どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

人を衝き動かすもの。

2007-07-07 | 地方競馬への考え
これまで、地方競馬の在り方についていろいろ考えてきました。
平日の、それも昼間の開催で、この停滞した日本の経済社会の中で誰がギャンブルをやろうというのか?
週末の中央競馬ばかりがこれだけメジャーになってしまっている昨今、地方競馬の存在意義はあるのだろうか?
いくら、日本の馬産地を守るため、競馬という文化を守るため、競馬社会に生きる人々の生活を守るためなど、関係者が存続へ向けての声を発したとしてもそれは、経済最優先のこの社会では儚い啓蒙でしかありません。
全ては、最終的に実質主催者である地方自治体の収益のため。
それだけのことです。
決して、その現場で競馬を動かす関係者のためでもなく、あるいはファンのためでもありません。
少なくとも、今の地方競馬を取り巻く現代社会の価値観では、それだけのことでしかないということをこの半年で痛感しました。
日本では馬主ですら、大多数は儲からなければ馬を所有しようとは考えないでしょう。
ブルジョア階級の娯楽でしかない競馬ならば、それはそれで良いのでしょうが、それではやっていけない日本競馬である以上、それは避けては通れない部分であることは致し方ないことです。
主催者の利益、馬主の利益。
競馬が成り立つためにはまずそこが最優先であることは理解します。
それならば、地方競馬の主催者がその目的へ向けて有効な手段をとっているかと言えば全くそうではありません。
実際主催者側にいる人々が、ただの派遣公務員みたいなものである以上、実際の競争社会からかけ離れた立場の人間の運営であるならば、それも当然のことなのかも知れません。
しかしながらそのために、実際現場で働く人間にシワ寄せが来るというのもおかしな話でもあります。
それでもこれだけ地方競馬の廃止が叫ばれる時代、誰も納得はしないながらも続けていくしかないのかも知れませんが。
ただ、調教師、厩務員、騎手には、それ以外の仕事へのモチベーションがあることも確か。
栄誉、達成感。。。
それらは、主催者側の人間、馬主にはとうてい味わえない人生における重要な価値観であるでしょう。
逆に言えば、現場の人間はいまやそれだけのために続けられる仕事なのかも知れません。
少々寂しい話でもありますが。。。


それでもやはり、もとを糺せばファンあっての競馬であることもまた事実。
ファンが馬券を買わなければ、競馬は、やはり成り立ちません。
それではファンの立場として考えるならば、地方競馬はどうあって欲しいものなのでしょう?
地方競馬のファンってどんな人間?
いまや、週末の競馬はレジャーのひとつです。
それでは、平日の昼間競馬は一体・・・?
平日の昼間からギャンブルに興じる競馬好きは、一体何処へ行ってしまったのでしょう?
いや、一部の勝ち組の人間を除いては、いまやそれどころではない経済状態ということなのかも知れません。
競馬場で見られるファンの年齢層の高齢化は、日本社会全体よりも重症のように思えます。
これでは限界も見えて当然の理。
それならば、日曜開催?
それとも、ナイター開催?
それは何のための取り組みなのかといえば、大口の期待できる高所得層、あるいは自由に使えるお金がある若年層へのアプローチでしょう。
あえてファンの立場を通して語るならば、競馬が単なるギャンブルとしてではなく、人生を豊かにするための娯楽のひとつとして楽しめるものであって欲しい。
一番人生の苦しい年代、そしてまた活力の溢れた年代のファンが、少々のお金でスリルを味わい、食べて語って楽しめるような環境であって欲しいということなのです。
週末の昼間は中央競馬で良い。
あえて地方競馬がケンカを売ることはない。
また平日の昼間も良い。
それを必要としている人がいるならば。
自由時間。余暇の時間。娯楽の時間。趣味の時間。
競馬に対する考え方も人それぞれ。
地方競馬はこれから、ファンに対して、いつ?どこで?どんな?アプローチが必要なのでしょうか?
競馬の中身以外の”開催”という観点からも、まだまだできることは多いような気がします。
私は地方競馬ファンでありながら、まだまだ不満も多いのです。
私を地方競馬にハメてくれたのは、残念ながら名古屋競馬ではなく南関東競馬なのです。
少なくとも南関東で競馬をやっていた時代に比べて、今の名古屋競馬には欲求不満気味です。
まずひとつ、一番大きな問題は、名古屋では競馬をやれる時間が思うように取れないということ。
まあそれも、ごく一部のコアなファンの意見でしかないのでしょうが。。。
それでもそんなひとつひとつの小さな意見でも、耳を傾けることは無意味ではないでしょう。


他にも、魅力的な競馬にするためのさらなるレース体系の整備、馬の充実も、もちろん必要であるように思います。
規模縮小で、それ自体厳しいことは分かっています。
それでは、根本から何か思い切った構造改革も考えた方が良いのかも知れません。
しかしながらそこには当然損なクジを引く人も出るわけで、決して一筋縄にはいかない道程なのでしょうが。。。


私は週末、久しぶりに中央競馬に参戦します。
わざわざ無理して休みを取りました。
なぜなら、キングスゾーンが吉田稔騎乗で重賞に出走するからです。
私を競馬に衝き動かしたのは、こんな単純なことです。
みんな同じようなものでしょう?
人を衝き動かすのは、考えている以上に簡単で単純なことなのです。
それでも暗闇でひとつ扉を間違えば、五里霧中。
たったひとつボタンを掛け間違えただけで、全く途方に暮れるハメになってしまうことがあまりにも多い世の中です。
名古屋競馬も明るい未来への扉のカギも、意外とスグそこに転がっているのかも知れません。


ひとつ思うこと。。。
この話の中で、競馬への想いに衝き動かされるようなモチベーションを一番持ち得ないのは、もしかしたら当の主催者側の人間だけ??・・・なのかも?
ソコが、一番問題!?
それも仕方ないことなのでしょうか。。。





それでは、また。











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