帆翔45号
2009-08-12 | 詩
同人誌『帆翔』45号が届きました。前号の発行からだいぶ経っていますが、同人も減り、気の置けない仲間しか残っていないので、あくせくせずのんびり発行している由。
なにしろ編集長の岩井さんは昭和3年のお生まれ。体調と相談しながら、編集作業を進めているようです。
今号に掲載した私の詩を読んで、昭和4年生まれだかの大先輩の女流詩人の方から、「石原吉郎の詩みたいで、よかったわよ」と電話があり、ちょっと嬉しかった。
輪ゴム
ささやかな夕餉の
総菜のパックを止めている輪ゴムが
人差し指にぶら下がっている
あくまでも輪ゴムは
無口なのだけど
わたしは その在り方に
小さく感動していた
使われて 使われて
カサカサになって切れるまで
小さなひとつの輪であろうとする
意志を全うする在り方
確かに
伸び切った輪ゴムはだらしない
それでも
ひとつの輪であることには違いない
輪ゴムはいつまでも
輪でなくてはならないのだ
自由に伸び縮みする心
こう在り続けようとする意志
カサカサになって切れるまで
輪ゴムの在り方を生きたい