京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

妙蓮寺の芙蓉

2020-08-24 05:47:17 | 2020 花


  昨日から暦の上では処暑に入りました。
 前日まで38度超えの猛暑日続きでしたが、昨日の京都市は34.6度で猛暑日脱出です。
  久米島の北西約200km付近に台風8号(バービー)が発達中です。
この台風は発達しながら次第に北に進路を変え、朝鮮半島に向かうようです。
日本への直撃はないようで、これで一気に秋の風に変わることはなさそうです。
しばらく暑い日が続きそうですが、朝晩だけでも涼しくなってほしいものです。


 少し以前ですが、妙蓮寺の芙蓉を撮影してきました。
境内には山門前や境内にはいっぱい芙蓉が植えられています。


















境内























































































ススキが穂をつけてます。





ムクゲ






京町屋東山(3)祇園甲部歌舞練場、八坂倶楽部、弥栄会館、南座、パビリオンコート、旧並河靖之邸

2020-08-23 17:26:46 | 京都の町 町屋・建造物


 京都の町屋、東山区第3回です。
 町屋ではない建築も紹介します。

祇園甲部歌舞練場正門
登録有形文化財
東山区祇園町
昭和前/1936 鉄筋コンクリート造平屋建、瓦葺、建築面積174㎡
祇園甲部歌舞練場は明治6年に杉浦治郎右衛門が新しい歌舞芸能として考案した「都踊り」開催場として建設したことに始まる。
鉄筋コンクリート造,平屋建,寄棟造・銅板瓦葺の建物で,敷地西側の花見小路に面して建ち,アプローチを構成する重要な要素。










祇園甲部歌舞練場玄関
登録有形文化財
東山区祇園町
大正/1913 木造平屋建、瓦葺、建築面積286㎡
東側本館,南側別館,北側の弥栄会館に囲まれた位置に建ち,演舞会時には一等玄関・一等待合に使用されてきた。入母屋造の主体部に唐破風の車寄を接続した形態で,主体部は45畳と30畳の板間に分かれていた。入口に相応しい堂々とした外観を備えている。





祇園甲部歌舞練場別館
登録有形文化財
東山区祇園町
大正/1913 木造2階建、瓦葺、建築面積712㎡
本館の南側に接する東西棟・妻入の細長い建物で,1階は当初70畳敷の点茶席,2階は休憩室・待合室で床・棚付の2室とする。正面となる西面は車寄の唐破風,玄関となる妻庇上の千鳥破風,入母屋造の妻飾が階段状に続き,躍動感のある外観を構成している。






八坂倶楽部
登録有形文化財
東山区祇園町
大正/1913 木造2階建、瓦葺、建築面積746㎡
木造2階建,入母屋造・瓦葺の大屋根を架けた建物で,敷地南奥に建つ。
北面西側に軒唐破風付の玄関を設け,東面と南面から庭園を望む。1階は特等客向けの待合・点茶などに用いられ,2階は広大な132畳敷の客席と舞台からなる広壮な舞台座敷としている。










弥栄会館
登録有形文化財
東山区祇園町
昭和前/1936 鉄骨鉄筋コンクリート造地上5階地下1階建、瓦葺、建築面積1272㎡
鉄骨鉄筋コンクリート造,地上5階地下1階建で,南面して建つ。
各階に銅板瓦葺屋根をかけ,塔屋状の正面中央部は付庇や宝形造屋根が城郭の天守を思わせる造形で,和風意匠の伝統を巧みに織り込んでいる。設計は劇場建築を手がけた木村得三郎,施工は大林組。










南座
登録有形文化財、歴史的意匠建造物
四条大橋東詰
昭和前/1929 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造地上4階地下1階建、瓦葺、建築面積1797㎡
桃山風の意匠を凝らした劇場建築で,総客席数1500余の大劇場を収容できます。
何度か改修が行われ外観は竣工当時の姿に復元されています。
演劇の中心地の一つとして,また都市のランドマークとして,広く親しまれています。





パビリオンコート(旧山中合名会社美術館)和館
登録有形文化財
東山区粟田口三条坊町14-2
明治/1904/1967移築 木造平屋建、瓦葺、建築面積105㎡
当初古美術品の陳列施設として建てられたものを,昭和42年に現在地に移築したものです。
木造平屋建,桟瓦葺で,舟肘木を用い,窓上部に菱形格子を巡らしています。















旧並河靖之邸主屋
登録有形文化財、景観重要建造物
東山区三条通北裏白川筋東入
明治/1893 木造2階建、瓦葺、建築面積238㎡
七宝作家並河靖之の自邸です。
いわゆる表屋造で,表側はせがいの軒に虫籠窓,名栗の駒寄せといった伝統的な京町家の構えをもっています。
良材を用い瀟洒な意匠でまとめられるが,内法が高く,庭園に面する縁先は総ガラス戸入りとするなど,新時代の要素がみられます。















