花歩る木

山と旅がすきです

アンコールワット展 (三越)

2009-12-30 20:59:05 | 美術館

12月27日 三越で「アンコールワット展」
      ~アジアの大地に咲いた神々の宇宙~   見てきました。

アンコールワットは以前から興味がありました。
アンコールワット研究の第1人者、石澤良昭先生のお話も何度かお聞きしました。
この三越の展覧会はまさに「待ってました!!」・・・だったんですよ。

「東洋のギリシャ美術」と例えられるアンコール美術作品64点、
上智大学調査隊が発掘した274点のうち11点などの神仏(石が多い)
の素朴で優しげな表情は
「生命のすばらしさ」が感じられます。
何といっても「ジャヤヴァルマン7世の尊顔」は忘れられません。 



12月27日~1月18日まで。三越新館7階です。

テレビ東京より

アンコールワットの全景です。 9~14世紀のクメール帝国の石造寺院です。

テレビ東京より

石澤良昭先生です。この日11時からギャラリートークというのがあって、
最高傑作の仏像のなかでも選りすぐりの5~6点の前で
熱の入った説明をお聞きできました。
「カンボジア人による、カンボジア人のための、カンボジアの遺跡保存修復、、」
これが4半世紀遺跡保存活動にたずさわった先生の
向き合い方であり、哲学だそうです。


5~6年前にアンコールワットへ旅行に行く予定でいたのに、
直前に都合でキャンセルしたことがありました。



カンボジアは東にヴェトナム、北にラオス、タイに接しています。
1年は雨季と乾季に分かれ、12月~4月ごろが乾季だとか。
1月ごろが一番涼しいらしいので(それでも30度以上)
1月3日からカンボジアへいってきます。


今回の三越の企画はバッチリ私の旅の予習になりました。
いつもタダで見せていただいて、三越さん本当にありがとうございます。


その上におまけ。
テープカットをしたカンボジアの副総理(?)ご夫妻
、読売新聞の偉い人、イオンの岡田さんに石澤先生・・・拝見してましたよ。
ひときわ目を引いたのが、由紀さおりさん、安田祥子さん。
ゆっくり会場を回っていらっしゃいました。
「私たちもアンコールワットで“あかとんぼをうたってきたんですよ」
・・・って。聞こえました。  上品できれい。
お二人とも白っぽいツイードのシャネルジャケット。パールのネックレス。
黒のスカート。黒のストッキング、黒のパンプス。
超正統派の完璧コーディネート
しばし ファッションチェックをしておりました。


高尾山 (113)

2009-12-25 20:18:24 | 山歩き

12月24日 今年最後の高尾山歩きをしてきました。

小仏バス停に着いたのは9時半。(遅い!)  道に畑に白く霜が降りていて、都内との温度差を実感しました。  「もしかして、期待できるんじゃないかな~」   
 シモバシラが。

小仏峠から城山を通って、一丁平へいく 巻き道にありました!!!
 時すでに11時なのに。それでも見せてくれました。毎年のことながら、霜柱に出会えた年末は「終わりよければ  すべてよし」 で締めくくれるのです。

 
 
     11時過ぎ。せめて2時間早ければもっとシャープな華が見られるのに。

シモバシラは、しそ科の植物。花は秋だが、枯れた茎が毛細管現象で地中から
水分を吸い上げ、冷え込みの強い朝に外気で凍り、茎を破ってでてくる、
それがガラス細工のような「氷の華」を形作るのです。
例年12月20日ごろから1月初旬ごろの午前中。いろいろ条件が揃わないと出会え
ないのですよ。



  
鬼女ランの葉を食べているアサギマダラの幼虫   鬼女ランの実
高尾山でも、めったに見られない写真が撮れました。





 ダンコウバイは花芽をつけてちゃくちゃくと春の準備



 薮コウジ(十両)が一面に咲いている?ところを見つけました。

アリトオシ(一両) ヤブコウジ(十両) カラタチバナ(百両) 千両 万両・・・
と赤い実の植物の季節 になりました。

21日からこの日24日まで、高尾山頂で、ダイヤモンド富士がみられました。
23日祝日は700人の人出だったそうです。(ビジターセンターで聞きました)
昨年、私は見たので、今年は明るいうちに下山しましが・・・。
帰り道、三鷹の中央線の陸橋から、シルエットの富士が見えて、
高尾山頂からの眺めは 「ダイヤモンド」 だった事 確信できました。
暖かな、穏やかな一日でした。

 


Cafe Naturel(カフェ・ナチュレ)

