激しい運動をしたり、紫外線を長時間浴びたり、強いストレスに晒されると、免疫力が低下して風邪などに罹りやすくなることはよく知られている。帯状疱疹も、免疫の低下が引き金になって発症するらしい。
高齢になると多病になるのも、老化に伴って免疫力が落ちる影響も大きいと説明されている。
冬は安静にしていても体温維持のために体力を割かれているから、一般に夏よりも免疫力は落ちやすく、高齢者は感染症などに注意が必要である。
春・秋なら安心かというとそうでもなく、気圧と気温の目まぐるしい変動が自律神経に悪影響を及ぼし、免疫力は低下するらしい。
ことほど左様に、人の免疫力というものは、常に下る傾向を免れない。免疫力を増強させることは生理的には不可能で、低下させないことだけで精一杯である。
免疫力の低下を防ぐには、睡眠が一番効果がある。睡眠不足は禁物、活力に富む若者でも感染症に罹り易くなる。保温と休養がセットになっている睡眠に勝る養生はない。
次が食事による栄養補給。ただし食べ物によっては、消化のために余計に体力を消耗させるモノが沢山あるので注意を要する。高カロリーの御馳走、俗に栄養があると思われている食べ物は、消化にエネルギーを多消費するものもあり、免疫力の低下を助長する。
多くの老人はコッテリした御馳走が免疫力を下げることに気づいていない。老人の舌を愉しませることは、逆効果になることもあるのを、当人も家族も知っておくべきだ。食べ過ぎなど以ての外・・・
欧米風の高タンパク・高脂質の食べ物は、若い時ならいざ知らず、高齢の日本人の消化機能では負担が重く、完全消化するまでに予想外の体力を消耗する。眠っていても内臓が食べた物の消化のために働いていれば、疲労すら発生する。前日何もしていないのに、朝起きて疲労感が残っているときは、前日の夕食を疑って欲しい。食事と飲酒とで体を酷使していては、本末転倒というものである。
3度の食事におけるカロリー摂取の配分は、お酒を飲まない高齢者なら、朝食3昼食5夕食2ぐらい、お酒を飲む高齢者は、朝食2昼食4夕食4の比率が適当ではないかと思う。現役の働き盛り世代なら、2:3:5が普通だろう。
体質が肉食に適応している欧米人と、米食・魚食・野菜食に適応して数万年を経た日本人とでは、外貌と体型と同様、内臓の機能にも微妙な違いがあるはず。食物の消化について言えば、消化液の組成・量・消化器管の構造・腸内細菌に微妙な違いがあって当然である。
欧米風の食物に馴れてたった100年足らずのこの国は、食に関しては目下、他国に例のない壮大な社会的実験の真っ最中の様相を呈している。
食は民族の体質や風土と不可分のもの。先祖が永く食べていた食品を片端から排除してしまっては、身がもたなくなること必至だろう。
とにかく我が国では生活習慣病が多すぎる。病因が多すぎるというべきか。わかっていてもやめられない現代の生活習慣は、どちらかというと欧米由来のもののように思う。
米・魚介・野菜(根菜)と発酵食品を摂り、肉と脂・乳脂・加工肉を控え、野菜と果実、米飯・魚介ベースの食生活を取り戻さないと、総合的な面から見た健康が、先祖の時代より劣ってしまう可能性がある。
長寿は健康があって意味のあるもの、欧米型食生活にどっぷり浸かって、まっしぐらに欧米型老後に進むのは、生活に立脚した古人の知恵を無視するものと言わざるを得ない。
何年か前、帯状疱疹にかかった時のあの
強烈な痛さが蘇って来ました、、。
私もあれこれと仕事に追われ、身体が
疲れている時にかかりました。
今、思うと身体が「もう止めて〜」と悲鳴を上げていたのだと、思います。
何事も八分目が肝心‼︎という教訓を身をもって体験した次第です。皆さんもお気をつけて下さいね。