仁徳天皇陵は世界最大の古墳であり世界遺産に登録される以前から文字通り日本遺産、世界的遺産であることは言うまでもない。
国連の文化的部門を担うユネスコにわざわざお墨付を得るまでもないだろう。と私見ながら思うのである。
ユネスコの世界遺産登録は観光事業で地元が潤う為のお墨付き機関となってしまってはいないか、ということを常々感じる。
遺産とは亡くなった人の財産であり、世界遺産として大々的に個人の遺産を世界に晒すのだ。
皇居を元江戸城との観点から世界遺産登録に積極的に取り組む者もいるが失礼な話である。
仁徳天皇陵の発掘調査は当然のこと、立ち入りさえ頑なに拒んできた宮内庁が軟化した。
保全目的との前提と宮内庁との共同という体制で発掘が解禁されたが、見えざる国連の圧力に屈したと思うのは私だけではあるまい。
仁徳天皇陵が世界最大となった訳に少し触れよう。これは良くエジプトのピラミッドと比較され、その大きさと権力が比例しているとも言われるが、仁徳天皇はエジプトの権力者とは違う点がある。
つまり、ピラミッドが造らされたのに比べ、前方後円墳は出来てしまったのだ。
元々古墳を形成する盛り土は開墾した残土であり、巨大なほど人々の生活が繁栄していた証となる。したがって仁徳天皇期に最も繁栄しそこを仁徳天皇陵と決めたのだ。
古来より天皇は権力者でなく、権威者ということが窺い知れるのである。
世界遺産に登録などされなくても日本の宝として保全していかなければならない日本遺産なのである。
観光目的にしても構わないが、ライトアップや墓掘り、世界遺産登録などしなくても大切に守らなければならない宝であると同時に皇室のお墓であることが分かって頂ければそれで良い。