いまさらこんなことを改めて言うのは、おかしいのかも知れません。
また、それはここで述べるべきことではないのかも知れません。
笠松競馬に感じること。
予感めいたもの。
ただファンとして、ナチュラルに感じる漠然とした不安。
毎開催、常連になってみて初めてわかるようなくらいの些細な感覚です。
その全てにおいてわずかづつ感じてくるのは、その”脆弱さ”みたいなものでしょうか?
馬、騎手、調教師、施設、馬場、賞金。。。。。
とはいえ、毎開催における笠松競馬の総売上げを考えてみれば、それでいて黒字化を続けていかねばならないのですから、この全てにおける経営のスリム化は仕方ないことなのでしょう。
ただ、それにおける弊害のようなもの。
肝心の競馬の持っている多彩かつ重厚な魅力、ギャンブルとしての奥深さ、受け継がれてきた伝統、などの喪失。
それはまるで気付かないくらいゆっくりとゆっくりとした速さで、ボディーブローのように競馬の魅力を侵食していっているような気がするのです。
競馬自体が、脆弱に見えてきてしまう。。。それは全くもって私の本意ではありませんが。
笠松には、現在でもミツアキタービンという大スターがいます。
でもその脇を固める脇役はいるでしょうか?
彼と名勝負を演じるライバルの存在はあるでしょうか?
それは、かつて笠松が、地方競馬でもトップクラスの輝きと、情熱と、圧倒的ボリュームの存在感を示していただけによけいに感じてしまうことなのかも知れません。
このことは、何も笠松だけに限ったことではありません。
全ての地方競馬場で、今、これは大きなジレンマです。
毎開催、出走馬の顔ぶれが同じになってしまうこと。
それは絶対馬の頭数の少なさを起因とする番組編成の苦悩が見え隠れします。
また、熟練騎手の急激な喪失からくる騎手の平均年齢の低下。
これは受け継がれるべき社会的モラル、師弟関係、技術などの喪失を意味します。
それはレースを感動のない味気ないものに変えてしまうでしょう。
はたまた、賞金の削減などによる調教環境の悪化、モチベーションの低下は、優秀な調教師の腕を鈍らせる(はたまた喪失の)要因となってしまっていることでしょう。
経営の黒字化 ∝ 魅力的な競馬
地方競馬の中でも、赤字になったら即廃止という笠松競馬に課せられた宿題は、あまりにも困難でまた厳しい現実を突きつけています。
★笠松のリーディングジョッキー(6月2日現在)敬称略
東川公則 61勝
安部幸夫 53勝
尾島徹 35勝
岡部誠 29勝
佐藤友則 27勝
筒井勇介 25勝
向山牧 23勝
藤原幹夫 16勝
濱口楠彦 15勝
大塚研司 14勝
阪上忠匡 14勝
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一人頑張る(結果を出す)東川騎手。
濱口騎手は出張騎乗中でいません。
今、有望株の尾島騎手以外はドングリの背比べ。
もし名古屋の騎手のいない日には、東川騎手以外、騎手で買えるレースはありません。
たとえ大本命でも平気で消えてしまいます。
馬券としては面白いと言えるのかも知れませんが、少々穴党が狙える荒れ方とは違います。
どの穴馬を狙うかではなく、本命馬が消えるかどうかが今の笠松競馬の焦点。
いわゆる薄っぺらな半丁バクチ。
8頭立て、9頭立てのレースしかないことが余計にそう感じさせるのかも知れません。
かつては名手の宝庫であった笠松競馬。
アンカツ、川原、柴山、そして今年、アンミツも笠松から去って行きました。
ジョッキーらしいジョッキーがいなくなってしまった?
いやいや、若手にとっては大きなチャンスの時代なのかも知れません。
早く競馬オヤジ達を唸らせるような本物の勝負師が出てきて頂きたい。
そういったトップジョッキーの脇を固めるライバルの存在が、競馬を一層魅力的なものにするのです。
このまま名古屋の騎手や短期免許の騎手に、こうも好きなように勝たれては笠松の名が廃ってしまうでしょう。
ただ、現状の笠松競馬では、馬主数の維持のため出走手当ては削減できないにせよ、それにしても今の賞金はあまりにも厳しい。
騎手のモチベーションも、絶対に勝って稼ぎたい、騎手で飯を食っていきたい・・・と、どこまで高められているのか疑問です。
それはまた、調教師も然り。
実際に一昨年以降、優秀な調教師も何人か去っていきました。
はたまた馬の管理不足のせいなのか、馬場の整備不足のせいなのか、それとも騎手の技術のせいなのか。。。ここ数年笠松競馬ではやたらと落馬事故が目立つような気もします。
少なくとも名古屋と比べて、落馬事故は多いです。
なぜでしょう?
それが全て賞金の低さによる関係者のモチベーションのせいであるとは言いませんが、そんな細かなモノが複雑に合い絡まって徐々にそういった雰囲気が不慮の事故を招いていくような気がします。
実際には笠松よりも名古屋の方が、よほど経営は”甘い”ですし”危ない”です。
でも、競馬の魅力は。。。?
初めて行った頃の笠松競馬は、のどかで良い雰囲気の競馬場だと思っていました。
でも最近、毎度笠松競馬を訪れるたびに、私は、ファンも含めたその場内全体の雰囲気に感じる”元気のなさ”に何とも例えようのない不安を感じてしまうのです。
笠松競馬は、経営努力は十分にしています。
ファンサービスも旺盛です。
ただ、実際に現場で競馬を動かしている関係者のためのアプローチが、これからもう少しあっては良いのではないでしょうか?
競馬を魅力的にするのは、”情熱”なのです。
競馬に携わる人の競馬に対する情熱。。。
それが、ゆくゆくはファンを魅了し、再び競馬場を盛り上げることになることに間違いないと思うのです。
私の笠松競馬感じる漠然としたこの不安は、きっとそういったことなのでしょう。
ただ延命治療をするだけでは、その存在意義すら見失ってしまうことにもなりかねません。
馬のレベルも、レースのレベルも、騎手のレベルも、このままどんどん低下していって、そうなればやがてゆくゆくは必然的に売上げも。。。
そんなこと考えたくもない。
頑張れ!笠松競馬!
私は馬券を買って応援するしかないのですから。
それでは、また。