並河邸北棟
歴史的意匠建造物
三条通北裏白川筋東入堀池町


















京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。









全国的には感染は7月下旬がピーク 再び増加の可能性に引き続き注意を 政府の分科会

2020-08-22 17:53:43 | 定年後生活


 昨日まで38度超えの猛暑でしたが、本日は36.8度と下がりました。
また先ほどから雷雨があり、久しぶりの雨という感があります。
明日から処暑です。それに合わせたかのように、天気予報では少しずつ気温が下がり、猛暑日は少なくなりそうです。
 今日も新型コロナウィルスについて考えていました。

 日本感染症学会に続き、政府の新型コロナ対策の分科会が21日開催され、全国的には7月下旬がピークだったことを明らかにしました。
一方、お盆の時期の分析データが無いこと、高止まりしているところもあり、引き続き感染防止に注意をする必要があることが指摘されました。
 私たちはマスコミ報道に躍らされることがないように、過度に恐れず、しっかりと感染対策を行っていけば良いと思います。
 3密を避け、感染機会を減らして、社会経済活動を行っていくという現在の考え方で良いのだと思います。
 
 7月以降の再感染拡大で、再度緊張事態宣言を出すべきだと主張する意見がありました。
 私は国として宣言を出すことには異論あり、実際に出されずに良かったと思っています。

 〇〇〇党の〇〇代表は7月29日のラジオ日本番組で、新型コロナウイルスの感染急増を踏まえた緊急事態宣言の再発令について、「(自らが首相だったら)出さざるを得ない」と述べ、政府の対応に関し「最初の宣言を緩めるのが早すぎた」と批判しました。
 私は〇〇代表の通りに緊急宣言を出せば、第一派と同じ二の舞で、感染ピークを過ぎてからの宣言になるだけでなく、社会経済活動のさらなる悪化を招いていたと思います。

 国の緊張事態宣言は諸刃の剣です。
 アメリカの失業率は2月の3.5%から、3月は4.4%、4月には14.7%、5月上旬で17.2%(2507万3000人)までハネ上がりました。
 フランスでは12月末までに90万人の雇用(フルタイム雇用換算)が失われるとしています。
 イギリスでは4月に失業者向けの手当を申請した人の数が210万人に上りました。3月末から新型コロナウイルスの流行を受けたロックダウン(都市封鎖)に入り、4月は事業活動などがまひしていた。手当ての申請者数は、3月から約85万6500人増えました。
 ドイツの失業率も5月に上昇し、2015年後期以来の高さとなった。手厚いセーフティーネット(安全網)を備えた同国でも、新型コロナウイルスによる危機から労働者を守るのは厳しいことがあらためて示された。5月の失業者数は、前月から23万8000人増加し、失業者数が今年300万人を突破する可能性があると予測されている。5月の失業者数は287万5000人。

 日本も緊急事態宣言で失業者が増えています。
 5月の完全失業率は2.9%と前月比0.3ポイント悪化、完全失業者数は197万人と同19万人増えた。
総務省によると、4月に600万人近くまで膨らんだ休業者の約7%が5月に職を失った。潜在的な失業リスクを抱えた休業者は423万人となお高水準で、今後も失業者や労働市場から退出する人が増える恐れがある。としています。
 また有効求人5月1.20倍、46年ぶり下げ幅で失業200万人迫っています。
5月の就業者数は全体で前年同月に比べて76万人減少。
 今回の再感染拡大で、緊急事態宣言を再発令すれば、さらに経済が泊まり、当然失業者数も増え、それに伴う死亡者数も残念ながら増えます。感染症などの専門家との連携を密にしながら、感染流行や医療逼迫の正確が判断が求められるのだと思います。
 一部で命が大事か、経済が大事かといった無意義な議論もありました。
これはどちらも大事で比べること事態がおかしいのです。
 コロナで亡くなる人を減らすためにとして、社会経済活動を止めれば、失業者があふれます。それにともなう自殺者や事件も増えます。
 両者のバランスをとっていくことしかないのが現実でしょう。
 
 今回政府の緊急事態宣言が発令されませんでしたが、都道府県独自で宣言発令したところがいくつかあります。
 東京都は東京アラートが出されました。
 愛知県は8月6日から24日まで県独自の緊張事態宣言中です。
 沖縄県は8月1日から29日までの県独自の緊張事態宣言中です。
 その他の県でも独自の宣言を出したようです。
 これらも検証が必要だと思います。

2020/8/21 NHKニュースWEBより

 21日行われた新型コロナウイルス対策の政府の分科会では、感染状況について、最新の分析結果が報告され、専門家は、全国的には今回の感染拡大はピークに達したと考えられるものの、再び増加するおそれがあり引き続き注意が必要だと指摘しました。

