こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅呼吸ケアセミナー報告2

2010-08-02 09:22:34 | 訪問看護、緩和ケア
このセミナー医学の友社でやっている奴です。
かなりお高いのと、東京まで出るのが億劫で今までスル―してきましたが、興味ある内容だったし最新情報は把握しとかないとまずいので、自腹を切っていってきました。
やっぱ、資料も製本されてるし、内容も濃かったので、時々利用しようと思いました。

場所はお茶ノ水だったのですが、行ってみれば結構近いんだ~って感じですね。
横浜から東海道線で4駅でもう東京だし、中央線のりかえて2駅でお茶ノ水・・。
なんか、ニコライ聖堂とか、神田明神とか史跡なんかも多くて面白そうな街でした。
たまには、東京の散策も楽しそうですね。

それに、電車に乗ると本が読めるので嬉しいです。
今回は、今まで読んだことのない小池真理子さんの小説を手に取りました。
本中毒の夫が、作家もジャンルもお構いなしに読んでいた本の中から、適当に抽出しました。
私の場合、読んだことのない作家の本なかなか手がでないんですが、いろんな人読んだほうがいいですね。

今回はこれ。

題名でちょっと敬遠してたのですが、読み始めたらするすると話の中に引き込まれてしまいました。

文章の美しさや、深い海の底を覗くような精神描写、悲しく官能的な性描写。
三島由紀夫の死と究極的な美を求めながら、いったいどこにたどりつくのだろうかとドキドキしながら、あっという間に読んでしまいました。


で、セミナーの話に戻ります。

呼吸障害には、大きく二つの分けて、肺そのものには問題はないけれど、神経難病や頸椎損傷などのように呼吸筋に障害があったり、胸郭の形状や動きが抑制されてたりするものと、肺自体が酸素交換できない慢性の肺疾患があります。

両者とも低酸素にはなりますが、前者はCO2が上昇しない1型、後者をCO2の上昇を伴う2型の呼吸不全と言います。
(これから書くことに間違いがあると、Yamamoto先生からダメ出しが出ると思います。
病状が進行すれば、これらは混合型となります。

2005年の呼吸ケア白書によれば在宅酸素療法の48パーセントがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)で、次いで肺結核後遺症が18%その次に間質性肺炎や膠原病、塵肺などが15%、肺がんが5パーセントその他もろもろ・・となっていました。

このなかで、自分で呼吸が出来なくて、全部機械に頼って呼吸するのが調節呼吸です。
重度の神経難病や脳障害などなどのかたが、気管切開をして人工呼吸器をつけているのがこれです。

でも、自発呼吸が弱いけれどあったり、睡眠時無呼吸症やCO2がはけずにどんどんたまっちゃう人には、補助換気の機械がつけられます。
これは喉を切ることがなく、鼻にマスクをピタッと張り付けて、不足する呼吸を補うために機械が圧をかけて換気を補助するものです。
これを非侵襲的陽圧換気(NPPV)といいます。
夜、寝るときだけこのマスクを装着することで、肺胞が開くのでCO2の溜まりやすいかたは、ちゃんと換気ができるようになります。
この時、肺胞を2段階に分けて圧を加える(PEEP)ものが重圧式補助呼吸バイパップといいます。

これは、気管切開もなく脱着も簡単なので、在宅でかなり普及してきていますので、ケアマネさんもよく見かけるのではないでしょうか。

これで問題になるのは、マスクが鼻やおでこに当たって、赤くなったり潰瘍が出来たりする事もあるということです。
こういう場合は、フィッティングがうまくいっていないので、担当のナースや業者の人に調節してもらいます。

今回のセミナーでああやっぱり・・と思ったこと事は、北海道でのアンケート結果でしたが、『小児のNPPVの普及に関して、母親が幼児期より種々の介護を行い〝育児″の延長線上で継続的に対応し、新たに医療福祉サービスを選択していない。』というものでした。
私感としては、若いお母さんより、ある程度高齢のお母さんにその傾向が強いように思います。
大切に育ててきたお子さんですから、病状が悪化していくことは受け入れがたい話ではあります。
そのためか、病状の進行に伴う環境調整であったり、新たなサービスであったり、医療であったりに抵抗を持つかたがいらっしゃいます。もちろん選択する権利はあるのですが、固執しすぎて患者さんが苦しんでしまうことがあるので、そこをどうケアするかが課題になってきます。

というところで、思い起こせばウン十年前、私のいた病棟ではベネットMA1とかいう、中型の冷蔵庫くらいの大きさの人工呼吸器がありました。でっかいし、大きな音はするし、回路は面倒だし・・
今の呼吸器はシンプルだし機能美がありますね。
でも、こちらが追いついていきません・・・。
その都度お勉強しないとね・・。
今回はこの辺で。
             続く。