2009-12-20 15:36:25 | 
12月18日  午後 天下茶屋のあと 「カフェ・ナチュレ」に行きました。

富士山をぐる~っと回って、真西、富士宮市人穴というところに
工藤夕貴さんの経営する「カフェ・ナチュレ」という、コーヒーやさんがあります。

   中央道 河口湖ICから 30~40分
   定休日 火・水曜日
      
ハリウッド女優としてのアメリカ暮らしから帰国して、富士山麓に自宅をたて、
裏庭の広大な畑で農産物を作り、有機栽培した野菜をだすのが、
同じ敷地内にある「カフェ・ナチュレ」なのです。

 
         裏庭の畑                   お店に入りましょう

店内は白を基調にした、アメリカン・カントリー調のインテリアに
服や雑貨もおいてあり(手頃なお値段でした)
 友達の家のような、明るく、くつろげる雰囲気です。

メニューはオーガニックの軽食に、ドリンク、ケーキ類。
昼食をすませた私達は、コーヒーとケーキをセットにして頼みました。

         店内には若者好みの可愛いアイテムが売られています。

紅茶ロール、チーズケーキ、シホンケーキを頼んだのに、
食べるのが先で写真を撮るのを忘れました。
米粉を使っているそうで、とても美味しかったですよ~!!
セットにして、確か750~850円だったと思います。全然高くないです。      

ここのご自慢は有機野菜の薬膳カレーだそうです。
スパイスは全て無農薬の有機栽培、ライスはアイガモ農法で育てた
5分ずきだとか。若いお兄さんが1人でサービスしていましたが、
私達のほかには2カップルいました。混んでなくてよかったです。



駐車場から見た富士山です。両サイド遮るものがない見事な富士。
平和の象徴のようだと仰ぎ見ていたころ、山中では片山右京さんチームの
事故があったようで、帰ってから知りました。  
うつくしい富士山ですが、残酷な富士山でもあります。


太宰 治 5

2009-12-19 16:28:25 | 文学 読書

12月18日 晴れ 山梨県御坂峠にある「天下茶屋」を訪ねました。
         友達二人と私と夫(運転手)の富士山ツアー。

「富士には月見草が よく似合う」で有名になった天下茶屋に、太宰は昭和13年9月から、3ヶ月滞在していました。この間に美知子さんと婚約したのです。
御坂峠にある 天下茶屋(海抜1300m)



天下茶屋の二階から見た富士。昔から富士三景の1つに数えられているスポット。
それなのに、太宰は [好かない、軽蔑する、風呂屋のペンキ絵だ、高さが足りない・・・] などと「富嶽百景」で悪口をいっています。

当時、滞在中の太宰にほうとうをだしたところ、「僕のことをいっているのか」と
不機嫌になったそうですが、ほうとうは「甲州のたべものである」と説明し、それからは大変気に入って、「ほうとう、ほうとう」と食べたがったそうです。
ちなみに太宰は「ほうとう息子」と勘違いしたようです。

私達は茶屋でほうとうを食べました。あつあつの鉄鍋仕立て。1050円


2階には記念館が併設されていて、富士山と河口湖を一望できる6畳間に当時使用した「机」や「火鉢」などがおいてありました。

 

  はきだめの花
  かぼちゃの花
  わがつつましき 新郎のこころを
  わすれられぬなり  
               治  ・・・・・・      という殊勝な色紙を見つけました。
                              純粋な気持ちがあったんですね。


イルミネーション

2009-12-19 13:19:38 | 

12月16日 晴れ 御殿場の「時の栖」のイルミネーションを見てきました。

 今や、冬の風物詩ともいえるイルミネーション。
友達に御殿場のは一見に値するよ・・・といわれていました。
夜に御殿場までね~と躊躇していたところ、
ツアーを見つけたので乗っかってみました。
箱根ガラスの森、御殿場・時の栖(すみか)、山中湖と回って、
夕食弁当つきで5980円。大型バス、46人の満席。90%がおばさんでした。

「ガラスの森」には2時ごろつきました。水の都ヴぇネティアを
イメージしたお庭にクリスタルのオーナメントがまぶしかったです。
 大涌谷のけむりが動く借景はステキ! 


   暗くなるまで仕事はお休み


   そろそろ仕事を始めようか!

