花歩る木

山と旅がすきです

ゴーギャン展

2009-08-30 15:59:59 | 美術館

8月29日国立近代美術館で開催中の「ゴーギャン展」にいってきました。一番の呼び物はゴーギャンが遺言のつもりで画いたという大作「我々はどこから来たのか、我々はなにものか、我々はどこへいくのか」です。



             国立近代美術館

約50点の作品は年代順に並べられ30歳代のフランス ブルターニュ(フランスの北西 ) 地方での絵にはじまっています。 (( garnetさんの旅したのはブルゴーニュ))     ブルターニュは西洋文明からは「野生」とみられていたケルト文化の地であり、最後のほうに展示されている「我々は・・・」の大作は「ヨーロッパ文明と原始の野生との対決」と言われています。ゴーギャンは欧州文明に疲れ、安らぎを求めてタヒチに向かい、そこに安楽を見出したかに見えたが、マルケサス諸島で死を予感しながら、遺言のつもりで大作にとりかかったのだそうです。54歳で亡くなっています。絵の材料も少ない現地にあって、この絵も小麦袋の布地を継いだものに描かれたんだそうです。


        
晩年の自画像


   
     「我々はどこから来たのか・・・」の全体図



           画の右端  生命の誕生


   
     画の左端 生命の終焉 そして再生

「我々は・・・」の絵が何をいみするのかについては諸説ありますが、右の赤子から人生が始まり イブが禁断の実を食べて生の痛みを知り、最後は左のミイラのように座る老婆となり 死を覚悟する。が、また再生することを予感するという物語のようです。   折よく今朝(30日)の「日曜美術館  NHK」で勉強させてもらいました。
 映像もちゃっかり拝借しました。

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同じ日 三越で開催されている「十二代 三輪休雪展」をみてきまた。「陶 愛と死の融合」と題されていましたが、あまりの前衛、あまりに新しい表現で度肝をぬかれました。 これが陶ですか? しかも萩ですか?
びっくりして、I can not understand!   としか感想はありませんでした。
「これらは、まだ私の途中経過。今後も新たな制作に励みたい」 とは新聞に載っていた休雪さんの弁。......まだ「進化」するんだ!

三越の六階のアートギャラリーが好きで、よく見せてもらいます。
酒井田柿右衛門さん、今泉今右衛門さん、加藤卓郎さん、大樋長左衛門さんなどの人間国宝の作品にいつでもお会いできるのですもの。三輪休雪さんの茶わんもありました。先日亡くなられた 徳田八十吉さんの作品も有りましたので、合掌してきました。

いよいよ今夜 日本の政治が大きく変わるんでしょうね?
我々はどこへいくのか?


爺ヶ岳登山

2009-08-26 09:39:48 | 山歩き

8月22,23,24日 北アルプス後立山連峰、( 白馬岳八方、爺ヶ岳)を歩いてきました。「お盆をすぎると山は秋」 の通り、空気もひんやり、
空の色も雲も、花も、秋の気配でした。

8月22日 白馬村の八方尾根のゴンドラリフトを2回乗り換えて第一ケルンまでいった。(1820m 往復2600円) 長野オリンピックの競技会場でもあったところ。 第三ケルンまでは歩いて往復3時間。ここに八方池がある(2060m)。途中秋の花が種類多く迎えてくれたので、疲れは感じなかった。お天気もよく、白馬連峰が眼前にひろがり信州を包む山々を見渡す大パノラマが見渡された。
 
タカネマツムシソウ(高峯松虫草) 悲恋の花として、片思いの乙女の魂が宿ったという神話があるそうです。園芸品種が沢山ありますね。   ワレモコウ 昨年流行った杉本まさとの歌 好きでした。


イワオトギリ (弟切草) ある鷹飼いの家に門外不出の薬草の秘密があって、それを弟が他にもらしたため、兄が弟を切ったといういわれがあります。花弁の明点は血が飛び散ったものだ・・とか。ムゴイ!


ハクサンシャジン ツリガネニンジンの高山性のもの。バックは白馬三山。


八方池(2060m) 雪解け水がたまった池。サンショウウオ、モリアオガエルがいるという。風のない日、湖面に白馬三山が映った図はカメラフアンのあこがれ。

白馬岳はさすが花の山だけあって、この季節でも沢山の花が咲いていました。
パンフレットに「夏の白馬に花が降る」とありましたが、言い得て妙だと思いました。
白馬岳へは色々なルートで4回登りました。栂池まで、八方池までというのもありますので、合計5回にしてもいいかな?

