てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

貨幣・浮世絵ミュージアム 訪問

2024-05-23 22:41:09 | 美術館・博物館 等
 前回に引き続きリハビリを目的として、街歩きとして名古屋市内の三菱UFJ銀行付設の貨幣・浮世絵ミュージアムを訪問した。ここはいつでも行くことができると思っていたのが仇となり、初めての訪問。
 
 ここは、昔からの硬貨や紙幣が展示されている部屋、そして歌川広重の東海道五十三次を主とする浮世絵の部屋があり、無料で展示されている。

1.浮世絵 展示
 「Good Job! ー旅路の仕事人ー」と題するテーマ展示がなされていた。 運ぶ人、渡す人、泊める人、守る人、売る人、癒す人といった、東海道の各宿場で活躍する人々を描いた絵が、26点並べてあった。



「テーマのチラシ」


 まず始めに知ったのは、歌川広重の五十三次ものが、揃っているもので20数種あること、それに狂歌や双六などで描いた中途半端なものを加えると40種類となっている。当然広重以外も描いている。広重も北斎の富嶽三十六景に対抗するように富士三十六景を描いている。要するに東海道の風景画という人気のジャンルが見つかると、それを目掛けて本人に各印刷屋が依頼を出すとともに、その他の人にも描かせようとしたのだ。また木曾街道版」なども描かせている。

 いわゆる最初のものが「保永堂版」でもっとも有名だが、今回展示品の中に「「行書」、「隷書」「堅絵」「人物」「雙筆(豊国との協同製作」「蔦吉版」などがそれぞれ数点から1点展示されている。中に葛飾北斎のものも1点ある。

 これらを見て感じたのは、以下の通り。
①これだけ描かせるという町民文化の高さを伺わせる。(現在の版画などを考えても、現在より社会の美術レベルは高い。)
②広重は北斎の驚かせるような構図や色使いに反発し、風景をできるだけ自然に描こうとしたそうだが、気持ちが落ち着く構図や色使いである。
⓷今回の作業している人がテーマの絵でも、人は風景に溶け込むように描かれている。北斎は動的に多分描くだろう。
④この中での私のお気に入りは、以下。
 浮世絵展示のほうは写真を撮れないので、チラシから引用した。

 イ)渡し舟の、脛を全景にした構図  
    欧米が浮世絵に憧れた構図の大胆さ



 ロ)客引きの図
    2人の気持ちが欲出た表情


 ハ)はねだの渡し
    風景のような渡し舟の客の集団と物売り、生き生きとしている。


 ニ)人馬宿継ぎの図
  宿場で飛脚、駕籠かきは交代する。
  客や引継ぎ事務のそれぞれの人が、それぞれ自分の存在する役割を絵の中ではたしている。




2.貨幣展示 
 元東海銀行の貨幣展示室を、三菱UFJ銀行が引き継いだもの。日本および世界の貨幣が体系的に並べられている。
 部屋の風景はこのような感じ。



 ミュージアムが特に目玉としてパンフレットに載せているものは次のもの。
   


いろいろと興味深いものが多かった。これらを見ながら以下の事を考えていた。

イ)物々交換から、綺麗な石とか貝殻といった概念的な価値を象徴するものを作って、ものの動きを一気に広げた発想(経済)はすごい。

ロ)金とか銀とかの価値を代表する材料(錆などが生じず変化しないもの)を見つけ出す人間の能力は対したもの。


これは豊臣秀吉の作った小判。

ハ)流通物質が急増する中で、それに対応するように、銅貨などを作りだした。それよりいっそう流通が拡大するのに対応するため、印刷だけで価値を代表させる紙幣を作りだした。これらは大発明だとおもう。
 歴史の中での人口や経済規模と、貨幣の出現の歴史を比較してもいいのではないか。

ニ)貨幣は信用を保証するために、管理者や使用者が本物と分かるように通貨ならちゃんとした重さ、材質、紋様を付けているし、紙幣なら見事な印刷をしている。芸術品のようである。


 津藩の藩札。精巧な印刷だけでなく、スカシも入れている。

ホ)戦争やその後の敗北では、負けた側は保証がなくなるので貨幣価値が急激に下がる。とんでもない桁の貨幣が生まれるが、それに振り回される国民もとんでもない状況となる。戦後のドイツなど、物凄い桁数の硬貨や紙幣を発行している。
 
 これを見るのには、もっと経済学を勉強しておかなければとおもった。


3.街歩きについて
 ここに来た本来の目的は街歩きができるかということで、バスや地下鉄に乗ったり、デパートを歩いたり、繁華街を歩いたりした。
 その結果やはり地下鉄への移動の際の階段がかなりまだ不安定なこと、また街歩きの中でスピードを周りの人に合わせることが出来ないということで、まだまだじっくりと回復を待たねばということがわかった。
 やはり半年以上も杖をついて歩いていると、身体の動きのバランスが崩れている。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 名古屋 東山荘散策 | トップ | 私の手術入院について (そ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術館・博物館 等」カテゴリの最新記事