やっと処理水の放出がはじまりました。 何年も前から先延ばしにしてきて溜まりに溜まってやっと放出です。
大体、放出基準よりも低ければ放出して構わないはずですが、今回の放出は安全基準の1/40だそうです。 こんなもの、誰に断ることもなく放出できるはずです。 例えば、車で言えば60km/hの制限速度の道を、それ以下の速度で走るのに何の問題もない。 それどころか1/40なので 1.5km/hで走ってもいいですか? だめだ、反対! という人がいる。
じゃあどうすれば良いのかという代案もない。 事故が起こって処理水が溜まっているのは事実で、これを国として何とかしなければならない。 この時に国会議員なら皆で協力して対策する案を出して実行するのが、国を運営するために議員になった人の役目だと思うんですが、。 反対する議員はよっぽど良い解決策を持っているんでしょうね。それなら言え!
実は科学的に安全と言って理解できる人は良いのですが、理解できないどころか、知っていて反対する人がいる。 多分メディアがそうだろうけれど、それに乗ってしまう人がいる。 だから、安全という基準をクリアしても、安心という心理的なものをクリアするには、理屈ではない世界に入るので難しい。
というような、政治的なことはよくわからないので置いておいて、放射線に関していうと、物理、理学など放射線を知っていても、案外医学的な影響に詳しくないことが多い。 理屈では放射線を浴びるとDNAに異常をきたして良くないことが起こる、これは事実なのだが、それがどうした、DNAの損傷など、放射線に関係なく日常茶判事に起こっている。 生物はえらいもので、DNAが損傷したら修復機能があるんです。 ちなみに人体にあるDNAの量を知っていますか? 私もわからないが細胞の数だけはあるはずで、どえらい量ある、そのわずかな損傷にたいして体全体で守る方向に働くはずです。
でも、原爆のように物凄い線量を浴びたら、大変なことになる。 それは爆弾だから人を殺すようにできているので、放射線の影響よりも爆発の威力と熱で、一気に死亡してしまう。 放射線の影響はその時に亡くならなかった人に影響が出てくるのですが、大量被曝の際には外観的には火傷と同じような症状になります。 少しなら赤くなり、大量なら焼け爛れたようになる。 その記憶があるからだろうが、今、言っている放射線被曝は原爆などとは桁違いに少ない、いや桁違いを何度も言うほど少ない量の話です。
赤くなるような線量など、一般生活で経験しようがない。 一番被曝するのは放射線検査で、CTなどではまあまあ被曝するが、それで問題になる程の影響は見たことがないし、まして、福島での被曝などそれよりはるかに低い。
人体について考えてみると、体重60kgの人で4000ベクレル(bq )ぐらいの放射性物質が体内にある。 これは骨や筋肉など人体を形成する原子に放射性がある同位体が含まれているためで、当然であるが、人以外、あらゆる生き物、植物にもある、犬や猫でも。
だから、人が100人集まれば、400,000bq の放射性物質があるのと同じで、10万人集まれば4000の10万倍、4億bqの放射性物質があるのと同じだ。 10万人の集会に行って、なにか放射線の影響がありましたか?
さて、トリチウムだが、三重水素なので、普通の水の中に必ず含まれている。 わずかですけれど。
では人体ではどうかというと4000bq のうち100bqぐらいトリチウムが含まれているそうです。
放出反対、トリチウム怖〜い と言っている人の体の中にも100ベクレルのトリチウムがあるのですが、どう思いますか?
私が言いたいのは、放射線は体に悪い、影響が残るとか言われていますが、それは事実といえば事実ですが、その影響はものすごく少ない。 これは理屈ではなくて、現実を見てほしい。 今までに放射線被曝で何かなった人を見たことがありますか? 原爆は別です。 あれは殺人兵器ですから、原爆に限らず、普通の爆弾でも銃でも打たれれば死にます。
その、原爆でさえも被曝した人たちは皆亡くなっていますか? 近所に長崎で被曝した人がいますが、90代で時々話をするほど、普通のお年寄りです。 もちろん原爆で被曝した人で後遺症に悩まされれいるかたもいるでしょうが、交通事故、その他いろいろな事故、病気でも後遺症で悩まされることは多々あることで、放射線だけに限ったことではありません。
放射線を浴びると、子供ができなくなるとか言われていました。 奇形ができるとも言われていました。
私が放射線技師になった時に高校の同級生たちから、何で被曝するような仕事をするんや、寿命は短くなるし子供もできなくなるのに、と。 もう、60年近く前の話ですが、いまだにこう思っている人もいるようです。
子供ができなくなるとか、奇形ができるかもしれないということで、放射線検査では女性の腹部にできるだけ放射線が当たらないように鉛でプロテクトしていました。 私などもそれは一所懸命やったのです。 こういうことは安全を見越して、その事実があるないに関わらずやってきたのです。
ところが、最近欧米では、広島長崎の原爆をはじめ、各国のすごい数の原爆実験やその他の放射線事故でも、遺伝に影響がある事例は一度も認められていない。 すなわち、何も影響ないと結論づけられました。 そこで、欧米では女性の放射線検査で腹部のプロテクターをしないようにしているそうです。 プロテクターがあるとその部分が写らないので、もしそこに病変があったら見逃してしまう。 過剰防御は良くないということです。
これを、日本で行うかどうかです。 関係学会の理事に聞くと、基本的にはプロテクターなしでの方向に行きたいが、過剰な安全神話、放射線を怖がる日本では簡単には行かないだろう。 長年かけて国民感情を変えてゆく必要があるとのことでした。
いや、本当に放射線怖いと言っている人が多いのですが、現実に放射線の影響で何かあった人を見たことがありますか。 今言われているような低線量では人体に影響がない、人間はそれほど放射線には弱くないのです。
なんでも反対運動する人のネタに放射線が使われているように感じるのです。 もちろんそこには、補償などの損得関係もあるでしょう。 本当に怖いと思っている人は、自分の体に中に4000ベクレルあるんだと思って、それしき何の影響もないことを感じてください。 皆がわかってくれば、放射線をネタに反対することが、恥ずかしいことが浸透してくると思います。
放射線は見えないから怖い! :いやいや、世界中どこにでも電波と同じように放射線があるので、もしも見えたら恐ろしくて歩けないでしょう。 携帯の電波だって見えたら恐ろしくて電車の中で携帯を見るなど怖くてできないでしょう。
影響が見えないから怖い! : いやいや影響が現れるほど浴びないから影響はないので見えないんです。 本当の大量被曝をすれば火傷と一緒で一見してわかります。 でも、どこに行ったらそんなに大量被曝ができるの?
とりあえず、トリチウムを放出できてよかった、でなければ、福島県全体が処理水置き場になってしまうところでした。
怖い怖いで、後送りするよりも、前向きに生きましょうよ。