「ままかり」ことサッパの釣果が上がっているらしい。今日は5、60尾もの釣果の恵贈に与った。コハダが数尾混じっている。
セグロイワシは何処へ行ってしまったのか全然釣れなくなったと、セグロイワシ狙いの友は嘆いていた。回遊魚の動きとはこのようなものだろう。
当方はサッパが好きなので、いっこうに構わない。冗談抜きに「まんま(ご飯)」を借りに奔ることも厭わない。
ソバーキュリアス実践中の老生、お酒を飲まなくなって7ヶ月目が過ぎた。「ままかりの酢漬け」を肴に日本酒が飲めないのは残念だが、仕方がない。私は肴に左右される呑み助だったから、この種のアテなら、3合は行けただろう。
こう書いてはいても、お酒が飲みたくなっているのではない。天然の魚へのこだわりが強いのである。今の私は「ままかり」には、ご飯さえあれば充分である。
あれほど長い期間私をお酒へ執着させていたものはいったい何だったのだろう。今もって分からない。お酒を已めてこれほど不都合がないとは、思いもよらなかった。思うに快楽というものは、私たちが想うほど人間を支配できないのではないか?それを自ら確かめることが出来ただけでも、sober curiousの発想に触れた甲斐はあったのではないかと思っている。
【調理】
サッパはウロコが大きく硬い。
面倒だが丁寧にウロコを落とす。
三枚におろした身を酢洗いして、キュウリの千切りと共に酢の物する。コハダと同じ調理法だ。コハダもサッパも同じニシン科の魚、ニシン科の魚は酢との相性が好い。日本ではニシンの菜の花漬けがよく知られている。北欧ではニシンのマリネを好む。
食性が全く異なり歴史的に交流の無い日本と北欧で、同じ魚種を酷似した調理法で食べるのは興味深い。それぞれが使う酢の原料(米酢またはワインビネガー)による風味の違いが、和風と洋風を決定し、片方は日本酒・ご飯に、他方は白ワイン・パンに好く合う。
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