全国的には7月下旬がピーク 再び増加の可能性に引き続き注意を


 これは会合のあとの会見で分科会の尾身茂会長や分科会のメンバーで東北大学の押谷仁教授らが明らかにしました。
 各自治体では新たに感染が確認された人の数を毎日、発表していますが、検査の実施状況などの影響を受けるため感染状況を正確に分析するには、発症した日ごとのデータが重要となります。
 21日の会合では最新の発症日ごとのデータが示されました。
 それによりますと全国的には、今回の感染拡大で7月27日から29日にかけて発症者数がピークとなり、その後、緩やかに下降傾向になっていて、一部地域では新たな感染者の数が減少傾向にあるとみられるということです。
 都道府県別では、東京都や大阪府、それに愛知県などでは、7月末ごろがピークとなっていた可能性があるほか、福岡県や沖縄県などでも8月中旬にかけてゆっくりと減少傾向が見られたということです。
 一方で、お盆の時期などの状況についてまだ分析できるデータが無いことやピークは過ぎたように見えても高止まりの状態とみられる地域もあることなどから、この先、再び増加する可能性があるとして引き続き注意が必要だとしました。
 そのうえで分科会では、3月から5月にかけての第1波の際には流行の後期に高齢者施設や医療機関などの施設内で感染が増える傾向があったことや大阪府や沖縄県、愛知県、それに福岡県などで重症者の数が増加傾向にあることなどからマスクの着用や手洗い、それに3密を避けるなどの感染対策を引き続き徹底する必要があるとしています。

 会見で東北大学の押谷教授は、「大きな集団感染がどこかで起きれば感染が再び拡大することも十分考えられる状況だ。高齢者施設や医療機関で感染が広がると重症者や死亡者が増えるおそれがある。患者数の推移でピークが見えたとしても、重症者の数や医療機関のひっ迫の問題は全く別の話だと捉える必要があり引き続き注意が必要だ」と話していました。

尾身会長「ワクチン 必要な数の確保目指すのが重要」


 21日の分科会では、新型コロナウイルスに対するワクチンが実用化された場合に重症化するリスクの高い高齢者や持病のある人、そして、医療従事者などから優先的に接種するとした方針が取りまとめられました。
 会合のあとで開かれた記者会見で、分科会の尾身茂会長は、感染を予防するなど、理想的なワクチンができる可能性は必ずしも保証されていないものの感染拡大に伴って期待が高まっているという認識を示しました。
 そのうえで、「国としてワクチンの確保に全力で取り組んでもらうとともに、海外からの購入については安全性や有効性が明確になっていない時点で判断しないといけない。安全性や有効性が全部分かってからでは遅いのですべて使用されなくても必要な数の確保を目指すのが重要だ」と述べ、早い段階から国としてワクチンの確保を進める必要性を強調しました。
 また、尾身会長は、「日本はワクチンの副作用に対する国民の関心が諸外国に比べて高いということもあり、ワクチンがなかなか普及しなかった歴史もある。どこまで効果があるのか、どんな副作用があるのかなど分かった時点で速やかに透明性をもって情報を国民に伝えることが専門家の責務だと思う」と述べ正確な情報を発信することが重要だという認識を示しました。

尾身会長「重症者 国への報告は統一指標で」

 新型コロナウイルスの重症者について、国の基準と東京都などの一部の自治体が異なる基準で集計していることについて、政府の分科会の尾身茂会長は「自治体によっては、地域の実情に合わせた対策を考えるうえで、より現実的な指標として独自の基準を使いたいという思いがあり、それ自体は尊重すべきだ。ただ、全国的な感染状況を評価するためには、国に対して報告する際には統一した指標を使ってもらったほうがより便利だ」と話しました。




猛暑真っ最中の鷹峯光悦寺、源光庵、常照寺

2020-08-22 06:24:37 | 京都めぐり


 連日の猛暑日続きの真っ最中ですが、朝のうちに、鷹峯光悦寺、源光庵、常照寺散策にいってきました。
 青葉の美しい三ヶ寺院ですが、ここは秋紅葉の名所でもあります。
 今年は紅葉シーズン中に多くの観光客が訪れることができるでしょうか。
ここは市内中心部より標高が高いせいか、少し涼しさも感じながらの散策になりました。
 
光悦寺













中門











鐘楼









圓成寺




源光庵
本堂の改修工事真っ最中です。









常照寺









吉野門









本堂





















 

 明日から暦の上では、処暑(8月23日〜9月6日頃)です。
処暑の処はおさまるという意であり、ようやく暑さがおさまってくるころです。
天気予報では、気温が少し下がるようです。
昼間の暑さは相変わらずでも、朝晩はめっきり涼しくなり、虫の音も聞こえはじめれば良いのですが。京の街なかでは例年地蔵盆が行われますが、今年はどうなるでしょうか。
夏の終わりを惜しむ候になることを祈りたいです。


京町屋 東山(2)はきもの匠内藤、井上邸、武藤邸、伊藤喜商店、楽只苑、澤吉、三浦邸

2020-08-21 19:09:18 | 京都の町 町屋・建造物


 本日の京都市の最高気温は38.8度でした。
昨日38.6度、一昨日38.3度と3日続けて38度超えの猛暑でした。
 ただ明日以降は気温が下がるようで少しホッとしています。

