6月19日朝9時過ぎ、妹が仕事に出る前に立ち寄って、
見舞ってくれた時、カヤは急に茶色い液体を嘔吐した。
朝、少し「ペットスエット」というサポート飲料を飲んだのだけど、
本当はもう、いらなかったのかもしれないなあ。
それから30分くらい経った頃、カヤは逝った。
とうとうカヤの意識も去っていったのだった。
変な言い方だけど、本当にもう体は屍のようで、
死んでいるような状態だったのだもの。
クンクン鳴くときだけ見開いたけど、目には生気がなく、
首だけじゃなく、あらゆるところに力がなくて、
ぶらん、ぶらんしていた。
意識だけが生きていた感じだった。
意識だけが、家庭犬の最後を味わっていたという感じだった。
悪徳ブリーダーの犬舎で、手厚い看護もなく、
見放されたかのように逝くのではなく、
飼い主を心配させながら、家庭犬として旅立ったカヤ。
それだけは、よかったと思う。
ペットの犬というのは、そうして逝くものなんだよ、カヤ。
固有の名前を呼ばれて、抱きしめられて、
惜しまれて、惜しまれて、惜しまれて……。
カヤ、お前が命を削って産んだ子犬たちも、
可愛がられて、そうして天寿をまっとうできていたら、いいね。
息を引き取ると、再び大量に茶色い液体を吐いたので慌てた。
一生懸命ふき取って、洗って、乾かして、
全身をとかしてあげたら、とってもきれいになった。
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ただちょっと足を動かしたら、どちらの足か分からないけど、
ポキッと音がした。骨を折ってしまった?
それもそのはず、火葬が終わったカヤの骨といったら、
スカスカで少なくて、とても中型犬の骨量とは思えなかった。
焼き場の人が「骨粗鬆症だったのですか」と言ったくらい。
骨壺に記入する歳を聞かれたので、迷いながら「13歳」と答えた。
骨を見て、やはりそう答えて、よかったのだと思った。
さらに「ずい分薬を飲んでいたのでしょうか」と聞かれた。
投薬が長い子の骨は、赤みを帯びた箇所が多いそうだ。
カヤの骨も錆色の部分が目立っていた。
6月20日、雨の中、後部座席に横たわって、
カヤは最後のドライブへ。
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最後のドライブにカヤが持参したもの
破けては縫い合わせて、何度も洗って色あせてしまったけれど、
カヤが手放さなかった、たったひとつの大好きなおもちゃ、ピヨちゃん人形と
庭で咲いていたバラやアジサイを混ぜた花束、
おやつやスヌードも、棺に入れてあげた。
最後のドライブ、
帰りには軽い骨になって白い陶器に収まって、
初めて助手席に座ったね。
5年前の今日、カヤは保護団体の人に抱かれて、うちにやってきた。
5年間、本当にありがとう。
闘病が長くて辛かったね。よく頑張ってくれたよ。
ああ、もう、手持ち無沙汰になってしまって、脱力感が半端ない。
見舞ってくれた時、カヤは急に茶色い液体を嘔吐した。
朝、少し「ペットスエット」というサポート飲料を飲んだのだけど、
本当はもう、いらなかったのかもしれないなあ。
それから30分くらい経った頃、カヤは逝った。
とうとうカヤの意識も去っていったのだった。
変な言い方だけど、本当にもう体は屍のようで、
死んでいるような状態だったのだもの。
クンクン鳴くときだけ見開いたけど、目には生気がなく、
首だけじゃなく、あらゆるところに力がなくて、
ぶらん、ぶらんしていた。
意識だけが生きていた感じだった。
意識だけが、家庭犬の最後を味わっていたという感じだった。
悪徳ブリーダーの犬舎で、手厚い看護もなく、
見放されたかのように逝くのではなく、
飼い主を心配させながら、家庭犬として旅立ったカヤ。
それだけは、よかったと思う。
ペットの犬というのは、そうして逝くものなんだよ、カヤ。
固有の名前を呼ばれて、抱きしめられて、
惜しまれて、惜しまれて、惜しまれて……。
カヤ、お前が命を削って産んだ子犬たちも、
可愛がられて、そうして天寿をまっとうできていたら、いいね。
息を引き取ると、再び大量に茶色い液体を吐いたので慌てた。
一生懸命ふき取って、洗って、乾かして、
全身をとかしてあげたら、とってもきれいになった。
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ただちょっと足を動かしたら、どちらの足か分からないけど、
ポキッと音がした。骨を折ってしまった?
それもそのはず、火葬が終わったカヤの骨といったら、
スカスカで少なくて、とても中型犬の骨量とは思えなかった。
焼き場の人が「骨粗鬆症だったのですか」と言ったくらい。
骨壺に記入する歳を聞かれたので、迷いながら「13歳」と答えた。
骨を見て、やはりそう答えて、よかったのだと思った。
さらに「ずい分薬を飲んでいたのでしょうか」と聞かれた。
投薬が長い子の骨は、赤みを帯びた箇所が多いそうだ。
カヤの骨も錆色の部分が目立っていた。
6月20日、雨の中、後部座席に横たわって、
カヤは最後のドライブへ。
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最後のドライブにカヤが持参したもの
破けては縫い合わせて、何度も洗って色あせてしまったけれど、
カヤが手放さなかった、たったひとつの大好きなおもちゃ、ピヨちゃん人形と
庭で咲いていたバラやアジサイを混ぜた花束、
おやつやスヌードも、棺に入れてあげた。
最後のドライブ、
帰りには軽い骨になって白い陶器に収まって、
初めて助手席に座ったね。
5年前の今日、カヤは保護団体の人に抱かれて、うちにやってきた。
5年間、本当にありがとう。
闘病が長くて辛かったね。よく頑張ってくれたよ。
ああ、もう、手持ち無沙汰になってしまって、脱力感が半端ない。