アメリカでは1981年、「製造物責任法」が施行されるや否や、アスベスト関連会社が訴訟の対象となり、たちまち破産、会社更生法の申請をする事と成った。日本の場合免責事項や、時効が条文の中に存在し、作られた意味の無い企業側に立った物となっている。自民党のオーナーの「企業防衛法」としての性格が強い法律である。そのため企業はアスベスト製品を作り続けて、あたら被害者を増やし続けてきた。ざる法の典型的法律である。
しかし、今回の福島原発事故は、この原発を発注し、設計し、安全を審査した行政下請け機関、またこれを建設製造した企業、つまり「原子力村」と呼ばれる、核開発に群がる行政機関と企業の全ての責任である事は間違いない。
この事犯こそ、「製造物責任法」の対象になるうる事犯であり、被害者はその責任を、法的手段で追及すべきである。 何故その発想が出てこないのか。 普通事故が発生すると、被害者の組織が作られ、その代理として、 弁護士がその集団を指導し、 訴訟となるケースと、弁護士が呼びかけ、被害者が参集するケースが存在するが、今回の場合何れも行動が起きていない。不思議である。
想像するに、今回の事故に関係する「原子力村」と呼ばれる集団は、「広域暴力団」から「一部上場企業」まで含めると1,000社以上に上る。 これらの企業はそれぞれに顧問弁護士を抱えている。すると、弁護士からのアプローチは、期待できない。「原子力村」の企業集団の多くは活動拠点を東京に持っている。東京の弁護士はまず手を出す事はない。ではどうするか、国会集辺でのデモ参加者に、集団訴訟の援助を呼びかける事が最初の一歩になるように思う。
続いて、「原子力村」関連企業以外の企業の、放射能被害企業の労働組合が中心となって、まず一次原告団を組織すべきである。一方企業主も商工会議所を抜きにして被害者団体を組織すべきである。中央、地方を問わず、商工会議所は電力会社の金銭的援助で成り立っている。また、地方自治体も事ある毎に、電力会社からの、運営協力感謝金なるもので、縛られているから、協力は望めない。電柱を立てようとすると、個人の土地に建てると、交渉から契約迄でかかる期間が長くかかるが、町道などであれば短期間で交渉が済むし、窓口が一箇所で済む。こうした事を理由に、電力会社は、地方行政の後援者として莫大な資金を使い、その付けを消費者に回していることに気づく人はまず居ない。
私は20数年前、ある町の庁舎立替工事に関してその実態を知った。まず立替工事が、町議会で議決されると、電力会社から協力金が寄付される。寄付の条件は、立替工事の設計を傘下の設計事務所にさせる。続いて工事はその地方出身者の国会議員の中で最も力のある議員または、電力株を持っている議員の推薦する建設会社という構図が現在も続いている。
北海道知事選挙の時、経済通産省出身の現知事応援のため、東京電力の会議室には、原発建設、ダム建設、社屋建設を過去に一度でも請け負った企業が呼び集められ、全国の親類縁者から北海道に居住する人間の名簿集めがなされた。大手建設業と取引があった私も協力させられた。広島の地までも、北海道知事選挙が飛びしてきた。今考えると、北海道の原発推進の為には、経済通産省出身の知事を置くのが最短の方法である事に違いない。
まだまだ不思議な現象が、北海道には始まっている。北海道新幹線である。
現在ある海底トンネルでは何故いけないのか。答えは簡単に導けた。北海道で原発を稼動させれば、電力は余る。余ればよそに運ぶ。運ぶには方法が必要である。海底ケーブル?そうはいかない。津軽海峡は日本有数の漁場である。海底ケーブルが網やその多で切断される危険性があるし、原発で発電した容量の大きな電力を海底ケーブルで送電されると、どの様な二次被害が発生するか想像がつかない。そこで海底トンネルが必要になる。おそらく地元に対しては、新幹線のみが説明され、その他の機能は説明されてはいないはずである。その名目は「テロ対策」。
しかし、遠く離れた広島からのほうが良く見えることがある。
原発立地条件とは、大きな経済圏から見捨てられた地域、と思っていい。後は皆さんで検証してみてください。 泊村はどうですか。
脱原発は、案外近いかもしれない。「製造物責任法」裁判で、その責任を問われた時、「原子力村」は、必ず崩壊する。