連句通信132号(続き)2009年7月6日発行

今号は前回の続きから始めます。
「二句表紹介」
現在、無名会では「二句表」なる連句作品を、しばしば巻いています。
理由は単純です。二句表が連句の原点だと考えられるからです。
もともと連句(連歌)は短連歌から起こりました。
そうして連歌(句)隆盛の時代には、俳諧(短連句)が盛んに行われたようです。
そこで無名会では短連句から発想して「二句表」を考案致しました。(坂本)
独自の形式ですが、次の巻でご参照ください。
* 表が2句だけなので制約が少なく短時間で巻終えられて便利ですよ~。
もっとも歌仙をされておられる方々には物足りないようで....。
二句表「赤い傘」 膝送り
紫陽花の坂はゆるやか赤い傘 山田藤子(夏)
葉陰に眠る純情な蝦蟇 おおた六魚(夏)
ウ
玉のある占い部屋に客もなし 古谷禎子
今年の絹をしこしこと縫う 古賀直子(秋)
しっかりと鰯雲より月の出る 玉木 祐(秋月)
踊り疲れる京洛の橋 六魚(秋)
別れきて甘いローヤルミルクティ 藤子
劇団クイーン噂流れて 峯田政志
ナオ
年下の抱かれ上手にだまされる 禎子
月の寝酒に媚薬たっぷり 直子(冬月)
みどり児が笑顔ふりまく冬日向 宮澤佳子(冬)
ねころんで見る韓流ドラマ 藤子
次々と核打ちあげる独裁者 星 明子
夜中の兵隊錻力のおもちゃ 祐
ナウ
咲く花の命を明日の糧にせん 明子(春花)
しゃくりに脅え飛んだ春蝉 佳子(春)
2009年6月6日 於ベルブ永山公民館
梅雨の晴れ間に咲く花愛し百日草は三月(みつき)持つかな?
二句表「二匹の鯉」 膝送り
六月や二匹の鯉の濁川 玉木 祐(夏)
枝もたわわに揺れる枇杷の実 古賀 直子(夏)
ウ
手土産に旧姓小さく書き添えて 山田 藤子
祝杯挙げる浅茅生の宿 星 明子(秋)
名月に謡の声の流れ来る 峯田 政志(秋月)
肌寒に披らくゲーテの詩集 宮澤 佳子(秋)
サーカスの終りて黒き小屋の影 おおた 六魚
河口の水なめるひまびと 古谷 禎子
ナオ
ちょっとだけからくちだけど男伊達 直
ホテルに彼と除夜の月みる 祐(冬月)
次々と孫現れてお年玉 明(冬)
覗き見をする胴長の猫 藤
三男の写真出回る後継者 佳
落着やばい勝負師の賭け 志
ナウ
京の寺花の園にも柵立てて 禎(春花)
田はひろがりて遠蛙鳴く 魚(春)
2009年6月6日 於ベルブ永山公民館

二句表のご感想はいかがですか?
コメントお待ちしてまーす。
それではね


今号は前回の続きから始めます。
「二句表紹介」
現在、無名会では「二句表」なる連句作品を、しばしば巻いています。
理由は単純です。二句表が連句の原点だと考えられるからです。
もともと連句(連歌)は短連歌から起こりました。
そうして連歌(句)隆盛の時代には、俳諧(短連句)が盛んに行われたようです。
そこで無名会では短連句から発想して「二句表」を考案致しました。(坂本)
独自の形式ですが、次の巻でご参照ください。
* 表が2句だけなので制約が少なく短時間で巻終えられて便利ですよ~。
もっとも歌仙をされておられる方々には物足りないようで....。

二句表「赤い傘」 膝送り
紫陽花の坂はゆるやか赤い傘 山田藤子(夏)
葉陰に眠る純情な蝦蟇 おおた六魚(夏)
ウ
玉のある占い部屋に客もなし 古谷禎子
今年の絹をしこしこと縫う 古賀直子(秋)
しっかりと鰯雲より月の出る 玉木 祐(秋月)
踊り疲れる京洛の橋 六魚(秋)
別れきて甘いローヤルミルクティ 藤子
劇団クイーン噂流れて 峯田政志
ナオ
年下の抱かれ上手にだまされる 禎子
月の寝酒に媚薬たっぷり 直子(冬月)
みどり児が笑顔ふりまく冬日向 宮澤佳子(冬)
ねころんで見る韓流ドラマ 藤子
次々と核打ちあげる独裁者 星 明子
夜中の兵隊錻力のおもちゃ 祐
ナウ
咲く花の命を明日の糧にせん 明子(春花)
しゃくりに脅え飛んだ春蝉 佳子(春)
2009年6月6日 於ベルブ永山公民館

二句表「二匹の鯉」 膝送り
六月や二匹の鯉の濁川 玉木 祐(夏)
枝もたわわに揺れる枇杷の実 古賀 直子(夏)
ウ
手土産に旧姓小さく書き添えて 山田 藤子
祝杯挙げる浅茅生の宿 星 明子(秋)
名月に謡の声の流れ来る 峯田 政志(秋月)
肌寒に披らくゲーテの詩集 宮澤 佳子(秋)
サーカスの終りて黒き小屋の影 おおた 六魚
河口の水なめるひまびと 古谷 禎子
ナオ
ちょっとだけからくちだけど男伊達 直
ホテルに彼と除夜の月みる 祐(冬月)
次々と孫現れてお年玉 明(冬)
覗き見をする胴長の猫 藤
三男の写真出回る後継者 佳
落着やばい勝負師の賭け 志
ナウ
京の寺花の園にも柵立てて 禎(春花)
田はひろがりて遠蛙鳴く 魚(春)
2009年6月6日 於ベルブ永山公民館

二句表のご感想はいかがですか?
コメントお待ちしてまーす。


