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悲しいかな、地方競馬はメディアの露出が少ない。
それは、ただ馬の質や番組編成の問題ばかりが原因ではなく、第一にまず現状、地方競馬が人々の関心を惹くような存在でないことであるように思う。
地方競馬が今の現状を打破するのに、いくら努力してもなかなか売上げが上がらないのは、その努力に人々の関心が向いてくれないからだ。
その努力がどこか間違っているというのも、ひとつの考え方かも知れない。
地方競馬が人々に広く興味を持ってもらえるのに、それでは一体何をすべきなのだろうか?
一番てっとり早いのは、もっと新聞やテレビで多く取り上げられるような強い馬の出現である。
ただそれは一過性のものになりがちで、またすぐさま現場の人間や主催者がどうにもできる問題ではないのも事実である。
それならば、たとえ本質からは少し外れようとも、メディアが興味をもってくれるようなことをどんどんやり続けるしかないだろう。
そもそも地方競馬に訪れてくれるのはどんな人達であるかと考えれば、広義でギャンブルマニア、狭義で競馬ファンと呼ばれる人種であろう。
他の公営競技の話は置いておくとして、日本の競馬ファンの人口は果たしてどれくらいいるのだろうか?
有馬記念の売上げがいくらなのか私にはさらさら興味はないが、確かに日本には競馬ファンが溢れ出すほどいるように思える。
地方競馬は、フロンティア産業などでは決してない。
日本には競馬文化がすでに根付いており、そこには競馬を好む人が大勢いるのは事実なのである。
ただ現状、そんな大きな支持を持つJRAと競合するような開催形態では地方競馬にまず勝ち目はない。
また共存を考えても、とても煌びやかなナイター開催などできる余裕などないのが現実である。
さすれば必然的に、今の平日の昼間開催で、地方競馬が「JRAの競馬ファン」を振り向かせることを考えれなくてはならないということになる。
現状維持を目指すならば、まず番組の改変や現場で快適に馬券を買えるようにするサービスの充実が最優先になるだろうが、それではたして、十年後、二十年後に地方競馬は存続しえるだろうか?
現場関係者の窮状、ファンの高齢化、名騎手はどんどん流出し、また売上げも右肩下がりを続けるという現実。
たとえそれが現在の地方競馬に興味を持ってくれている方々にとっては無意味なことのように思えても、まずやるべきことは別にあるように思えるのだ。
他の元気な公営ギャンブルやJRAが現在推し進めて行っている方策とは何が違うのだろう。
重賞をはじめとする交流競走であったり、女性ジョッキーレースであったり、フリーマーケットや芸人のイベントであったりは、今は金を食うだけのお荷物なのかも知れないが、その方向性は間違っていないと思う。
ただ、本来が平日の昼間開催であるというハンデのことも考えねばならない。
今のままでは、事実やるだけ無駄といわれても仕方ない。
今来場してくれる人にとっては、それらは興味のないことなのだから。
もっと広報活動に工夫をしなければ、それはいつまでたっても報われないように思う。
どこかのレジャー施設とコラボしたりするのもひとつの手。
ポイントサービスとか、コラボ施設との相互優待サービスとか。
とにかく、今のこれだけ競合も多く何でも選べるような時代では、一年に一回しか来ないような客にでもどんどん来てもらわなければ生き残ってはいけない。
それは競馬だけにとどまらず、どんな娯楽・サービス産業でも似たようなもの。
これだけ飽和状態の中、固定客だけでは新しいモノができれば必ずどこかは潰れていく計算になるのは自明の理である。
それはまるで、選挙で流動票層が都市部の当落を決めてしまうのと同じようなものである。
少なくとも、ナンバーワンではないのだから。
言い方は悪いかもしれないが、とにかく飽きっぽい現代人。
どんどん新しい弾を撃っていくしかない。
そしてその中のわずかな弾が当たり、固定客層として残っていく。
今の御時勢で、地方競馬が良かった頃と同じことをしていてもまず元には戻らないし、あの頃と同じ客層を取り戻すことは100%不可能だと思うのである。
会社の女性パート社員との何気ない会話で、とある健康ランドの話になった。
風呂もサウナもリニューアルされてとても快適になった、と勧めたのだが、
「あそこは食事が美味しくないから行かない。。。」
とあっさり言われてしまった。
いやいや飲食店も新しくなったと言おうと思ったが、あまりにも彼女がそこを嫌っているようだったのでそれ以上何も言わなかった。
よほど以前に不味いものでも食べたのか、それ以来ダンナに誘われても二度と行こうとは思わないらしい。
彼女が行かなきゃ、ダンナも行かない。
無論、子供も、だ。
たぶん、少なからず近所にも触れ回っているのだろう。
ふ~ん。。。。。
健康ランドの本質は、風呂やサウナに入りリラックスする場所。
食事は、二の次のアイテムのはずだ。
でもその食事のために、本来の風呂にも行こうとは思わない。。。
そして彼女が行かなければ、ダンナ一人では行きたくても行けない。
風呂好きのダンナが可哀想だ・・・・・。
そんなオチではないことは、もうおわかりだろうと思う。(笑)
そんな人が現代の世の中には、大勢いるのだろうと思う。
亭主関白なんて言葉は、すでに死語???
もしかしたら、私の周りの人達だけの話かも知れないのではあるが。。。
そんな彼女が、後日その健康ランドのテレビCMを見たとのこと。
今度、家族揃ってそこへ出かけるのだとか。。。
ふ~ん。。。。。
それはそれは、なんともはや。(笑)
どうする?地方競馬。