また、コロナの新規陽性者数の数が増え始めてしまった頃
エレベータに乗り込む男が一人
ドアが閉まりかけた頃に駆け込んでくる別の男
何か声を発するわけでもなく、再び開いてしまった扉を閉めるボタンを押すでもなく
自分の携帯を覗き込んでいる奴
男は駆け込んできた奴を睨みつけたが
普段から糸ののような細い目では何の効果もなかった
動き出すエレベータ
駆け込んできた男は慌てて12階のボタンを押す
「ふん、高級店に行く奴か」
別の世界に生きる奴
男は関心を失ってしまった
男は予てから予約してあった6階でドアが開くと同時に籠を下りた
予約云うても6階ボタンを押していただけなのだが
男は人影少ないフロアを一番奥の扉を目指して進んだ
俺の背後に立つな
書くまでもないが、男の前にも後ろにも人影一つなかった
一番奥の扉まで進むと徐にドアを開け
いや。このご時世、ドアは閉めずに営業中
「一人なんじゃけどの」
誰も聞いてはいなかった
カウンターでは一人の渋いダンディが電子タバコを燻(くゆ)らせていた
いや、電子タバコを燻らすというのか自信はなかったが気にする素振りもなかった
なぜならば男は理系だった
男は立ち飲みカウンターまで足を運んだ
そう、このお店に咥え煙草のダンディーより奥は椅子ゾーン
手前が立ち飲みゾーンなのだ
「赤星頂戴な」
「ぁ、いらっしゃいませ」
「ぁ、」は余計だろう男は思った
その前にこのことを書かざるを得ないであろう。
決して店主は「ぁ、」などと失礼な言を発したりはしなかった
男が勝手に「ぁ、」って言った方が面白いと思っただけだ
こうして冤罪は生まれる。
えらい小さい冤罪ですけど・・・
「鹿たたき」
男はふと思った。
今日の俺はハードボイルド、「頂戴な」なんて云ってはいけなかったのだ。
男は静かにグラスを傾けた。
目の前には横浜DeNAベイスターズボトル
あっしには関わりのねぇことでござんす
鹿たたき
肩たたきではない。れっきとした鹿たたき
にんにくチップが大量に
どうせ俺は一人者
ニンニク臭かろうが誰も気にしやしないぜ!
鹿肉に目一杯にんにくチップを載せて口に運んだ
男は知っていた
1時間後
「またニンニク食べてきたでしょ!」
激しく叱られることを
もしかしたら、ここの緑茶ハイはまだ試していなかったかもしれない。
残念ながら濃茶には分類できないが、普通にうまい緑茶ハイではないか。
立ち飲み屋の評価は、ハムカツで決まる。
そんなことを誰かが言ってたような気がする。
そう、気がするだけだが
良い感じの厚切りハム
〆にもう一杯、コークハイ
キャッシュオンのこのお店、小籠に残った小銭をポケットに突っ込み
男は静かに去っていった
過去の訪問記録
2020年6月:ラーメン横丁の立ち飲み屋
お店の情報は個人の備忘録として掲載しています。訪問時とは所在地、営業時間、定休日等変更になっていたり、そもそも誤った内容を記載しているかもしれません。最新の情報は食べログなどでご確認ください。
『立ち呑みラッキー』
神奈川県横浜市中区真砂町3-33 セルテ 6F
・JR根岸線 関内駅 北口 徒歩1分
営業時間:【月~金】16:00~23:00、【土】16:00~22:00
定休日:日曜日
エレベータに乗り込む男が一人
ドアが閉まりかけた頃に駆け込んでくる別の男
何か声を発するわけでもなく、再び開いてしまった扉を閉めるボタンを押すでもなく
自分の携帯を覗き込んでいる奴
男は駆け込んできた奴を睨みつけたが
普段から糸ののような細い目では何の効果もなかった
動き出すエレベータ
駆け込んできた男は慌てて12階のボタンを押す
「ふん、高級店に行く奴か」
別の世界に生きる奴
男は関心を失ってしまった
男は予てから予約してあった6階でドアが開くと同時に籠を下りた
予約云うても6階ボタンを押していただけなのだが
男は人影少ないフロアを一番奥の扉を目指して進んだ
俺の背後に立つな
書くまでもないが、男の前にも後ろにも人影一つなかった
一番奥の扉まで進むと徐にドアを開け
いや。このご時世、ドアは閉めずに営業中
「一人なんじゃけどの」
誰も聞いてはいなかった
カウンターでは一人の渋いダンディが電子タバコを燻(くゆ)らせていた
いや、電子タバコを燻らすというのか自信はなかったが気にする素振りもなかった
なぜならば男は理系だった
男は立ち飲みカウンターまで足を運んだ
そう、このお店に咥え煙草のダンディーより奥は椅子ゾーン
手前が立ち飲みゾーンなのだ
「赤星頂戴な」
「ぁ、いらっしゃいませ」
「ぁ、」は余計だろう男は思った
その前にこのことを書かざるを得ないであろう。
決して店主は「ぁ、」などと失礼な言を発したりはしなかった
男が勝手に「ぁ、」って言った方が面白いと思っただけだ
こうして冤罪は生まれる。
えらい小さい冤罪ですけど・・・
「鹿たたき」
男はふと思った。
今日の俺はハードボイルド、「頂戴な」なんて云ってはいけなかったのだ。
男は静かにグラスを傾けた。
目の前には横浜DeNAベイスターズボトル
あっしには関わりのねぇことでござんす
鹿たたき
肩たたきではない。れっきとした鹿たたき
にんにくチップが大量に
どうせ俺は一人者
ニンニク臭かろうが誰も気にしやしないぜ!
鹿肉に目一杯にんにくチップを載せて口に運んだ
男は知っていた
1時間後
「またニンニク食べてきたでしょ!」
激しく叱られることを
もしかしたら、ここの緑茶ハイはまだ試していなかったかもしれない。
残念ながら濃茶には分類できないが、普通にうまい緑茶ハイではないか。
立ち飲み屋の評価は、ハムカツで決まる。
そんなことを誰かが言ってたような気がする。
そう、気がするだけだが
良い感じの厚切りハム
〆にもう一杯、コークハイ
キャッシュオンのこのお店、小籠に残った小銭をポケットに突っ込み
男は静かに去っていった
過去の訪問記録
2020年6月:ラーメン横丁の立ち飲み屋
お店の情報は個人の備忘録として掲載しています。訪問時とは所在地、営業時間、定休日等変更になっていたり、そもそも誤った内容を記載しているかもしれません。最新の情報は食べログなどでご確認ください。
『立ち呑みラッキー』
神奈川県横浜市中区真砂町3-33 セルテ 6F
・JR根岸線 関内駅 北口 徒歩1分
営業時間:【月~金】16:00~23:00、【土】16:00~22:00
定休日:日曜日
20200728