1979年に公開された
劇場版 未来少年コナン
前年にTV放送されたものを再編集して劇場版として公開された。
当時は再放送もなくビデオもない時代だったので喜んで映画館に出かけた。
今はなき「京王地下」という映画館で弟を連れて観に行った。
WiKiでは同時上映の記載があるけど1本立てでした。(当ブログの前売り半券カテゴリに)
場所はバルト9の手前辺りだった。
その時は子供でアニメ映画を観るという高揚感で細部なんて気にしていなかった。
大人になって改めて観たらあまりの酷さに唖然とした。
まずオープニングは静止画に映画のために作った研ナオコさんの歌が流れる。↓こんなところにタイトル入れる?
監督は宮崎駿さんではない。この為に実写映画の監督を連れてきたのだ。
昔のアニメ映画にはよく実写の映画監督の名前を入れた。(監修とかね)
宮崎駿さんの名前はオープニングに名前も表示されない。
完全にこの映画版からは離れているのだ。
オープニングの後に流れる
「西暦2008年7月、人類は絶滅の危機に直面した」のナレーションのバックの音楽がひどい。
この終末感のある画に対して使う曲ではない。TV版では重いBGMだったのが映画ではどこかカッコいい曲になっている。多分これは絵にある摩天楼側によったイメージで付けられたのではないかと推察する。
とにかく映画版はわざわざ作曲家を変えたりやらなくていいことを色々やっている。
そしてその感覚がすべて戦後くらいの感覚なのだ。
音楽はのどかな風景が映ればのどかな曲、悲しければ悲しい曲というようにわかりやすい曲しか付かない。
おかしいのは風景はのどかだけどその前にあった出来事からすればそこはその曲じゃないのに映し出されるものに合わして流しちゃう。
ダイスのテーマらしきものも浪花節的曲だし、その他昔のキャバレーの生演奏ような曲が多い。
効果音も無駄に付けている。
機関銃を撃てばレーザービームのような音がたされている。
何をするにも音が付いている。まるでトムとジェリーとか鉄腕アトムのように何にでも音が付けられている。
全体の編集もひどくて、まあ26話を2時間にまとめるなんて難しいわけで。
数あるTVシリーズを映画に再編集したものでこんなにひどいのは観たことない。
まるで途中の粗編集を見せられているのかと思っちゃう。
後半に行くほど粗くなる。繋がりがなさすぎて初見の人にはなんだかわからないはず。
どうせ作るんだったらもっと未来少年コナンを理解している人に関わってほしかったな。
なんか「アニメは子供の見るものだから」って「子供にはこんな感じでしょ?」って作られたようにこの映画版は思えちゃうんですよね。
(これはTV版の画面)
映画ではこのテロップが出る。
TVではこの部分は第1話の「のこされ島」と出るところ
エンドクレジットにTVのスタッフが流れる
パンフレット
宮崎駿の名前はない
宮崎駿の名前はないのに本人が描いたイメージボードや
絵コンテ
設定資料
が、収録されているパンフレット(どこにも名前はない)
この頃のパンフレットの値段は300円程度
これから未来少年コナンを見ようという人はまとまっているから、時短だからといって間違っても劇場版を観ないように!そしてそれで評価しないように!
全く違う作品ですから。