国々の民族を特徴づけ、その地を訪れた旅人に印象を刻印するのは、その国の人々が共通して用いる言語の音声と、その地に立つ伝統的な建物や服飾の意匠(特に色彩)である。
異国に在って、その国に普遍の音声と色彩に馴染めるかどうかは、その国の食べ物と同様、旅人の個性にとって重要なことである。
社会や政体よりも何よりも①食べ物②色彩③言語音声が、その国の印象を特徴づける文化的な要素だと思う。
私は妙に音に敏感で、外国語の音声に対する選り好みが強い。生理的な感覚だから、意思でどうこうできない。
現代の異文化尊重とか多様性尊重など、文化人類学的見地からの常識に抵触すると言われそうだが、感覚の問題だからどうにもならない。
楽器の音色に好みがあるように、外国語の音声にも選り好みがあるのはごく自然な反応かと思う。
言語の選り好みには、音としての響きが大きく関与していることは間違いないだろう。言語を音声と認識するとき、響きの違いは好悪の感情を呼び起こす。
音声感覚と同様に、その国民に共通する色彩感覚が、その国を特徴づけることもある。これも感覚の問題だから選り好みがあって好いと思う。
音声も色彩も、その国の文化の一部だから、好悪は別として尊重するのがその国とその民族に対する礼儀である。
感覚は個人的で恣意的なもの、公の場で論議する性質のものではない。国際社会でのマナーとしては、国々に固有の文化は、お互いに尊重し合うことが大切だ。
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