出逢橋から300mほど西の園路に、三脚付きカメラを構えた人達が10人ほど群がっていた。近寄ると、道脇の高いヤナギの梢にスズメより大きな、日頃見慣れない小鳥の群れがとまり、新芽を啄んでいた。それを撮ろうと、皆で望遠レンズの砲列を敷いているのだった。「キレンジャク」という言葉が耳に入った。
たまたまカメラマンの中に小学校づれを見付けたので訊ねると、ヒレンジャクの群れの中にキレンジャクが1、2羽混じっていて、それがカメラマン達のターゲットになっていると教えてくれた。
ヒレンジャクですら初めての当方、持参の双眼鏡で注視したがヤナギの新葉が視界を妨げ、尾の先端部が黄色というキレンジャクは、識別出来なかった。それでも数いたヒレンジャクのおかげで、柔らかそうなウォームグレーの羽毛と逆立った冠羽、そしてサングラスをかけているような黒い過眼線など、この鳥の歌舞いた容姿をじっくり観察することができた。レンジャクは渡り鳥でいつでも会えるわけではないから、カメラマン達は熱心に根気よく追いかけるのだろう。
陽光に燦めく湖面を眺めながら歩き続け、野外ステージの先あたりでツグミを2羽見つけた。1羽は木の枝に、別の1羽は少し離れた水辺ちかくの平地に降りていた。地味な羽毛の小鳥だが、頭をじっと空に向けている姿勢に特徴があり、比較的遠くからでもそれとわかり易い
タンポポの彩る芝生の中の道を艇庫まで辿り、そこで折り返した。時計塔傍の、岸辺にクレソンが繁茂している細流では、湖から遡るハヤの姿が数多く見えた。湖畔に沿ってカモ類がゆったりと遊弋する光景などを楽しみながら、最初立ち止まった場所に戻ると、レンジャクの群れはまだヤナギの木に止まって居るらしく、カメラマン達がよいアングルを求めて動いていた。
学校づれはキレンジャクのホバリングするショットを捉えていて、いくつかの画像をモニターで観せてくれた。2時間足らずの散歩だったが、佐鳴湖の春を満喫した。
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