 京都の町屋シリーズ、東山区第2回です。

 はきもの匠内藤
歴史的意匠建造物
大和大路通亀井町













井上邸
歴史的意匠建造物
大和大路通四条下る













近隣 天狼院書店





武藤邸
歴史的意匠建造物
大和大路通四条下る














近隣 祇園八軒





おけ庄





伊藤喜商店


















楽只苑
歴史的意匠建造物
五条橋東















小川邸(文齋窯)
景観重要建造物
登録有形文化財、景観重要建造物、歴史的意匠建造物
五条橋東









澤吉
歴史的意匠建造物
五条通東大路西入







   

三浦邸
五条橋東






京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。







尾身会長「流行はピークに達したとみられる」

2020-08-21 14:37:56 | 定年後生活


 現在日本感染症学会が開催中であり、わが国の感染症の専門家たちが現状の新型コロナウィルス感染状況をどのように捉えているか、大変気になっていました。
 私には連日のマスコミ報道よりはるかに信頼度が高いです。
 昨日の会議の状況を報じたニュースです。


日本感染症学会 尾身会長「流行はピークに達したとみられる」

 NHKニュースWEB 2020年8月20日 23時24分
 
 東京で開かれている日本感染症学会で政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が講演を行い、現在の流行について「今後の推移に注意が必要だが、全国的にはだいたいピークに達したとみられる」とする見解を示しました。
 感染症の専門医や研究者などで作る日本感染症学会は密集を避けるため東京 港区の会場とオンラインの両方で19日から開かれています。
 20日は、政府の分科会の尾身会長が講演を行い「東京や沖縄、大阪などでは医療機関への負荷が大きい状況が続いているが、今の流行は全国的にはだいたいピークに達したというのが私たちの読みだ。今後の推移を注意深く見守っていく必要がある。これまでの経験から流行を乗り切るには医療機関や保健所への支援や接待をともなう飲食店、そうした地域などへの支援が重要なことがみえてきた。国に対して早急にこうした支援ができる体制の確立を求めたい」と述べました。
 また、分科会のメンバーで、クラスター対策に取り組んできた東北大学の押谷仁教授は講演で「最新の発症日別のデータからは全国的に7月下旬から8月はじめごろにかけて山があったようにみえるが死亡者数が徐々に増えていることもあり、慎重に見極めが必要だ。第1波に比べて、現在の流行ではある程度リスクを制御することはできているが、これをゼロにしようとすると社会・経済活動を著しく制限せざるをえない。今後、どこまでリスクを許容するか、社会的な合意を得るため真剣に考えていく必要がある」と指摘しました。
 新型コロナウイルスの特別講演は、21日も開かれ、研究や治療の最新の知見などが報告される予定です。


最悪シナリオ「可能性低まった」新型コロナのシンポで専門家

産経ニュース2020.8.20 22:34

 新型コロナウイルスに関する日本感染症学会のシンポジウムが20日、東京都内で開催され、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らが感染拡大の現状などについて見解を明らかにした。 
 尾身氏は「全国的に見ると(感染拡大は)だいたいピークに達したとみている」との認識を示した。同分科会メンバーの押谷仁・東北大教授も「大都市で数万人が死亡し、医療が崩壊するといった最悪のシナリオが起きる可能性は低まってきた」と指摘。ただ、接待を伴う飲食店を中心としたリスクについて、さらに低減させる必要があるとした。
 また尾身氏は、クラスター(感染者集団)の発生が続く中、どんなに注意しても現状では完全な感染予防は不可能だと強調。「こういった状況では不安が生じるが、心の持ちようや対処方法を考えておき、冷静に対応することが重要だ」と述べた。

 その上で「新型コロナの実態は、この半年でかなり分かってきた。クラスターが見つかることは不安ではなく、制御できる機会の発見で安心につながると考えてほしい」と提言。さらに国に対し、医療機関への人的、財政的な支援を迅速に行うことなどを求めた。






北嵯峨野、広沢池

2020-08-21 06:13:04 | 京都めぐり


 私はやっぱり北嵯峨野の田園風景が好きなのだと思います。
早朝の青空の下、遍照寺山のなだらかな山景、広沢池の西に広がる田園は、私に心地好い落ち着きを与えてくれます。


 広沢池
遍照寺山の水鏡がきれいです。









愛宕山もくっきり





先日の送り火の一つ曼荼羅山も見えます。





黄花コスモス





今回も観音島でザリガニを釣りを楽しむ親子連れ





池沿いのお地蔵





柘榴





児(ちご)神社
広沢池の南西のほとりに小さな神社があります。
平安時代、遍照寺山に遍照寺という大きな寺院がありました。
遍照寺を建立した寛朝大僧正が亡くなると、寛朝に仕えていた待童が悲しみのあまり、広沢池に身を沈めたといわれています。
これを不憫に思った地元の人が、この子供を祀ったのが神社の始まりとされています。





