ子さんは、一晩にマージャンしながら煙草を1カートン吸っていたといい、COPDの診断を受けやっと禁煙をしたそうです。
おそろしい話ですよね。
今でも、JTはイベントがあると煙草のキャンペーンに喫煙所を提供しているそうで、これってどうなんでしょうね~


次に、HOTについてですが・・

一応おさらいと言う感じでご報告します。

みんな長ーいチューブを使っていますよね。
これは内径が太いタイプの塩ビのチューブで25メートルまでが問題なく使用できるそうです。
これ以上長いと酸素流量の低下や、チューブにつまずくなど生活に支障もきたします。
勝手に細工してそれ以上長くしたり銅管につなげたりする人がいるそうですが、危険を伴いますので、業者さんとよく相談が必要です。

日常生活動作で、患者さんが一番苦しいと思う動作は入浴です。
それも、頭を洗う動作が一番苦しいと言われています。

手を挙上しての繰り返し動作や、下肢を抱え込むようにして前屈するなど、一番苦しい動作となりますので、環境を整えるひつようがあります。

シャワーベンチはもちろんのこと、洗い桶を台の上に置き前屈しないようにするとか脱衣所にも椅子を置くとか、服を脱いでから身体を洗う順序を短い導線でするなどは、みなさん考えていることですよね。
よく腰湯までにして、肩までつからないようにとか言われてましたが、足を延ばしてゆったり入れる浴そうでは、問題ないそうです。
訪問入浴もそうですね。みんな喜んでいますよね。

また、以前からHOTを使っている人は、加湿器に水を入れていますが、現在は3ℓまでは加湿の水は入りません。

カニュレから空気もどうせ一緒に吸うので、部屋の湿度をあげるほうが効果的です。

酸素濃縮器を置く場所も十分考慮が必要です。


明日は、在宅人工呼吸器とか、誤嚥とか、呼吸リハについてのおさらい&ご報告をします。