ボッチは、引き取って以降、犬たちに慣れると
あちこちを駆け回り、好きな所で盛大に爪を研いだ。
これまで飼ってきた猫たちは、
与えられた猫用の爪研ぎで満足していたらしく、
部屋中をボロボロにされた記憶がない。
なのにボッチは、壁だろうが、ソファーだろうが、
ふすまだろうが、ところかまわず爪を研いだ。
あれよあれよと、みすぼらしい室内になっていき、
ボッチが来てから一度ソファーを買い替えたのだけど、
新品のソファーでも、見ていないと爪を立てた。
「あああ、こら、ボッチィ!まだローンが終わってないのにぃ!」
と叫ぶと、私のほうを振り向いて、
何食わぬ顔で「ニャッ!」と言いながら走り去っていく。
そんなことを繰り返しているうちに、こんなことに……。


あらゆる素材、あらゆる形状の爪研ぎを買い与えたのに、
ふりかけたマタタビの粉を舐め終わると、
猫用の爪研ぎには飽きてしまうらしい。
どうせ、犬たちがほじった床もボロなんだし、
「もう、いい! うちには客人は呼ばない!」
と半ば投げやりになり、ソファーの買い替えは諦めていた。
ところが、ボッチが突然逝ってしまい、
ボロボロのソファーだけが残った。むなしい。
(もちろん壁もふすまも、ボロボロのままだ、さらにむなしい)
ああ、どうしようかなあ、このソファー、
ボッチがいなくなったからって、すぐに買い替えてしまうのは、
なんか冷たいんじゃないかと思ったりして……。
でも、もうボッチが逝って半年以上経っているしなあ。
あれこれ迷ったけれど、結局、買い替えることにした。
カヤが体で覚えた感覚を重視して、
これまでのソファーと同じくらいの座面高のもので、
カヤの枕代わりになる肘置きがあるものを選んで注文した。
搬入しやすいように分割式にしたので、
ひとりで大汗をかきながら組み立てた。
すると、カヤにとっては、やはり
「どうも匂いが違う」し「感触も違う」らしく、しばらくまごついていた。
鼻で高さを測りながら、飛び乗っていいものやら、考えている。
降りるときも、素材の感触が違うからか、
ものすごく慎重に前足を出して、床に降りていた。
カヤにとっては使い慣れたものが、
私たちよりはるかに安心できるものなんだなあ。
今はすっかり慣れた様子。

楽しい夢でも見ているのかな。しあわせそう…
あちこちを駆け回り、好きな所で盛大に爪を研いだ。
これまで飼ってきた猫たちは、
与えられた猫用の爪研ぎで満足していたらしく、
部屋中をボロボロにされた記憶がない。
なのにボッチは、壁だろうが、ソファーだろうが、
ふすまだろうが、ところかまわず爪を研いだ。
あれよあれよと、みすぼらしい室内になっていき、
ボッチが来てから一度ソファーを買い替えたのだけど、
新品のソファーでも、見ていないと爪を立てた。
「あああ、こら、ボッチィ!まだローンが終わってないのにぃ!」
と叫ぶと、私のほうを振り向いて、
何食わぬ顔で「ニャッ!」と言いながら走り去っていく。
そんなことを繰り返しているうちに、こんなことに……。


あらゆる素材、あらゆる形状の爪研ぎを買い与えたのに、
ふりかけたマタタビの粉を舐め終わると、
猫用の爪研ぎには飽きてしまうらしい。
どうせ、犬たちがほじった床もボロなんだし、
「もう、いい! うちには客人は呼ばない!」
と半ば投げやりになり、ソファーの買い替えは諦めていた。
ところが、ボッチが突然逝ってしまい、
ボロボロのソファーだけが残った。むなしい。
(もちろん壁もふすまも、ボロボロのままだ、さらにむなしい)
ああ、どうしようかなあ、このソファー、
ボッチがいなくなったからって、すぐに買い替えてしまうのは、
なんか冷たいんじゃないかと思ったりして……。
でも、もうボッチが逝って半年以上経っているしなあ。
あれこれ迷ったけれど、結局、買い替えることにした。
カヤが体で覚えた感覚を重視して、
これまでのソファーと同じくらいの座面高のもので、
カヤの枕代わりになる肘置きがあるものを選んで注文した。
搬入しやすいように分割式にしたので、
ひとりで大汗をかきながら組み立てた。
すると、カヤにとっては、やはり
「どうも匂いが違う」し「感触も違う」らしく、しばらくまごついていた。
鼻で高さを測りながら、飛び乗っていいものやら、考えている。
降りるときも、素材の感触が違うからか、
ものすごく慎重に前足を出して、床に降りていた。
カヤにとっては使い慣れたものが、
私たちよりはるかに安心できるものなんだなあ。
今はすっかり慣れた様子。

楽しい夢でも見ているのかな。しあわせそう…