最近見た映画の事
「ターナー 光と愛を求めて」
2014年に創られた映画です。日本で上映されるのを待ちわびていた映画でした。
何しろ、イギリスの画家で一番先に名前を覚えた、大好きな画家ですから。
彼の人生を題材にした伝記映画ですから、期待に胸ふくらませていたんですよ。
(1775~1851)生涯一度も結婚しなかったが、元愛人と娘には
冷たくあしらい、献身的な家政婦にはヒドイ扱いをするターナーには
気持ちが悪くなってしまいました。
臨終の言葉は「太陽は神だ」 だったようで、光を求めた画家の叫び
だったのでしょう。
ティモシー・スポールという俳優は、カンヌ映画祭男優賞などを受賞し
いるから、演技は良かったんでしょうけど、私はもっと美しいものを
イメージしていたので、後味のわるい感想を持ちました。
私の好き度 ★★☆☆☆
「アリスのままで」
日に日に記憶を失っていくヒロイン、ジュリアン・ムーアが熱演して
アカデミーショウを受賞している映画です。
若年性アルツハイマー病と診断された50歳でコロンビア大学の
言語学者のアリスの苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との
絆を描いた映画。
原題は、「STILL ALICE」・・・と言い、日々多くを失い変わっていくけど
彼女の本質はかわらないまま・・・だという意味なんでしょう。
映画の中で、「癌だったら良かったのに…」と言う言葉をもらしましたが
ドキ!っと しました。
「もしも自分がアリスだったら…?」と考える普遍的な テーマでした。
好き度 ★★★★☆
「山の音」
三鷹市芸術文化センターが企画した 「小説を、見る。 文豪作品が
原作の映画特集」・・・が毎月1回、行われます。
今回は、川端康成の「ありがとうさん」(1936年 白黒)と
「山の音」(1954年 白黒) でした。
60年前の白黒映画。成瀬巳喜男の作品。
原節子、山村聰、上原謙、杉葉子、長岡輝子 など
結婚して2年もたたないうちに愛人を作った夫は、健気に尽くす妻の菊子を
冷たくあしらい続ける。同居する舅はそんな嫁をきずかい、菊子もまた、
舅を心の拠り所にしはじめる、のだが・・・。
堕胎する原節子をめぐって「浮気の抗議ですよ」と言う姑。
「潔癖なんですよ」と言う息子。「私を見て子を持つのは嫌だと思ったんでしょ」
と言う義理の妹。 みんなヒドイ!
映画は原作から離れているんでしょうけど、納得できないところが多々あって
もう一度読んで見ました。 なるほど、上原謙の退廃的な性格は、
太平洋戦争から復員した「心の負傷兵」だった、と言うことでした。
原節子さん、清潔で、きれいでした。
好き度 ★★★★★