道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

恋について

2014年03月23日 | 人文考察
たまには艶めいたことも書いてみよう。人間何事も渦中にある時は、事の実相を見分けることができないもので、恋もその例外ではない。

恋の渦中にあっては、当事者はいかに正気を装おうともその実ほとんど狂気に支配されてしまう。あらゆる妄念、誤解が発生し、冷静、的確な判断は下せなくなる。成就しようと成就しまいと、報われようと報われまいと、恋には熱が必要で、熱の無い恋は錯覚であり、偽装であり、願望であろう。熱で常軌を逸するのが恋だから、常軌の法を超えなかったそれは、恋ではなかったということである。

恋が成就してもしなくても、相当の時間を経て、それが現実感をもたなくなってはじめて、人は正確に恋の実相の分析と理解ができるようになる。恋は終わって後に検証することで、はじめてその実体が明らかになるもののようだ。

春は生き物の恋の季節だ。動物がそれぞれの相手を見つける行動は、ほかの何よりも生気に溢れ溌剌としている。見ている人間をも楽しく幸福にさせる。神は人間たちの恋を、季節を選ばず随意にしたかわりに、動物たちには無い悩みや苦しみを与えた。

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