宮古に津波観測網拠点 迅速で正確な予測期待
(web 岩手日報 2016/06/09)
国立研究開発法人防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が太平洋沿岸海底にケーブル型の地震・津波計を整備する「日本海溝海底地震津波観測網(S―net)」の宮古陸上局は10日開所し、データ取得の試験運用を開始する。海域で発生した地震と津波を検知し、陸上局を経由して気象庁などに送信。従来よりも迅速で正確な津波予測が可能となる。津波警報の予想高を上回る津波が本県沿岸部を襲った東日本大震災以降、観測態勢の強化が進んでおり、住民の避難行動への活用が期待される。
房総沖から北海道南東沖にかけて日本海溝(太平洋沖約200キロ)を囲むように150地点に地震計と津波(水圧)計を設置し、全長約5700キロの海底ケーブルで結ぶ。リアルタイムの観測データが五つの陸上局を経由して、同研究所や気象庁に送られる。
宮古市崎山に整備された宮古陸上局には、八戸市から宮城県亘理町の観測装置54台のデータが送られ、システムの調整などを経て本格運用する。日本海溝の内側ルートがすでに完成。外側ルートは本年度中の完成予定で、日本海溝よりも外側(アウター)で発生が懸念されるアウターライズ地震にも備える。
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