ヴェネチアングラス美術館は15~18世紀のヨーロッパ貴族を
熱狂させた、技を尽くした美の極致でした。
何度も訪ねていますが、ロケーションのよさ、こじんまりとしたたたずまい、
展示物の格調たかさ・・・に感心します。(入館料は1500円)



山を下りて御殿場、「時の栖のイルミネーション」は
4時半から点灯が始りました。(入場料無料)
11月13日から、3月9日まで開催されているようですが、
誰がやっているのか分からず終い。今年のテーマは「義」だって!  
長さ43mの光のトンネル。400万球以上の電球。トナカイのそりのモチーフ。





冬は日照時間が少なくなる季節、人は気分が落ち込んで、気持ちがくすむ。
それを光によって少しでも和らげ、癒すための造形表現の一つだとか。

        多摩地区の方には「昭和記念公園」が断然オススメです。


群馬 忘年山行

2009-12-17 19:15:28 | 山歩き

12月8.9日 群馬県の北部、川場村に泊まって、忘年会がありました。

山の会の12月の行事、「忘年山行」に行ってきました。
42人の大勢で大型バスで行きました。
今年は群馬県北部、川場村。「世田谷区民健康村」で、
世田谷区民が申し込めば、受け入れてもらえます。
大変立派な建物、広い温泉風呂、豪華で品数の多い食事でした

12月8日 晴れ 上越の雲洞庵を見学しました。
今年、NHKのドラマ「天地人」の主人公上杉景勝と直江兼続が、
幼少期に学問を学んだ地として、がぜん有名になりました。



 雲洞庵の赤門 昔は皇室、大名などの来訪の時と、
一年に一日あけるのみだったそうです。
本堂までの参道の石畳の下に法華経を一字一石づつ刻み、
約一メートルの深さに敷き詰めてあります。
踏みしめるとご利益甚大だそうです。
「雲洞庵の土踏んだか」と言われ、信仰が盛んだったそうです。



夜は、総会、忘年会で一年を思い返しながら心行くまで飲んで、
温泉につかり、ゆっくりのお泊りでした。

12月9日 晴れ  川場村にある「吉祥寺」を見学しました。

 
          吉祥寺山門                    釈迦堂

花の寺として有名で春、夏、秋と色々な花が咲くようです。
2年前の秋に来たことがあって、春か、夏のみごとな風情を
見たいと思っていましたが、今回は、花はさざんかぐらいでした。

「山の会」員でトレッキングシューズをはいてきたんですもの、
「山へ行きたい!」の希望者多数。
後山・虚空蔵遊歩道を登ることになりました。往復2時間ぐらい。
頂上からは、雪を乗せた武尊山(ほたかやま)が一望できました。



2日とも晴れて、うつくしい日本の田舎を堪能できました。
世田谷区民健康村の1泊料金は5千いくらとか。
今時安すぎますよね~。
来年から一般も受け入れるようで、
8000円ほどになるようですよ。尾瀬も近いです。


国立新美術館

2009-12-11 16:11:10 | 美術館

12月7日 国立新美術館の「The ハプスブルグ」展をみてきました。



9月25日から12月14日まで開催されているのに、
最後のぎりぎりにアワテテいってきました。
朝一でいっても、やっぱり思った通りの人人。
会場は時間がたつにつれますます混雑してきました。


地下道の広告です。
ベラスケスの画いたスペインの王女マルガリータ(左) と弟(右)

「ベラスケスもヂューラーもルーベンスも、我が家の宮廷画家でした」・・・
というんだから驚いた。
徳川幕府265年、ロシア・ロマノフ王朝300年、
それ以上に中欧のハプスブルグ家は650年の強大な帝国を築き、
豪華絢爛の宮廷文化を花ひらかせていたのです。

「戦争は他の者にまかせておくがいい、・・・・汝は結婚すべし!」
という家訓とおり、政略結婚によって領土を広げていきました。
マリア・テレジア、皇帝フランツ・ヨーゼフとエリザベート皇妃・・・。
魅力あふれる人物の華やかな物語にいろどられる一族です。

  
シシイの愛称で親しまれたエリザベート     11歳の女帝マリア・テレジア
                                       NHKテレビより

 マリア・テレジアは16人の子供を産み、有能な君主であり、
国母とうやまわれました。
 シシイは何といっても美貌、スター性、悲劇的な最期・・・
によって中欧のみならず、この日本でも大変な人気があり、
ハプスブルグの「華」でした。
生涯ウエスト50センチをキープしたそうで、その努力に驚かされます。

中欧を歩けばその至る所に、クリーム色の宮殿や
一族に因んだ地名、ゆかりの物に出会いました。
まさにヨーロッパの原点を作った華麗なる一族ですね。
お土産は「シシイチョコ」と「モーツアルトチョコ」ばかりでした。