北嵯峨の田園













稲は順調に生育しています。









木槿









女郎花





オオケダケ(大毛蓼)

















シロガネヨシ(パンパスグラス)





向日葵








朝から暑かったですが、気持ち良い散策になりました。
来月には稲刈りが始まります。



新型コロナでわかってきたこと

2020-08-20 17:05:32 | 2020 花


 相変わらずテレビは連日、コロナ、コロナのオンパレードです。
昔からテレビの体質は変わらず、視聴率稼ぎのためと思われても仕方ないような過激、過熱的な報道が続いています。これは民放に限らず、NHKも同様です。
PCR検査を煽るのような報道も目立ちました。
これには専門家と称する方々の功罪もあるように思います。
 中国武漢から世界に広がった新型コロナウィルスは、発生当初は全くの未知のウィルスということもあり、世界中の人に恐怖を与えました。
 日本は4月をピークにいわゆる第一波は収束方向に向かいましたが、7月から再拡大しているのが今日の状況です。
 一方初め未知だったこのウィルスも時を経て少しずつわかってきたことも多くあります。しかし残念ながら、このウィルスに対する有効な薬剤やワクチンがまだ開発中ということもあり、私も含め相変わらずテレビの過激報道に躍らされ、感染者数に一喜一憂しているように思います。
 そんななか、本日以下の発信記事を拝読し、コロナウィルスと冷静に向き合う必要があると思いました。
 長い文章ですが、紹介させていただきます。下線は私がつけました。
 

和田 耕治 : 国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授・医学系大学院教授
2020/08/20 5:35 東洋経済オンライン

 感染の広がり方がだんだん見えてきた


新型コロナウイルスについて、われわれはすでにいろいろなことを学びました。

 基本的には、飛沫感染のほうが多く、一部に接触感染も起きています。
そして、マイクロ飛沫感染という感染様式の存在も日本では早くから認識されており、3密という場においては、換気の重要性が提言されていました。飛沫の小さなものが空気中を浮遊して、2メートル以上の間隔を空けていても、空調などを通じ同じ部屋の人に感染が広がった事例が報告されています。
 マイクロ飛沫感染はどこでも起きているわけではありません。大きな声を出したり、歌ったりするような場所で発生していると考えられています。普通のオフィスなどのような場所で、あまり大きな声で話をしない状況では、マイクロ飛沫感染は起きていませんが、念のためオフィスでも適宜、換気をすることを推奨します。

 今年3月にはすでにわかっていたのですが、日本では10人の感染者のうち、ほかの人に感染させているのは約2人です。この数値には、ウイルスの特性による感染の広がりやすさだけでなく、人と人との関係性や距離感なども関係します。密な関係が多い、マスクが嫌い、といった生活スタイルの国では、より多くの人に感染させている可能性はあります。

 また、残念ながら、重症化の程度を見ていますと、インフルエンザや風邪よりもコロナのほうが高いことがわかっています。とくに60歳以上の高齢者は重症化のリスクが高く、死亡に至らないまでも重い後遺症が生じる事例も報告されています。

 日本でも今後、新型コロナ対策なんてしたくないという人が増えてくれば、感染者が増える可能性もあります。最近徐々に、日本でも「コロナは単なる風邪だ」といった楽観論が出ているようです。
 「対策は不要だ」「新型コロナは単なる風邪だ」といった考え方から、感染拡大を抑える行動をやめる人が多くなると、感染拡大のスピードは速くなるでしょう。欧米などでは、マスクをするかしないかで政治論争にまでなっていますが、そんな状況を考えると、日本でも感染者は増加するのはやむをえないでしょう。


 通勤電車に乗った後は必ず手を洗う、仕事の際もできるだけ対面での会話を避ける、ランチは1人で行く、少人数で行った場合も離れて席に着く、外出から戻ってきたら必ず手を洗う、そして電車に乗って帰宅したらやはり必ず手を洗う、といった基本的な感染対策をしていれば、感染リスクは低く抑えられると思います。


 やみくもなPCR検査では非効率


 濃厚接触者の調査で徐々にわかってきたことがあります。

 家族に感染者がいる場合、日常生活は濃密な接触ですから、当然、家族内での感染の可能性は高まります。また、接待を伴う飲食店やスポーツ選手の寮ではかなり高い割合で陽性者が発生しました。
 しかし、いわゆる「ローラー作戦」的に感染者が接したであろう人を対象にPCR検査をしても、思ったほど陽性者が見つからないということも報告されています
。感染のリンクが自然に断ち切れていることも多いと考えられます。保健所の現場からも、「この人は陽性の可能性が高いだろうという人が陰性だというケースが案外多い」ということも聞かれます。感染者のウイルス量やどの程度の濃厚接触だったかにもよるとは思われますが、やみくもなローラー作戦よりは、濃厚接触者であっても戦略をもって対象者を吟味して検査を展開することが今後は必要です。
 一般的には、行動が活発で、いろいろな場所に行き、さらに話をするのが好きという方は感染リスクが高くなるようです。加えて、濃密な接触があり、しかも多数の人が集まるような場所での感染リスクは、さらに高くなります。

