昨年、カヤにピヨピヨ鳴るアヒルのおもちゃを買ってあげたところ、くわえて振り回したり、かじったり、ものすごく反応して、見ていてもとても楽しそうに独り遊びをしていた。
汚れては洗ってやっていたのだけど、私がピヨピヨ鳴らしてやるたびにひったくるようにくわえてかじり倒すため、とうとうアヒルのくちばしは裂け、ピヨピヨの音も鳴らなくなってしまったのだった。
そこで、お年玉代わりに新しいピヨピヨおもちゃを買ってあげた。すると、もう音の鳴らないアヒルのおもちゃには目もくれず(見えないから目のくれようもないけど)、新しいワンコのピヨピヨを鳴らすそばからひったくり、格闘していた。
なぜか犬は、あの「ピヨピヨ音」が好きなのよね。
トチたちの子犬時代は脚側歩行の練習をさせるときや注意を向けたいとき、何かできたときのご褒美の遊びとしても、よく活用したものだ。
カヤは失明してしまったけれど、おもちゃで遊ぶことを楽しめるようになって、本当によかった。
犬や猫がボールやおもちゃで遊んでいる姿は微笑ましい。子どもだってそうだ。
犬や猫が惨い状態に置かれているのも哀しいけれど、子どもたちが子どもらしくのびのびと遊ぶことができない状況に置かれているのも哀しい。内戦や民族紛争、災害によってたくさんの子どもたちが亡くなり、傷つき、飢えている。
それでも武器を作って儲けようとする大人たち。爆弾の代わりに食べ物やお菓子やおもちゃをバラ撒いてあげてほしいよ。ピヨピヨ鳴らしながら、そんなことも思ったのでした。