道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

旅はincentive

2019年09月09日 | 旅・行楽
文章の中に得意でもない外国語を混ぜるのは不本意だが、日本語にその概念を伝える適当な語がない場合には、妙な訳語を当て嵌めるよりは良いと思っている。例えば〈インセンティブ〉がそれで、ビジネス用語として日本語化している意味では、文意を正しく伝えられないので、敢えて原語の〈incentive〉を使わせていただく。

私たちはincentiveによって旅に出る。日常生活は様々なincentiveを人にもたらし続ける。それによって人は旅に出たくなり、目的地を決める。

失恋であったり、行楽・観光であつたり。事物への関心や興味も、それになり得る。時にはパックツァーの価格もそれになることがある。非日常行為の旅には、必ずincentiveが前置されているはずだ。

人は様々なincentiveで旅に出る。旅人の数だけincentiveがある。私は悪い癖かもしれないが、乗り物で同席したり同宿した旅人の表情やしぐさから、その人の旅のincentiveをあれこれ推し測ることが多い。我ながら人に好奇心が強すぎる。厳に慎まなければならないと自戒しているのだが。そうでないと「フーテンの寅さん」の衣鉢を継ぐことになりそうである。

世の中には他人が気にならない人も半分以上居て、妻もそのひとり。私の悪癖を嗤うというよりは嫌悪する。山野草の花を見つけるのは誰よりも速く、花が散るのを異様なまでに惜しむのだが・・・。関心の向かう先が、人より花に強いのだろう。





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