モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

フェルメール(Vermeer)とその時代のオランダ その4

2007-11-04 05:34:21 | フェルメール
その4:リアリズムを支えた技術 カメラ・オブスキュラ(camera obscura、camerae obscurae)

ローマの時代は、あらゆること、あらゆる領域で
近代社会のグローバルスタンダードを創った。
と思う。
この根本は、現実を見つめ、これをどう改善・改革していくかという
今で言う“Research makes difference”が出来ていたと思う。

この現実を観察し、推論し、実験・体系化して、発表する。
一連の流れが、キリスト教が普及し支配した中世には、
前にも横にも進まなかったようだ。

地上から根は見ることが出来ないが、掘ってみるとわかるはずだが、
根に足が生えている植物図鑑が発刊されるなど
今考えれば、信じられないことが、科学の世界でもあった。
これは、科学というよりもイデオロギーの世界だ。

レオナルド・ダ・ヴィンチが活躍したルネッサンスは、
ローマの時代に戻ろう! という復興運動でもあったと思う。
これは、言い換えると、リアリズムへの復権でもあった。

“Research makes difference”(≒調査・研究すれば違いが見えてくる)は、
社会人としての行動基本原則でもあると思うが、
科学の世界では、こんなルールになる。
「最も新しい発見は、最も古いものである。」
わからないことが多いのは、宇宙、深海、人間の遺伝子などなどであり
次に発見されることは、いままでの発見の中で最も古いものだ。
まだまだ調査研究するテーマがあるということを、謙虚に知っておくということだろうか?

15世紀に遠近法が発見され、
ダ・ヴィンチは、“実践は強固な理論のもとでのみ構築される。”と
遠近法について述べていることを前回紹介したが、

遠近法は、現実を再現するリアリズムの理論であり、この理論を生かす道具が必要だ。
カメラ・オブスキュラ(camera obscura)がこれにあたる。
カメラ・オブスキュラは、遠近法の理論に基づき、現実を写実・再現する道具だ。

小学生の雑誌・漫画雑誌などに、ピンフォールカメラの付録があった。
ボール紙で箱を組み立て暗室を作り、真ん中の穴から光を取り込み
外界の絵を感光紙に写す。
カメラ・オブスキュラは、これと同じ原理で、暗室の中に外界を取り込む。
17世紀には、暗室に取り込んだ外界の像を手書き複写できる装置も開発された。

乃木坂にある国立新美術館で展示されている、
17世紀オランダの風俗画は、微細なところまでも写実的に描かれている。
まるで、写真を見ているような感覚に陥る。

このような絵画は、カメラ・オブスキュラがあって精緻な写実が可能となる。

フェルメールの『牛乳を注ぐ女』も、ダ・ヴィンチ同様に、
消失点に釘をうち、糸を張って描いた痕跡が発見されている。
また、カメラ・オブスキュラを使い絵を描いていると指摘もされている。

(写真)フェルメールの部屋とカメラ・オブスキュラの位置

出典:Vermeer and the Camera Obscura by Philip steadman

フェルメールの絵画は、彼のアトリエで書かれた絵が多く、
左手が窓、奥にモデル、手前にフェルメールの目線という構図で描かれる。
そして、カメラ・オブスキュラが置かれたとした場合の位置があり、
『兵士と笑う娘』の壁にかけられている地図は、1620年に出版されたもので、
カメラで撮らなければ描きにくい正確さで描かれている。

また、『赤い帽子の女』(サイズ22.8×18cm)など数点が、
典型的な箱型カメラのスクリーンのサイズでなぞられたように描かれている。

フェルメールがカメラ・オブスキュラを使い絵を描いていたという証拠はないが、
絵自体に、使ったと思われる痕跡がある。
17世紀オランダ風俗画は、
遠近法、カメラ・オブスキュラによって支えられた
写実性・リアリズムを主張する新しい知の時代を創った。


