道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

有終の美

2021年09月10日 | 随想
盛夏の朝には、さしも姸を競って咲き誇っていたアサガオの花も、秋の深まりとともに日毎花の数が減ってきた。終局を飾る一輪には、限りある命の切実な願いが顕れているように思う。


かつてアサガオの有終の美を見届けるためにひと手間かけ、手づくりのミニチュアの竹桶に植えて鑑賞していたことがある〈アサガオの竹桶づくり〉。100ccもない僅かな用土で育てた一種の草物盆栽だが、青竹の取手に絡んだ蔓と花に風情があり、人に進呈して喜ばれた。何とか彼岸過ぎまで保たせたりしたが、鋸と切り出しだけで竹桶を作るのは存外面倒で、その楽しみは続けられなかった。

何事も始めあるもの終わりあり、いつまでも未練がましく「継続は力なり」と、未知で困難を伴う新規に挑むことをせず、継続という最も労作の少ないことにしがみついて自画自賛する有り様はいただけない。

政権の重鎮たちの地位に執着して合従連衡を繰り返す姿の醜さがよい?見本。桜の花の潔さを礼賛する人間に限って、己の影響力の存続に腐心するから呆れてしまう。




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