 例としては接待を伴う飲食店があげられます。そうした場所では店員さん同士が感染し、さらにお客さんへと感染することにより、いったん広がり始めると、毎日のように感染者が早い速度で増幅されます。そうした場所は、店員さんが感染しているので営業自粛などを一定期間していただくなどしないと感染のリンクが切れません。一部の大規模な繁華街には自粛要請がこれまでも出されましたが、今後も感染者の増加により自粛要請が必要になると考えられます。サービスや事業のあり方を考えなければならないともいえます。
 居酒屋などの接待を伴わない飲食店の場合、店員さんから感染するというよりは、客の中に感染者がいて、客同士で広がっていきます。そういったお店は感染拡大する場ではありますが、接待を伴うような店とは異なり、たまたまその店で感染したということです。ただ、複数で飲食をする際に、仲間内の誰かが感染していたら、同席している方に感染するリスクは比較的高いのは間違いありません。
 このような身近な居酒屋で、どんな対策をどの程度まで厳密にやれば、仮に客の中に感染者がいたとしても、感染を広げずに済むかはまだわかっていないのです。ただ、距離をあける、換気をよくするのはお店側にできても、具合の悪い人は参加しないということは客側のことですし、隠されたらわかりません。
 こうした密な接触の頻度や場面のリスクを分析し、点数化していくと、個人の感染リスクというものも見えてきそうです。すでに中国のように、点数化をしている国もあると聞いています。引き続き、新型コロナの流行は続きますが、こうした知見をもとに、できるだけ、感染リスクが高くなる場には近寄らないように注意する必要があります。


 この冬の対策:インフルエンザに風邪、そしてコロナ


猛暑が続いていますが、われわれはすでに冬の対策を検討しています。

 まず、インフルエンザワクチンですが、例年どおり約2500万人分しかありません。これまでも医療従事者や介護従事者、そして高齢者は積極的に接種してきました。働く年代ではだいたい4人に1人ぐらいが接種していました。急には増産できないので、今年はどう配分するかが議論になります。
 皆さんの中にもこれまではインフルエンザワクチンは接種していなかったけれど、今年はぜひ接種したいと思っている方が多いかもしれません。しかし、今年は持病などがないと接種できないということになるかもしれません。
 では、インフルエンザのこの冬の流行はどうなるか。2つの意見があります。1つは、コロナ対策がされている以上、インフルエンザ罹患(りかん)者は減るだろうというもの。もう1つは、昨年のインフルエンザ罹患者がやや少なかったこともあり、免疫を持つ人が減ったと見て、今年の罹患者数は増えるだろうという意見です。

 判断は難しいですが、私は新型コロナ対策が引き続き十分になされるのであれば、インフルエンザ罹患者は例年よりは減るだろうと予測しています。このお盆同様に正月の帰省は減るだろうと考えられますので、例年1月の2週目の患者数がピークを迎えるという現象は来年は回避されるかもしれないと注目しています。しかし、風邪については、実際に減るのかは予測がつきません。
 多くの医師は、インフルエンザの診断には豊富な経験を持っています。インフルエンザには、急速な発熱などの特徴的な症状があるので、比較的判断するのが容易なのです。しかし、風邪と新型コロナの違いを見分けることは難しそうです。

 すでに冬を迎えているオーストラリアでは、それぞれの症状について以下のようにまとめています。
 省略 出所:クイーンズランド州政府サイトの表を一部抜粋
 それぞれに症状の違いがあるような、ないような、曖昧な感じです。そのためオーストラリアでは開業医であるGPの99%が遠隔診療をしているそうです。日本も、冬に向けてますます遠隔診療が必要になりそうです。

 新型コロナが発生した当初は、検査ができる場所が限られていたこともあり、軽症なら数日自宅で様子を見るという方針でした。しかし、現在は検査環境も整い、軽症でも早めに受診することになっています。
冬場になって、風邪の患者さんが増えて、感染対策の必要性などから医療が回らなくなったら、若い人や症状が軽い人は、数日は自宅で様子を見るようにという、再度の方針転換が起こる可能性もあると思います。普通の風邪でも、待合室で新型コロナの患者さんと接してそこで感染することが起こりうるからです。
 新型コロナに対する対策をそろそろ緩めてはという意見もあります。指定感染症の措置を緩和する、または指定感染症から外すという意見です。しかし、この冬を一度は越えてからでないと、緩められない対策も多いのではないかと考えます。
もちろん、保健所や医療機関への負担が増加しているので、その負荷は軽減しなければなりませんが。


