毎年さまざま登場する空力アイテムには、TV中継の画面等では外観上わかりにくいものの方が多い。昨年のマルチ・ディフューザーなどは外観で識別するのはほとんど不可能で、実際の構造はボク自身いまだに理解できていない。その一方で、外観上に大きな特徴があるアイテムもたくさんある。
今季のトレンドのひとつになったのが、マクラーレンが採用した「Fダクト(ストール・ウィング)」。ドーサルフィンからリアウィングに通じるダクトを設けて、リアウィング後方から空気を抜く構造になっているようだ。ドライバーの任意でダクトへの空気を制御できる仕組みで、ストレートとコーナーの速さを両立できるデバイスになっている
イタリアGPでは、そのマクラーレンのJ.バトンのリアウィングがひときわ目立っていた。高速サーキットのモンツァでは、例年面積の小さな軽いリアウィングが普通であるが、J.バトンのリアウィングは面積が大きくVodafoneのロゴがはっきりと見えて異彩を放っていた。予選2位を奪い、決勝途中までレースをリードし続けた。このFダクト、見た目で分かりやすいし面白いデバイスだと思うので、来季禁止になってしまうのは残念。
マクラーレンとフェラーリの陰に隠れ目立たなかった首位レッドブル。コースとのマッチングの問題か? 次戦は、シンガポール市街地ナイトレース。