湯西川日記

fbやツイッターで一年サボりましたが、やっぱりブログです。2016年から復活します。ツイッターの長い版みたいな感じです。

死体

2014-03-12 07:05:22 | 学習

ネットで東日本大震災の特異な写真が出回っていた。何が特異かというと、遺体の写真がいっぱい入っていたからである。今頃なぜ、こんな写真が出回っているのがわからないが、実際の被災の現場をリアルに伝えるものとして非常に貴重であると思う。

被災地の直後の現場も見ているし、地元の人の苦労も話には聞いているワシだが、このワシでさえ、地震や津波に対して現実感がない。1万人以上の人が亡くなったという事実が伝わってこない。なぜか。

答えは遺体を見ていないからである。死体を見ていないからである。テレビや新聞は報道上の倫理の問題があって、遺体や死体の写真や映像を流すことができない。いくら津波が押し寄せる絵を見ても、そこで多くの人が死んでいるという事実が伝わっていないのだ。

広島の原爆資料館に行くと、60年以上前の原爆の悲惨さがいまだによく伝わってくる。それは遺体の写真やケロイドの顔の写真をありのままに残しているからである。東日本大震災を忘れない、記憶を風化させないというのであれば、そういう記録とそれを見る場所や手段を確保する必要がある。