ワクチンへの期待


 世界中でワクチンの製造競争が進んでいます。日本政府もさまざまな製薬会社からワクチンを買い付けています。しかし、どのワクチンに確かな効果があり、安全性も確実であるかについては、いまだ十分な情報がありません。
 また、感染リスクの高い高齢者を優先とするワクチン接種には、問題があると考えられます。例えば、接種した高齢者が2日後に亡くなったような場合、その原因は持病だったのか、ワクチンの副反応なのか、明確に判断することができません。そうしたことがまた報道を過熱させて、接種が進まないといったことが起きる可能性もあるのです。
 このように、個人的には、ワクチンにはもちろん期待はするけれど、解決すべき問題が山積しており、そう簡単にはワクチンができたのでもう安心とはならないと考えています。

 新型インフルエンザのワクチンの接種希望について、研究を行ったことがあります。その結果、持病があるなど接種を優先されるべきと考えられる人は、実は接種を積極的に希望していないという傾向が示されました。理由はさまざまだと思いますが、持病のある人は、まず健康な人がワクチンを接種して副反応がないことを確認してから自分も接種したいという希望があるのかなと解釈しました。今回の新型コロナワクチンの接種に際しても、同じような傾向が見られるかはわかりませんが。
 また、インフルエンザと同様の不活化ワクチンと言われるものには少し期待をしています。ただ、このワクチンは完成するとしたら2021年秋以降ではないかと言われています。

まずはこの一冬をなんとか乗り越えるべく、世界とも連帯しながら、日本は一体となって取り組み、そして良好事例を共有していかなければならないと思います。

最後に、ウイルスをしっかり除去する、衛生的手洗い手順を用意したので、ご活用ください。
 省略
なお、この原稿は2020年8月13日にまとめました。

という内容です。
私も時期は別として、「指定感染症の措置を緩和する、または指定感染症から外す」のは理解できます。





清涼寺から奥嵯峨鳥居本

2020-08-20 06:06:24 | 京都めぐり


 清涼寺から奥嵯峨鳥居本までの朝の散策です。

清涼寺





狂言堂でなにかの撮影でしょうか。
土蜘蛛の場面が演じられていました。









一部色づき





宝筐院
紅葉シーズンは多くの方が訪れますが、今は静かです。









天龍寺雲水托鉢
街中でよく南禅寺、大徳寺、妙心寺の雲水さんの托鉢に出会います。





芙蓉









向日葵













奥嵯峨入口にあたる祇王寺への道





人形の家









街道を歩く

















化野念仏寺










秋海棠





タカサゴユリ





百日紅












鳥居本









つたや













平野屋

















いつもの奥嵯峨コースです。



京町屋 東山(1)伊藤喜商店、近隣町屋、子育て飴屋、菱六もやし、旧河井寬次郎邸、諏訪蘇山、香取屋

2020-08-19 18:02:46 | 京都の町 町屋・建造物


 京都の町屋シリーズも今回から東山区に入ります。
東山区は東西を東山連峰と鴨川に挟まれ,北は概ね三条通,南は十条通から稲荷山北麓付近を区域としています。
 区の東部は森林地域,西部は住宅地域,北部の東大路通と鴨川の間は商業地域,南部の鴨川沿いは準工業地域というように多彩な地域特色を有しています。
 世界文化遺産の清水寺をはじめとする有名社寺や史跡,名勝のほか,国宝,重要文化財等が多く、また産寧坂地区や祇園新橋地区は,伝統的建造物群保存地区に指定されるなど、歴史を経た美しい町並みが保存されています。
四季を通じて多くの観光客が訪れています。
 一方京都市11行政区の中では、人口は11区中最も少なく、65歳以上の高齢者比率は11区中最も高くなっています。
五条坂から泉涌寺付近を中心に作られる京焼・清水焼は,美術・工芸的な評価が高く,京扇子や京漆器等とともに,京都の伝統産業として全国に知られています。
 市内の代表的な花街である祇園や宮川町では,しっとりと華やいだ雰囲気の中,伝統文化や伝統芸能が継承され,毎年「都をどり」や「京おどり」,「祇園をどり」が開催されます。


伊藤喜商店旧店舗兼主屋
登録有形文化財
東山区松原通大和大路東入
大正/1926頃/2007改修 木造2階建、瓦葺、建築面積145㎡、塀付
松原通に北面して建つ木造2階建の平入町家で醤油を商いました。
間口5間半、切妻屋根を桟瓦葺とし、銅板葺庇がつき、後に風呂と便所があります。
正面1階は戸口の両側窓に円形断面の格子を入れ、腰を石貼とし、2階は格子窓。大正期の大型町家の好例です。










近隣町屋





子育て飴屋 
ゲゲゲの鬼太郎のモデルになった飴




















六波羅蜜寺





菱六もやし










河井寬次郎記念館(旧河井寬次郎邸)
登録有形文化財、景観重要建造物、歴史的意匠建造物
東山区馬町通大和大路東入
昭和前/1937 木造2階建、瓦葺、建築面積148㎡
陶芸家河井寛次郎の居宅兼工房として建設、寛次郎自身の設計と伝えられています。
主屋は寄棟造妻入で出桁造の建築に千本格子や矢来など京都の町家の意匠を取り入れ、囲炉裏付の板敷広間の空間構成や古色仕上げの材、漆塗りの建具などに独自の住宅観や美意識を示しています。

