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ヤマボウシの紅葉

2007-11-03 18:27:30 | その他のハーブ
やっと目が覚めてきました。
朝まで飲むとつらくなりました・・・・・・・
今日は庭の秋 紅葉です。



庭のヤマボウシが紅葉した。

ヤマボウシは、年3回楽しめる。

春先は、若葉が木々のあちらこちらに咲き、季節到来を告げる。

夏場の薄緑色の葉も美しく、

突然の雷雨で濡れた葉が、

雨上がりの太陽でキラキラ輝く様相は、眺めていても飽きない。

10月中旬からは、紅葉し始め、夕焼け時の紅葉は燃えるようだ。

紅葉後は、若葉の時期まで、ライトアップの舞台となり、

枯れ木に光の花が咲く。

やはり、広葉樹、落葉樹はいいですね。
1年中緑の針葉樹、マキなどは飽きてくるし、土壌が劣化していくのが気になります。

ヤマボウシ
・ミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木。
・丈は5~10メートルと高く成長するが、5~6メートル程度に抑えている。
・開花期は、6~7月頃。薄い黄色の花を、4枚からなる大柄の白い包(ほう)が包む感じで咲く。
包が花のように見える。
・9月頃に、直径1cmぐらいのサッカーボウルのような球状でオレンジ色をした果実がなる。
・ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)が近縁だが、葉はヤマボウシのほうが美しい。
・水はけがよい湿り気がある土壌が適しており、夏場に乾燥させない。
水が不足すると葉の周縁が枯れ葉状になる。
・剪定は、紅葉後の11月頃行う。膨らんだ花芽を残し、膨らんでいない葉芽を切り落とす。

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清楚なスイートバイオレット(Sweet violet)・ニオイスミレ

2007-11-02 06:27:36 | その他のハーブ



甘い芳香があるスイートバイオレット。
和名はニオイスミレ(匂いスミレ)。
開花期は、12月から春だが、11月に咲き始めた。

スイートバイオレットは、様々な花色があるが、
我が家のは、純日本風のすみれ色で、
薄い紫が入った花弁に 
濃紺の線状があごひげのようにくっきりと浮き上がっている。

清楚なイメージが良く似合う花だが、
古代ギリシア時代から 芳香をとるハーブとして珍重されており、
ラベンダー、ばらと並ぶ香水の代表的な原料だ。

耐寒性が強いので、戸外で雪にあっても大丈夫だが、
夏場は比較的弱いようだ。
水切れに注意し、半日陰で育てると良い。

ハート型の葉が特色で、ランナーで増える。
花は、砂糖漬けにして菓子の飾りなどに使うが、根には毒性があるので、口にしない。

スイートバイオレット(Sweet violet)ニオイスミレ
・スミレ科スミレ属の多年草。
・学名は、ビオラ・オドラータ(Viola odorata) 。英名はスイートバイオレット(Sweet violet)。和名がニオイスミレ。
・原産地はヨーロッパ、アフリカ北部、アジア西部。
・耐寒性は強いが、耐暑性はあまり強くないので半日陰が良い。
・開花期は、11月~4月。花の色は、薄紫の花だが、赤紫、白、ピンクなどがある。
・草丈は10cm程度で横に広がる。
・土壌はやや湿り気で肥沃な土が良い。

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ノーブルな紫の花。 シコンノボタン(紫紺野牡丹、Brazilian glory bush )

2007-11-01 08:29:20 | その他のハーブ



シコンノボタンは、野に咲く紫紺色の牡丹と書くが
ノーブルで大きめの紫の花。
短い毛のある柔らかそうな楕円形の葉。
が魅力的だ。

花は一日で咲き終わり、
朝起きてみる、紫の花弁が散らばっている様は
情緒に満ちている。

おしべとおしべの先がくもの足に似ているので、
スパイダーフラワーとの別名があるが
違和感なく気品を保っている。

常緑ということだが、部分的にオレンジ色に紅葉し始めたので、
昨日から、室内に取りこんだ。
紫の花、オレンジ色のビロードの葉、緑色の葉の
コンビネーションが楽しめている。





「シコンノボタン(紫紺野牡丹、Tibouchina urvilleana)」

・ノボタン科ティボウキナ属の常緑低木だが、冬場は葉が紅葉する。
・学名は、Tibouchina urvilleana 。英名は、Brazilian glory bush。別名スパイダーフラワー。
・原産地は、ブラジルなどの中南米。
・丈は1~3メートル。風に弱いので支柱で補強。鉢植えの場合は、剪定しつめる。
剪定時期は4~5月頃。
・開花期は8月~10月。一日花だが毎日次から次へと花を咲かせる。
・乾燥を嫌うので、乾いたらたっぷりと水をあげる。但し、冬場は乾燥気味に育てる。
・終わった花は摘み取る。花が終わった11月頃に、思いっきり刈り込み室内に取り込む。


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