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城西大学水田記念博物館・大石化石ギャラリー

分子生物学者の大石道夫先生が長年かけて収集されたブラジルやレバノンなどの化石コレクションを寄贈されたものに、城西大学と姉妹校である中国の瀋陽師範大学・遼寧古生物学博物館からの寄贈品を加えて展示している。大石道夫先生のご尊父、大石三郎先生は有名な古植物学者で日本・中国・朝鮮半島・樺太など東アジアの植物化石について集大成する業績を残されたそうである。大石道夫先生も米国在住時、学会で訪れたブラジルの市場で化石に魅せられ、以来コレクションに至ったという。

大石コレクションは、立体化石で有名なブラジルのサンタナ層やレバノンのサニー層(白亜紀)の魚類・水生生物化石が中心で、展示室の壁と床を活用して美しく展示されている。魚類の知識がないので紹介できないが、化石魚類の好きな人なら楽しめるだろう。アクセルロディクティスなどシーラカンス類もある。ワニやカメ、昆虫などもいる。

恐竜は、遼寧古生物学博物館から寄贈されたアンキオルニス、ミクロラプトル、ユーティランヌスのレプリカがいる。



ギャラリーの外、建物のエントランスにいきなりユーティランヌスがいる。こんにちはー。寄贈された時には命名されていなかったようで、ティラノサウルス類としか書かれていない(Tyrannosauroidea gen. et sp. indet)。しかしその後、記載/命名されたのだから、説明のプレートも更新してほしいところである。「大型肉食恐竜としては初めて、全身に羽毛の痕跡が発見され、大きな話題となった。」かなんか書いた方が、大学としてもアピールできるでしょう。

「恐竜王国2012」では一頭がジャンプして一頭が仰向けだったので、普通の姿勢で見られるのはありがたい。しかし胸部の肋骨が短いような。。。後方の腹部あたりの肋骨が長い?そのせいか肩帯の位置が高すぎる。



この復元キャストについては昨年いろいろ不満を述べたが、詳細に研究される以前に作成されたものということだろう。恐竜ファンたるもの、どこが正確でどこが不正確か、見抜く目力(いわば「復元骨格リテラシー」)を持ちたいものである。鼻骨のライン、鼻骨側面の窪み、前上顎骨の短さ、上顎骨の前眼窩窩の腹側縁の稜などは正確にみえる。



四肢の骨の長さの比率などはさすがに測定して作っているだろうから、バランスを参考にはできると思われる。やはり中足骨が短めでアロサウロイドのような体格である。



最古の羽毛恐竜、アンキオルニスがこんな所に。ミクロラプトルもいる。



翼竜アンハングエラの頭骨と下顎も。

化石や絵はがきなどのおみやげも買えます。入場無料なので、都心のど真ん中で化石を眺められる貴重なスポットとして、気軽に立ち寄るにはいいかも。





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