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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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<漢検1級 27-③に向けて その30>
●やっと、芥川はこれで終了。今回は芥川と幸田露伴の2作品を出題です。
●今回も、難度からしたら、80%(24点)以上が目標か・・・・。制限時間は5~10分(^^)
●文章題⑧:次の文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。(30) 書き2×10 読み1×10
「影」(芥川龍之介)
―横浜―
「・・・日華洋行の主人陳彩は、机に背広の両肘を(ア)凭せて、火の消えた葉巻を(1)クワえたまま、今日も(イ)堆い商用書類に、繁忙な眼を(ウ)曝していた。
更紗の窓掛けを垂れた部屋の内には、不相変らず残暑の寂寞が、息苦しいくらい支配していた。その寂寞を破るものは、匂いのする戸の向うから、時々ここへ聞えて来る、かすかなタイプライタアの音だけであった。
陳は麦酒(ビール)を飲み干すと、(エ)徐に大きな体を起して、帳場机の前へ歩み寄った。
・・・
陳は小銭を探りながら、女の指へ(2)アゴを向けた。そこにはすでに二年前から、延べの金の両端を抱かせた、約婚の指環が(オ)嵌まっている。
「じゃ今夜買って頂戴。」
陳は太い眉を(3)シカめながら、忌々しそうに舌打ちをした。が、それにも関らず、靴の(4)カカトを机の縁へ当てると、ほとんど輪転椅子の上に仰向けになって、紙切小刀も使わずに封を切った。
「拝啓、貴下の夫人が貞操を守られざるは、再三御忠告……貴下が今日に至るまで、何等断乎たる処置に出でられざるは……されば夫人は旧日の情夫と共に、日夜……日本人にして且珈琲店の給仕女たりし房子夫人が、……支那人たる貴下のために、(5)バンコクの同情無き能わず候。……
・・・受話器を置いた陳彩は、まるで放心したように、しばらくは黙然と坐っていた。が、やがて置き時計の針を見ると、半ば機械的にベルの (カ)鈕を押した。・・・」
「雲のいろいろ」(幸田露伴)
―夜の雲―
「・・・夏より秋にかけての夜、美しさいふばかり無き雲を見ることあり。都会の人多くは心づかぬなるべし。舟に乗りて(6)ナダを行く折、天暗く水黒くして月星の光り洩れず、(7)フナバタを打つ浪のみ青白く騒ぎ立ちて心細く覚ゆる沖中に、夜は丑三つともおもはるゝ頃、艙上に独り立つて海風の面を吹くがまゝ(8)イベイの湿りて重きをも問はず、寝られぬ旅の情を遣らんと詩など吟ずる時、いなづま忽として起りて、水天一斉に(キ)凄まじき色に明るくなり、千畳万畳の(ク)濤の頭は白銀の(ケ)簪したる如く輝き立つかと見れば、怪しき岩の如く獣の如く山の如く鬼の如く空に(9)ソバダち(10)ワダカマり居し雲の、皆黄金色の(コ)笹縁つけて、いとおごそかに、人の眼を驚かしたる、云はんかたなく美し。・・・」
👍👍👍 🐑 👍👍👍
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(1)啣(咥・銜) (2)顋(顎・頤・腮) (3)顰(「蹙」でも可か) (4)踵 (5)万斛 (6)灘 (7)舷(船端) (8)衣袂 (9)峙(「岨・屹・崛・聳」も可か) (10)蟠(「盤・磐」も可か)
(ア)もた (イ)うずたか (ウ)さら (エ)おもむろ (オ)は (カ)ぼたん (キ)すさ (ク)なみ (ケ)かざ (コ)ささべり
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前回の愚痴っぽいコメントに付き合っていただいて、ありがとうございました(苦笑)
syuusyuu様のおっしゃる通り、とりあえず点数を待ちます^^
あと、「陂」の記事…同じ結論には達していましたが、
たいして辞典を引いたわけでは無かったので助かりました(ずぼら虫ですいっちょん)
引き続き、トライ願います
イベイ
かざす
が出てこなかったのが悔しいです!
27点
いずれは満点を取りたいです!
それまでは続けて下さいね(笑)
ありがとうございます。
次回、満点、期待しています