昨日は、アスベスト肺の診療日。友和クリニックに出かけた。今までに無い数の患者で、腰掛ける余地も無い。少し余裕が出来た頃、顔見知りの女性患者と、話になった。彼女は関西から泊り込みで治療に通っている。
世の中色々な疾病が存在する事を実感させられる女性で、彼女は関西の市役所に勤務する、手話通訳者です。手話通訳は、視覚が捕らえた情報を、頭脳で文字や言語に変換する作業で、その過程で脳に大きな負担がかかります。また、両手の酷使はもちろんです。一時代前、タイピストや、プログラマーが罹患した職病病と同じ症状が発症し、プラス、脳のホルモンバランスが崩れ、日常生活も大変な様子です。広島市役所にも、やはり同様の発症者がいることは、先日の調査で私は知っていましたが、お互いの健康状態の話題の中でアスベストの事が話の中心にとなり、ひと時やり取りしていましたが、突然一人の男性が、話の輪に加わってきて、数年前、佐伯区楽々園の市営住宅につながる、水道本管工事の際、アスベスト水道管を鋳鉄管に取り替えた工事に携わったとの事で、アスベスト管の危険性を今日まで知らなかったそうである。佐伯区楽々園は、広島市にとっては合併町村で、本来広島県佐伯郡五日市町楽々園である。やはり戦後急速に、市外地が拡大した地域で、インフラ整備が間に合わず、予算計上もままならない時期に、安価なアスベスト管での水道事業の拡大が行われたようである。これらのアスベスト管の耐用年数が問題で、早急な対応が広島市に求められている事は事実である。ある学者は、アスベスト水道管の普及に一つの関係が見られそうだとも言っている。アスベストが、水道に混入し、大腸壁を通り腹膜に付着し、腹膜の中皮腫や、大腸癌を発症させているのではないかというのである。けだし、アスベスト水道管の普及と共に大腸癌の発生とが何らかの因果関係が存在しそうであるというのである。いずれにしても、アスベスト水道管が、人体に対しよいはずも無く、早急に国は対応すべきであろうと思う。因みに、アスベスト水道管がもっとも多く使用されている都府県は、東京都である。東京都の、戦後の人口爆発に対し、水道事業は、安価なアスベスト管で対応していった。理由の一つに、大口径の物が作れた事がその理由の一つであるらしい。その時代には、その時代の使用理由が存在するが、人体に危険なものは、早急に東京都は対応すべきであろう。案外こうした事業が、内需拡大に結びつくかもしれない。
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