8月23日 大町からアルペンルートの入口、扇沢へ行くちょっと手前に爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳への登山口がある(267m)。車を狭い駐車スペースにおいて、6時半に登り始める。今夜泊まる種池山荘まで約4時間。この登山道は小屋の主人が一人で
つるはしをふるって昭和40年前後に作り上げたもの。今もご健在だがかなりなご高齢。道はしっかりしており、歩きやすく快適。並べてある石はどこから持ってきたんだろう、大変だったろうナ・・と思いながら歩いた。13年前にも歩いたが、今はもっとメインテナンスが行き届いている感じがした。

道の
左側は針の木岳、スバリ岳,蓮華岳とず~っと道ずれ


クロウスゴ(黒臼子)食べらる。果実酒、ジャムなどに加工できる。ブルーベリーの原種。

ミヤマアキノキリンソウ 花期はかなり長い。

ヤマハハコ 雌雄異株だそうだ。


チングルマ(稚児車)の実 草たけ10センチほどだが、常緑の木。冠毛の状態を
子供のおもちゃの風車にみたてて名がついた。


爺ヶ岳頂上(2669m)から剣、立山連峰を望む。(山荘から往復2.5時間)

爺ヶ岳は「種まき爺さん」の雪形が現れることでも有名です。ふもとではこの雪形を見て、農作業の準備をするのだそうです。今回はこの爺ヶ岳で、槍 穂高、立山連峰、黒部川をはさんで鹿島槍、北アルプスがほとんど全部この目で見られました。展望の山でした。この20年で見える山のほとんどを登った(剣を除いて)という満足感にも十分ひたれました。


時には映画、演劇

2009-08-16 17:26:34 | 映画 演劇

8月13日 映画「剣岳 点の記」を見てきました。

2回目ですが また改めて映画のすばらしさに感激しました。

                                剣岳

明治40年、宗教上の理由から登ってはならない「死の山」と言われてきた前人未踏の山に「日本地図完成」という使命を果たすため、険しい山に登る仲間たちの話。





今の剣岳の一般ルートは山に慣れた人なら、たいがい行けるんじゃないかしら。私も100名山を完成させるためには行かなきゃ・・・とず~~っと思っていました。でも、何を隠そう私 高所恐怖症なんですよ。槍ヶ岳にはおそるおそる2度登ったんですが、剣はもっと怖いでしょう?「あなたをかならず頂上へ登らせてあげます」と言ってくれたガイドさんと室堂で落ち合ったんですが、その日、私ぐらいのおばさんが滑落してなくなりました。それ以来 剣はあきらめて、永遠にさようならしています。近くから、遠くからながめるだけ。頂上以外の所は大体行っていますので映画にでてくる場所は懐かしいところばかりです。音楽もビバルディの「四季」がほとんどなので体に染み込んでいますし、映像のすさまじさ、美しさ、迫力は想像を絶します。また是非見たい映画です。

写真はパンフレットからお借りしました。(剣・・ じゃなくてもっと難しい字をかきますが、許してください)

     

8月16日 新橋演舞場の「石川五右衛門」を見てきました。


小4の孫が「歌舞伎教室」に行って歌舞伎フアンになり、石川五右衛門を何冊か読んで興味をもっていたところに、海老蔵さんの「五右衛門」が公演されていて、そのうえ夏休み。条件が重なったので娘と孫が行くことにした、ついでに私も誘われました。

        新橋演舞場はビルなんです


           立派な緞帳ですね

こそどろから、天下の大盗賊となり、やがては時の権力者である豊臣秀吉に戦いを挑むというお話でした。市川海老蔵の石川五右衛門、中村七之助の茶々、団十郎の秀吉、右近、猿弥など豪華キャスト。団十郎さん、お元気でした。貫禄と重みがありました。七の助は可憐で、踊りに艶がありました。海老さまは言うまでもなく当代きっての大スター。真夏にもかかわらず、着物すがたの若い女性フアンが多かったのもうなずけました。  あの忙しさで浮いた話も多いことよ!!。

  海老蔵さんの「五右衛門」  「 筋書」より拝借

入場料は子供も(シニアも)同じ。私の分は「老人の日」のプレゼントだって。早いケドネ。お陰で久しぶりに眼の正月(お盆?)をしました。


白山登山

2009-08-11 15:30:24 | 山歩き

8月6,7,8,9日 5回目の白山登山をしてきました。
高校生の頃に1回目、それから40年ほどのブランクがあって、3回登りましたが、全部石川県側から。私は生れ育ったのが石川県なので、白山は故郷の山なのです。今回は岐阜側から、花の一番うつくしい時期に登って白山の締めくくりにしたいと思っていました。
8月6日庄川桜で有名な御母衣湖(みほろこ)をすぎて、大白川にそって40分ほど走ると白水湖畔ロッジについた。家から車で途中の休みを入れて10時間。    残念ながら雨だったので、白水湖のそばの露天風呂は翌々日に入ることにして、7時に就寝。
8月7日6時出発。ロッジからほど近い登山道から登る。ブナの美しい林を行く。左手下に白水湖がみえる。白ではなくエメラルドグリーン。7~8合目から、沢山の花が出迎えてくれる。ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、シモツケソウ、イブキトラノオ、オタカラコウ、ミヤマキンポーゲ・・・・・・