展覧会は「ハプスブルグ家の肖像画」のほかに、
「スペイン絵画」「ドイツ絵画」「オランダ絵画」とあり、
特別出品で明治天皇が贈った「風俗、花鳥図画帖 2帖」
が里帰りして展覧されていました。


ショップで宝塚のスター2人をお見かけしました。
星組の次回作、「ハプスブルクの宝剣」に出るひとでしょうか?
私はショップで「ハプスブルグ家の女たち」という本と
「旅行読売」12月号を買いました。(440円) この付録がお得。
 「THE ハプスブルグ」というDVDです。

高島政宏さんのガイドでしたので、出来たら2度回ってみたかったん
ですがつかれました。もっと、静かに見たい・・・ですね。


 出光美術館

2009-12-06 17:54:14 | 美術館

12月3日 出光美術館の 「ユートピア」 を見てきました。

「ユートピア   描かれし夢と楽園」 という展覧会。
日本の名画で幸せな空間を作る絵ばかりでした。
ユートピアとはこんなところ、こんな空間なのかと・・・
見ていて楽しく、幸せになりました。

 
              十二ヵ月花鳥図貼付屏風(酒井抱一)




美人鑑賞図   勝川春草 筆
幕府や大名に仕える美人たちの優雅な有様。
想像するだけで、その楽園を感ずるという絵なのです。



「百寿老画賛」 仙がい筆
百歳が百人!・・だって言うけど
実際には120人いるそうでみんな幸せに笑っています。

会場の説明の中でみかけた和歌:
むかし誰 かかる桜の花を植えて 吉野を春の山となしけむ
(藤原良経 新勅撰集)

「ユートピア 描かれし夢と楽園」 ほのぼのとした気持ちで
絵を見て歩いて“しあわせ”を感じました。

出光美術館は、皇居に面していて9Fの広い窓から
すばらしい景色も見られます。
無料のお茶がいただけます。
満足感にひたれて、出光はいいな~~
                          写真はNHKテレビから拝借しました。


映画 「沈まぬ太陽」「剣岳 撮影の記」

2009-12-06 13:47:26 | 映画 演劇

 12月1日 映画「沈まぬ太陽」を見てきました。

山崎豊子さんの同名のベストセラー小説を、壮大なスケールで映画化した
社会派のドラマ。文庫本が出ていますが5冊もあるんです。
(3000~3500ページはあるでしょう)
根気がないから、今は読めませんね~。
 映画だって 10分の休憩を入れて3時間半ですよ。
 (それで1000円は安いですよね。
巨大企業にほんろうされながらも 自らの信念を貫く男を 渡辺謙 が演じます。
他に三浦友和、石坂浩二等の実力派のキャスティング。
「ノンフイクション」といいながら、御巣鷹山の墜落事故、社内の経営方針、
組合問題などの葛藤等は誰が見ても国民航空は日本航空であります。
JAL関係の方々はどんな気持ちでご覧になったでしょうか?
海外の映像、とくにアフリカのサバンナの動物たちや  
 謙さんにまとわりつく子供たちには、安らぎを覚えました。


山崎豊子さんは今年85歳、11月25日に「運命の人」で
毎日出版文化賞、特別賞を受けられましたが、
車いすで登場されました。(テレビでみました。)
お体をおいといくださいませ。



12月3日 映画 「剣岳 撮影の記 
標高3000m、激闘の873日」 をみてきました。

今年6月20日に公開された 「剣岳 点の記」 は
浅野忠信はじめ今の日本を代表する俳優陣が演じた前代未聞の
200日以上、3000m級の立山連峰にこもって撮影された映画でした。

その木村大作監督にほれ込んだ 大澤嘉工ディレクター が
本クライン前から追っかけをして撮影をしたドキュメンタリー映画です。
200日を超える山のロケに全て同行し、過酷な日々と環境、
そこに人生をかけた映画人の魂を映したものです。

主演(?)の木村監督は
「もうちょっと私をインテリ風にみせてくれ~!」と監督の大澤さんには
言ったんだそうですが、怒鳴ってばかりいましたよ。

本作以上に鬼気迫る状況、自然の美しさと映画作りのきびしさ
に魅了されました。

終わって、右隣のカップルは「又 本映画をみたくなったネ」
「DVDを買って見ようよ」      左のカップルは
「すばらしかった!山へ行きたくなった!」
私は1人でしたので「!!!!」 のみ。