道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

背馳の輻輳

2024年04月26日 | 随想
総じて老人の身体というものは、人に本来備わっている自律調整の機能が衰えている状態が普通らしい。
ウォーキングだけではサルコペニアやフレイルを防げないというので、歩くのを止め、室内での自重筋トレに励んでいたら、足腰の筋力が弱って来た。

かくてはならじと、ウォーキングに精を出せば、今度は上半身の肩や上腕の筋力が衰える。まるでシーソーかモグラ叩きの様相である。
上半身と下半身の筋力を、一様にバランスよく保つのは、老人には至難のことと痛感した。どこかを強化すれば、別のところが相対的に劣化する仕組が出来上がっているようである。
強化と劣化が背中合わせになっているのは困る。

やはりスクワットやランジでは、ウォーキングのベニフィットを補完できないようだ。歩くことに比べ、動員される各部筋肉の数が比較にならないからだろう。遅ればせながら老生、足腰の健全には、歩くことに勝るものはないという結論に達した。

半月ほど前、室内でインナーマッスルの強化体操をしていて、左仙腸関節の辺りを痛めた。当初は跛行状態に陥ったので、毎日5000歩ほどのウォーキングを課し実行していたら、日毎に痛みが軽くなり、普通に歩けるようになった。

あちらを立てればこちらが立たずということは、老人の身体では日常的に起こりがち、八方丸くは収まらない。
筋肉ばかりの問題ではない。循環器系と消化器系とか泌尿器系と呼吸器系など、異なる各器官系統の間で、各部機能に背馳現象が発生する。総合内科の医師の目から見れば、背馳が錯綜している状態が老人の身体ということになるのだろう。必然的に投薬の種類が増えるのも、納得するほかない。
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