道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

オミナエシ

2021年09月12日 | 随想
目の前に、家人が活けたオミナエシとリンドウがある。先日、浜名湖で昼食した帰りに立ち寄った地元の農産物販売所にあった切り花

その1週間ばかり前、オミナエシの鉢植えをJAファーマーズマーケットで買い求めたが、株が弱く花に生気が乏しかった。鉢に根が回っているのだろう。

それに較べ、畑で切り花用に育てられたオミナエシの散房花は、あたりを圧するばかりの勢い。流石のリンドウも多勢に無勢で目立たない。


若い頃からの植物好きだが、愧しながらこの齢になるまでオミナエシの花にあまり興味がなかった。リンドウは若い時から変わらず好きな草花だが・・・

それが今では、オミナエシの花に強く惹かれ、栽培しようとしている。変われば変わるものだが、決して気まぐれではない。審美眼が漸くこの花に届いたと思いたい。齢をとる度に新たな美に出会う。


そういえば、草丈がオミナエシと同じぐらいのフジバカマも、アサギマダラの吸蜜を知るまでは、まったく無関心だった。こちらはアサギマダラの美しさに誘起されての関心だ。

卓上のオミナエシを見ていたら、ふと、この花は昼間太陽の下で見るものでないのでは?との思いが掠めた。満月が煌々と照らす原野でオミナエシに出会えば、どんなに鮮烈な印象を受けることだろう。

時季は最適。お月見の供えに尾花だけでは寂しく感じていたので、オミナエシの花を添えてみようかと思う。月のウサギは歓ぶかも知れないが、「また余計なことを」と、家人から苦情が出るだろう。
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