小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

犬舎かと思ったら

2010-11-01 | 旅先でのお話
 北海道勇払郡安平町にある金川牧場を訪ねると、和牛の放牧地の奥にかなり大きめの犬舎がいくつも見えた。
 が、犬舎の入口にかけられているカーテンをかき分けるように顔を出したのは、ホルスタインの仔牛だった。

 パッチリとした可愛いお目目でこちらを見ている。人が近づくとミルクをもらえると思って、顔を出すのだな。

 

 これは「カーフハッチ」と呼ばれる保育牛舎。
 生まれてすぐに仔牛を母牛から離し、生後2~3カ月になるまでカーフハッチで育てるのだそうだ。
 日本では子牛は母牛のそばで、ほかの牛とも一緒に、暖かい牛舎内で育てられるのが一般的で、仔牛をすぐに母牛から離すのは可哀想だとみんな思っているという。私もそう思っていた。

 けれど、金川牧場のオーナーである金川幹司さんは若い頃、アメリカで酪農を学び、このカーフハッチを採用したアメリカ式の飼育法をいち早く導入した。

 生まれたばかりの仔牛は抵抗力が弱いため下痢や肺炎などにかかりやすいので、1頭が病気になれば簡単にほかの仔牛に感染してしまう。それを避けるためと、より抵抗力のある体を作るために、真冬でも野外に設置したカーフハッチで飼育するのだそうだ。

 もーちゃんたちも寒くて大変かもしれないけれど、世話をする牧場スタッフだって大変だ。雪の中で一日に何度かミルクをやらなくてはいけないだろうし、小屋の掃除もしなくてはならない。

 カナダやアメリカなどの、耳やしっぽが凍傷になるくらいの厳寒の地でも、仔牛をこの方法で飼育しているらしい。たとえ耳やしっぽが凍傷になったとしても抵抗力がつき、薬いらずで質の高いミルクを出す牛になるんだって。

 それにしても、仔牛の顔って、可愛いなあ。
コメント
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