諏訪蘇山
歴史的意匠建造物
渋谷通大和大路東入














近隣




















香取屋
歴史的意匠建造物
祇園町














京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。










事前予約制の無鄰庵

2020-08-19 06:03:17 | 京都めぐり


 久しぶりの無鄰庵、今年1月以来です。
中国武漢から広がった新型コロナウィルスにより、日本でも緊急事態宣言が発令され、無鄰庵も見学中止となりました。
緊急事態宣言解除(5/25)以降は、1時間帯(9時~17時)15名上限の事前予約制になりました。
 前日夜、翌日の空き時間帯を確認して予約しました。










今までは小さな潜り門から庭園に入ったのですが、母屋玄関に変更です。






中庭






広間










広間から見る庭園














ホオズキ

















庭園に出ます。













草ボケの実





母屋







































一部紅葉













茶室





母屋












無鄰庵を出て、瓢亭





















京町屋下京(46)薮内家、川勝法衣、原*公認会計士、梶*家、小野五色豆、冨*家、初邸、射*家、大嶋雁金屋、若狭屋久茂老舗

2020-08-18 18:25:31 | 京都の町 町屋・建造物


 京都の町屋シリーズがスタートしたのは昨年の7月30日、もう1年経過しました。
京都の町屋は残念ながら年々減少し続け、このままでは京都ならではの景観が失われてしまいます。
そういう危機感から現在残されている町屋を記録しておきたいと思い、少しずつ町屋めぐりをしてきました。
 以来、上京区1(16回、114軒)、中京区(44回、314軒)、下京区(45回、311回)と投稿してきましたが、コロナウィルス感染拡大の4月以降は中断状況にあります。
そこで、再度奮起して徐々にではありますが、再開することにしました。

 今回の投稿で、下京区の町屋は最終回(第46回)になります。

 薮内家
 西本願寺の西方約300m、西洞院通りに面して目立つ邸宅です。
薮内家は茶道流派の一つで、武野紹鴎門下で千利休の弟弟子にあたる剣仲紹智を祖とする茶道家元です。
当初の藪内家の住まいはまだ現在の地でなく、西洞院正面に移ったのは、二代月心軒が代を継いで13年後の寛永17年2月(1640)です。
現在十四代を数え、四百余年の歴史を伝えています。

 表門や高塀は古田織部の堀川屋敷から移したものと伝えられ、武家風な格式を漂わせています。
門の柱には太い皮付き丸太が使われ、黒壁には杢板の腰板を縦張りにしています。
格子、犬矢来、駒寄など意匠が素晴らしいです。





皮付きの門柱は私は初めて見ました。





 川勝法衣










 原*公認会計士









 梶*家









 小野五色豆










 冨*家










 初邸











 射*家





 大嶋雁金屋










 若狭屋久茂老舗










下京区の後は軒数は少なくなりますが、東山区、左京区、右京区、北区と続く予定です。


京町屋外観の特徴
屋根一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。
ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。
駒寄
家と道との境界に巡らされた格子の垣。元は牛馬をつなぐためのものでした。
意匠もさまざま、栗や欅などの硬い木が使われることもあります。
鍾馗
厄除けの瓦人形は京町屋の屋根の象徴です。


猛暑も色づきはじめた仁和寺散策

2020-08-18 05:58:11 | 京都めぐり


 朝8時前、開門直後の仁和寺散策です。
立秋が過ぎ、境内のいろは紅葉や桜が色づいてきました。
盛夏のなか、秋の足音聞こえてきます。





いろは紅葉と桜も一部色づいてきました。









勅使門






中門





西方天、東方天













五重塔









観音堂





金堂









鐘楼





大黒堂





令和阿弥陀堂





御影堂









不動明王





八所明神





紅葉












御殿





ゼロ・ヒガシダ展





作品





















二王門









双ヶ丘








昨夜の京都五山送り火

2020-08-17 05:53:28 | 京都めぐり


 祇園祭とならぶ、京都の夏を代表する行事のひとつが「京都五山送り火」です。
お盆の精霊を送る伝統行事で、毎年8月16日の午後8時に、京都を囲む5つの山に「大文字」「妙・法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の順に送り火が点火されます。
 しかし今年はコロナ対策で祇園祭が中止、五山送り火も点火場所が大きく減りました。

 送り火生中継より

「大文字」





「妙」「法」









「船形」





「左大文字」





「鳥居形」

 



 少しさびしさはありますが、送り火は精霊送りです。
 点火場所は少なかったですが、本来の目的は果たせたと思います。
 送り火で今年のお盆も終わりました。

 昨年の五山送り火

東山如意ヶ嶽の「大文字」 点火 20:00





松ヶ崎の 「妙・法」 点火 20:05










西賀茂船山の「船形」 点火 20:10





金閣寺大北山の「左大文字」 点火 20:15






嵯峨、曼荼羅山の「鳥居形」 点火 20:20