『母の待つ里』 浅田次郎著 新潮文庫
40年ぶりに帰るふる里で待っていたのは初めて会う母だった。
大企業の社長として孤独を抱える松永徹
定年と同時に妻から離婚を告げられた室田精一。
親を看取ったばかりのベテラン女医、古賀夏生。
人生に疲れた三人が選んだのは「里帰り」だった。
囲炉裏端に並ぶ手料理や不思議な昔話。
偽りの母と過ごす時間が三人を少しづつ変えてゆく。
疑似体験の母と故郷
昨夜、NHK BSで放送されたドラマは、偶然にも同名の作品。
出演する一流の俳優たち、
中井貴一、佐々木蔵之介、松嶋菜々子、そして宮本信子。
東北の方言を使う母親の意図を完全に理解するのは少し難しかった。
彼女の言葉はその土地の言葉で、彼女がどれほど努力したかが伝わったが。
人生のたそがれ時には人は、ふる里を恋うのだろう。
例えそれが疑似体験であろうとも。
「故郷とは、土地ではなく人々かもしれません。
私たちは土地へではなく、人々のもとへ帰るのだと感じました。」
中井の演じた偽りの母を追い求める心情からの言葉
文字であれば読み返して理解できるのに対し、
テレビでは一度発せられた言葉は取り戻せない。
感情移入の度合いにもよるが、
やはり文字の持つ力は計り知れない。
第2弾は来週に
こちらのドラマ… 観たいなぁ!と思ったのですが、BSなんですよね。
残念ながら、我が家は、BSには加入しておらず…。😓
浅田次郎さんの書く文章は、学の無い私も好きで、惹かれるものがあります。😊
一見、悲しみが漂うのですが、最終的には、人の心の奥の方にある、秘められた温かさを感じるというか…。
人間って、良いなぁ…と思うんですよね。
(人様のブログで、主観を語ってしまって、ごめんなさいっ!)
こちらで、コメントを書かせて頂けたことに感謝です。
ありがとうございました。😊💕
私も読み、とても心を動かされました。
浅田次郎の小説は失われた家族を求めるちょっとSFぽい小説が多く、全部好きです。
特にこの小説は切ない。
最後に解る「里の母」の事情や気持ちも。
ドラマもよかったですが、この場合は小説が素晴らしいから小説は越えられなかったですね。
同じ浅田次郎フアンとして嬉しく思いました。
書店でも必ず浅田さんの新刊が出ていないか、
確かめています。
文章がとても解りやすいこと、時々フッと笑わせられること、底にはいつも暖かい血が流れていることに感動してしまいます!!
コメントありがとうございました。
沙羅さんも小説もTVもご覧になったのですね。
やはり同じ考えでよかった!!
俳優陣がベテランさんだったので、期待したのですが、小説に軍配あり!でしたね。
★偽りの息子(こ)の名刺胸に旅立ちぬ母も寂しき一世であったか 夕庵
ありがとうございました