先月・・知人に見せてもらった、種不明のゴンドウクジラ類の歯。
歯の成長線による年齢測定について踏み込んだ説明も受けたものの、基本的な知識が足りず・・
覚えているのは、断面の手触りの違いは薬剤処理の有無だということくらい。
(この知人には大変にお世話になっているので・・・)自分なりに調べてみました。
樹木の切株や魚の鱗に見られる年輪のような成長線が歯で観察できるのは限られた動物だけ。
鯨類では「数十種の歯鯨類のなかで年齢が解析された種は僅か・・・」
by「野生哺乳類の年齢を知る ―方法と意義」©日本哺乳類学会 哺乳類科学 55(1):89-91,2015
歯牙の年輪は、動物の季節的な食生活の変化に起因する可能性が高く、野生動物には年輪が形成されるが、飼料を管理ざれ年間を通して同じ食料を食べている家畜動物には形成されない可能性が高い。
by「動物遺体の死亡年齢および季節の査定」中川毅人 熊本大学社会文化研究, 6: 255-265
ちなみに知人の研究によると・・・
・終生象牙質の形成が行われる種の歯には年輪が形成される。
・彎曲が強く脱灰切片標本上で観察が困難な歯や、資料的に価値の高い歯でもマイクロCTなら観察が可能。
・更に・・反射電子組成(COMPO)像を確認すると、生化学的な成分差が確認できる?
⇒ 次会った際には、どのような違いかを少し踏み込んで聞いてみようと思う。
(かなり本格的な機器を使用していたのですね・・・)
参考だけですが・・・第一人者の東京海洋大学の加藤秀弘教授の鯨類学研究室のHPは、素晴らしく簡潔にまとめられてますね・・
年齢測定可能とされるマッコウクジラ・・・昨年の科博での大哺乳類展2
下あごの歯は擦り減るので、正しい年齢測定には、歯茎の中に埋もれている上あごの歯を使うと書かれていた。
名古屋港水族館のシャチの歯の展示。
オキゴンドウは、「False killer whale」と言われるだけあって、歯も似ている。
科博の写真を振り返ると・・・調べたいこととは別の解説を読みふけってしまい、時間がすごくかかります。。
サンゴに関する解説の「ルリツボムシ」という、フジツボのような生き物が気になり、調べてみると・・
先のうみうし通信バックナンバーNo.72に詳しく紹介されていたりしたのでした。。
それにしても、サンゴとの多様な生き物との共生は凄いですね・・・
ヘドロの中にかろうじて生き物が・・という感じのポツンと干潟とは別世界です。。(泣)
サンゴ礁の海へ行きたい・・・
以上、何だかボヤキ日記で失礼しました。。