大学に入ったときにものすごく熱中したのが簿記だった。他の教科は大学の教養課程だけあってわけがわからないものが多かったが、簿記論は、教科書が商業高校の簿記の教科書ということもあって唯一勉強しやすい科目であった。
そのときの簿記論の先生がN先生なのだが、惜しくも新聞の夕刊に訃報が出ていた。あの時の初老の先生も享年は80歳近かった。時の流れをいまさらながら思ってしまう。
簿記に興味を得たワシは2年生でアカウンティングのゼミに入って、当面は公認会計士を目指した時期もあったのだが、途中から別のことに興味が強くなって、3年からは他のゼミに入って会計学はやめてしまった。要するに根性がなかったのだ。
でも、今よく考えると、今の仕事もその前の仕事も基本は簿記であり、簿記をしっかりやっておいたおかげでその後どれだけ恩恵をこうむったか計り知れない。そういう意味で、授業に出ただけなのだが、N先生はやはり恩師である。合掌。