     登山道から望むエメラルド色の白水湖
 ハクサンフーロのお花畑が続く
                          イブキトラノオ


11時頃から雨が降り始める。正午前にやっと室堂(2450m)に到着
霧と雨で午後は乾燥室に通って、濡れたものの乾燥に専念。
5時前に夕食、雨が止んだので、自然観察員にガイドをお願いしてお花畑を回る。
会いたかったクロユリは広範囲の室堂平に花豆を惜しげもなくばらまいたように、うつむいて咲いていた。感激した。あきれるほど多いのには驚いた。7時就寝。


前田の殿様がねねさまにクロユリを贈ったことがあるそうな。淀君が嫉妬して
大変な騒動になったことがあるんですって。「天地人」では越後のヒメサユリが問題になっていましたね。白山にはササユリはありますが、ヒメサユリはないと思います。                                     

8月8日 晴天なら4時過ぎに鳴るはずの白山奥社の太鼓がならない。外は濃い霧と雨。7時になっても止むどころか激しくなる。頂上をあきらめて帰ることにするか?
ところが8時過ぎ、雨がやみ、晴れ間さえみえてきた。よっしゃ 行こう!!
室堂に荷物をあずけて、頂上を目指す。標高差250m。霧がとれて、以前縦走した
別山も見えてきた。頂上(2702m)には小さな奥社がある。ヤッター!!

       頂上から見える翠池   
お池めぐりをして、室堂にもどってきて、昼食。12時に下山開始。
       

  チングルマ(上)とハクサンボーフー(下)

   室堂平から御前峰頂上にさようなら    

「ハクサン」と名の付く植物は18種あり、他は250種以上の花がびっしり咲いている。こんな山は北海道をのぞいてないんじゃないの?素晴らしい山だ。白馬も花が多くて好きだけど。→みびいき。3時半頃無事に下山して、ロッジでもう一泊した。

8月9日6時に出発して、白川郷を散策した。朝が早かったので、日曜日とはいえ、人もまだ少なく高曇りの最高のコンディションで遊べた。




      高台から荻町の全景を望む

 古希を迎えた私と今年4月大きな手術をしてまだ完全復帰はしていない相棒が
レベルの高い山は無理、白山なら大丈夫かも。ならば一番花の奇麗な時期にいきたい・・・と決めたのです。余裕をもってゆっくり歩けば大丈夫。ネパールで「ビスターリ、ビスターリ」(ゆっくりゆっくり)と教えられました。日本にも好い教えがありました。   「かたつむり そろそろ登れ富士の山  一茶」


北信濃の旅

2009-08-10 20:10:11 | 

8月1.2.3日 北信濃へ旅しました。
斑尾に2泊して長野から北~新潟の境までを見学してきました。

8月1日4年生の孫(戦国武将に夢中)の付き合いで、川中島へ。
川中島は千曲川と犀川にはさまれた広大な河川敷。武田信玄と上杉謙信が大激戦を繰り広げたところ。首塚には300~500人がまつってあるとか。今は公園になっていますが、つわものどもの恨みと悲しみが渦巻いているかのように思えました。


小布施の北斎館です。
北斎は83歳で小布施を訪れ、この地で晩年をすごし、
画狂老人といわれながら肉筆画に全力をそそいだそうです。

町のマンホールのふたの絵は北斎館天井絵の「怒涛」です。
さすが「北斎の町」「芸術の街」ですね。

8月2日
 雨で外遊びができないので、戸隠方面へドライブ

柏原の一茶記念館です。
ここからは黒姫山がよく見えました。
信濃三山の一つ。黒姫山がたおやかに見える。登ると、きつい山です。


戸隠神社の奥社への杉並木。

奥社入口から「10分ぐらいでいけるでしょう」と簡単にいったけど、
実際は1時間もかかって、「おばあちゃんの10分は1時間のこと?」
とマルコメ坊主に言われました。400年の杉並木です。


ホテルの庭のボンバナ。ハチがとまっています。

8月3日 
ようやく陽がさしてきて午前中は外遊びができました。
帰り道、上田の「無言館」によりました。戦没画学生の絵を窪島誠一郎さんが集めて公開しているものです。最近「第二無言館」が出来、付属図書館もあります。ちなみに窪島さんは作家水上勉の実子で、窪島家で養子として育てられましたが実の父親を探すという有名な話があります。
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ルバーブをご存知ですか?

見たところ、まるでずいきでしょう?これで、ジャムを作ります。
昨年八ヶ岳の帰りに見つけてから、わたしのオハコ料理にしています。
洗って、ざく切りにして、砂糖を分量の半量ぐらい入れて、弱火で柔らかくなるまで煮るだけ。野尻湖に来ていた牧師さんが植えて育てたものだそうです。イギリス人はよく食べるそうですし、「赤毛のアン」でもルバーブのパイを作っていました。パイ生地に砂糖をまぶした、ぶつ切りのルバーブをはさんで、焼くだけのようでした。(1把1キロ450円)
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 一茶が三度も結婚していたり、弟と長い遺産相続争いをしていたり、ずいぶん人間臭い人だったんだと思いましたよ。小林家のお墓の掃除をしていた末裔の人が「一茶以降一族にエライ人はいませんよ」だそうです。

 今ぴったりの一句   「きりきりしゃんとして咲く桔梗かな   一茶」