「クリムト、シーレ 世紀末への道」と題する「ウィーン・モダン」展に行きました。
◆新国立美術館で開催中
19世紀末から20世紀にかけてのウィーンの絵画・建築・工芸・グラフィック・音楽などの文化芸術の軌跡をたどるというこの展覧会、見ごたえ十分です。出品数は500点近くあり、じっくり見ているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
絵画ではやはりクリムトとシーレ。
◆クリムト「エミーリエ・フレーゲの肖像」は撮影可
◆文化服装学院の学生が再現したドレスと帽子も展示
◆シーレ「自画像」は小品だが引き込まれます
特筆すべきはクリムトとシーレの素描が数多く展示されていること。これが素晴らしい!
◆シーレの素描「マリア・シュタイナーの肖像」
(この素描の前でしばらく立ち止まっておりました)
それにしてもクリムトもシーレも女性を描くのがまあなんと巧いことか!
他にも印象派や新印象派の影響を受けた?ものやミュシャやエッシャーによく似たものなど、いろいろなスタイルの作家の作品が展示されています。
◆クルツヴァイル「黄色いドレスの女性《画家の妻》」
ちょっと珍しいところではシューベルトの肖像画。
◆リーダー「作曲家フランツ・シューベルト」
音楽室によく飾ってあるものですが、シューベルトが実際に使っていた丸眼鏡も横に展示されています。
マーラーやシュトラウスの彫像、シェーンベルクやベルクの肖像画などもありますので、音楽好きにも楽しめると思います。
(なんとシェーンベルクが描いた絵もあります!)
そしてポストカードやポスターなどグラフィック作品は今見てもカッコいいものが多いです。
◆クリムト「第1回ウィーン分離派展ポスター」
また、画像はないのですが、現在でも十分に通用するシンプルで機能的な洋食器、ポット、椅子、テーブル、ランプなどの工芸品のデザインには感心させられます。個人的にはかなり楽しめました。
ちょっと面白いところではクリムトが愛用していたあのスモックの「実物」もありました。よく残っていたものです。(ミュージアムショップでTシャツとしても販売中)
あまりにも多すぎて紹介しきれないのですが、都市計画に基づく図面や模型、当時の写真、装飾品、図案集、服飾品、家具など、他にも見どころ満載。
それほど混雑もなく回れますのでお勧めです。
※都美術館の「クリムト展」の一件があったせいか、展示室内はいつもの女性の学芸員のほか警備の男性も巡回していました。
(2019.06.19)