こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅呼吸ケアセミナー報告3

2010-08-05 22:49:16 | 訪問看護、緩和ケア
嚥下ケアについてです。

講師の野原先生の言葉をお借りすると「病院から在宅へ!キュアからケアへ!」
ということで、「嚥下訓練から嚥下支援・介助へ!」となります。

嚥下は5期に分けられます。

1.先行期 食物の認知
2.準備期 食物の形成
3.口腔期 咽頭への抽送
4.咽頭期 食堂への抽送
5.食道期 胃への抽送

まず、食事を食べるときには、しっかり覚醒している状態で、これからご飯を食べますよ、ということを、声をかけながら
しっかり認識してもらいます。
うとうとした状態では、脳から命令がちゃんと伝わりません。

以前、日本一ご長寿だった「かまと」おばあちゃんが、二日寝て二日起きる生活の中、寝たままなのに、饅頭一個口の中へ入れられてるのに、もぐもぐ寝たまま食べていたのには驚きました。
「なんて怖いことするんだろう・・」とおもいましたが、本人むせもせず食べていましたね。
あれ、家族がやっているので、問題になりませんが、私たちはちゃんと覚醒させて、声をかけながら介助しないとまずいです。

つぎに、食の形態を、口の機能にあったものにします。

歯がない人は、歯がある人の3分の一の咀嚼力しかないそうです。
ワカメや海苔などは、上顎やなどにピタリと貼りつき危険です。

とろみ剤の紹介や使い方、刻んだほうがいよいのか、ミキサーかけたほうがよいのか、よく観察してご家族に伝えます。

ミキサー食でもとろみの水分でもむせ込むようになり、そのあとに発熱を繰り返すようであれば胃瘻の話も出てきます。
gitanistさん もブログで取り上げていましたが、
最近、〈胃瘻イコール人権を無視した悪〉みたいに言われていますね。

でもでも、ケースバイケースで胃瘻のおかげで逆に食味を楽しめることもできるんです。
嚥下機能的には、かなり悪くてとても経口での接取は難しい方でも、胃瘻を作ることで大好きなもの少しだけでも味見することができます。
食べられないストレスを緩和することもできますし、私のご利用者さんは、一旦作ったものの、その後経口摂取可能になり、水だけ胃瘻から注入出来て脱水にならなくて助かっている人もいます。

と書いたところで、緊急訪問をしてきました。救急車をお見送りして帰宅。
今シャワー浴びて、AM1時です。
この続き、また明日にします。