「衆寡敵せず」という言葉があって、私たちは多数の優越を確信している。少数が多数に勝てないのは常識である。
ところがこの世を、優れた少数が進歩させてきた事実は、厳然と世界の歴史に記されている。革新や改革は多数からは生まれない。卓見ある少数に始まるものである。少数派の動きは速く、多数派の動きは遅い。寡が衆を制することは、現実には意外に多い。
発明も発見も、寡をもって成功して来た。衆を恃んでいたら、成功は覚束なかったろう。時代のターンテーブルを回す原動力は、常に少数が担ってきた。
世の中は、衆を恃んでばかりでは良い方向に向かわない。衆を恃むということは衆に依存することである。依存が自立に勝ることはない。
ごく少数の、真面目な人たちが、良い方向に世を導き、進歩させて来たと見るのが正しい歴史認識ではないだろうか?
いまだに、マンパワーに依存し、派閥議員の頭数だけ増やして国政を壟断しようとする多数派依存政治は、早晩選挙民に絶縁状を突きつけられるだろう。
30年もの経済の停滞を招いたのも、ロケットH3の今回の失敗も、衆を恃む政党に選挙民が信任を与え続けたことへの応報と受け止めるしかない。
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