どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

ないないづくしでやるせない。

2008-05-31 | 東海公営の話

いまさらながら、笠松競馬場の土地問題。
裁判所は地主側の訴えを認め、競馬組合側に土地を返還するように裁定を下した。
ただ地主側も土地を返還されたところで利用価値は少なく、ただ賃料収入がなくなるだけで何も得はないとのことらしい。
これは約300人もいるという笠松競馬場の地主の約3割の方々の訴えで、とどのつまり、賃料を以前までの相当な額に引き上げたいというところが本音のようだ。
競馬の売上げが低迷する中、土地賃料は組合側の都合により年々引き下げられ、04年の存廃問題勃発以来土地賃料の契約は折り合いがつかずのままとのこと。
このままの状態が続くのでは、当然地主側も黙ってはいまい。
ただ自治体の財政を見守る第三者団体からの勧告により”年度赤字即廃止”ということが既に決まっている危機的状況の笠松競馬側にとっては、まさに泣きっ面にハチ。
何よりも、調教師や騎手など実際の現場で働く人々にとっては(たとえ補償がされるとはいえ)、生活に関わる大きな問題であろう。
また競馬場廃止ともなれば、県や笠松町をはじめとする自治体には億単位の費用と補償の金額が必要であるらしい。(それは赤字→廃止でも同じことだが。)



それでは、そもそも今回は誰が廃止を望んでいるのか?
誰が得をすることになるのか?
今回の件に関して言えば、それは皆無と言ってよいであろう。
この裁判は互いの利を巡っての避けて通れないプロセスであり、早急に結論を急ぐことはどちらにとっても得策ではないことは火を見るより明らかなこと。
だからあまりマスコミや私のような一般人がこの裁判結果をみて「廃止!」と騒ぐのは、ただ現場の人々の不安を煽るだけで何の良いことなどない。
そういった状態を作ってしまうことで、かえって廃止を早めてしまうだけのことになりかねないから。
大地震で今にも倒れそうな建物の中で、みんなで壁を支えあうのが安全なのか、誰よりも真っ先に逃げ出すことが安全なのか。
そんなことを考えさせる状況を作ってはならないと思う。
それでは、「赤字で廃止」や「土地で廃止」の前に、「空中分解」してしまうだろう。
とはいえ、予断を許さない状況であることは確かなのではあるが。
決して誰も望まない結末でも、その場所にしか降りられなくなってしまう状況に陥ってしまうことだってありえることだし。
でも、それではやるせなさすぎる。
それだけは、絶対阻止して頂きたい。
両者に歩み寄りの余地はあるのか?
最良の着地点はどこなのか?
それは、第三者の私には到底わからないことなのでありますが。





                     (ないないづくしでやるせない。)








<簡単な競馬の資金循環図>






                   生産牧場
                    ↑
                   馬主
住民(納税者)           ↑↓
  ↓        現場( 調教師 → 騎手 )
  ↓                ↑
地方自治体→→→→→主催者>>>>>>地主
        ↑←←←←← (競馬組合)
                    ↑ ↓
                    ↑ ↓
                    ↑ ↓      ?
                    ↑ ↓      第三者(世論)
                    ↑ ↓
                  ファン(購入者)






本当に簡単なお金の流れを矢印で示してみました。
お金が一方通行の部分は、何らかの見返りがあるということです。
「住民→自治体」の部分であれば、行政や福祉のようなものでしょう。
「馬主→生産牧場」は、当然、馬主が馬を手に入れるため。
「調教師」は、主催者から手当てや賞金が貰える分、馬の世話などの経営をしていかなければなりません。
「ファン」は言わずもがな、馬券を買ってギャンブルします。
さらに詳しく考えれば、他にも場内従業員や新聞屋、厩務員の方々など、競馬に関わっている方は数知れず・・・、またお金の流れも(交付金など)まだまだ複雑怪奇なのですが。。。
ただこの図は、それをあくまで単純明快に示しただけのものです。



そして・・・・・その中でひとつ確かなことがあるのです。
それは、この図の中の「ファン」と「馬主」以外、誰一人として損をする方がいては成り立たないということです。
馬主は、道楽。
ファンは、ギャンブルです。
競馬で生計を立てているわけではありません。
だからこの二つは別なのですが、この図の中の馬主とファン以外が損をする状況になった場合、競馬は存続していけないのです。
そういうシステムなのです。
それは当たり前のことですが。
ただ一方の主催者の方々も大部分が公務員であるということを考えれば、売り上げ不振で一番苦しいのは、調教師や騎手などの現場の方々であるのは間違いないことです。
ただ昔の順風満帆だった頃は、我々一般サラリーマンには想像もつかないような賞金の夢のある仕事であったに違いないのでしょうがね。。。



でも裏返せば、やはり根本は、もっとファンや馬主が楽しめる(あるいはスポンサーが儲かる)、時代に即した競馬が常に必要だと言うことかも。
でなければ、いくら経費節減の経営努力をしたところで本末転倒?
たとえ廃止を引き伸ばすことができても、いずれ縮小均衡になってゆくことは容易に想像できてしまいます。
結局は、手をかえ品をかえ売上げを増やさなければ、どうにもならないのです。
・・・・・今やそれでもそれすらままならない経営状態だということも、一応は理解しているつもりですが。。。
今や我々の一般社会でも同じような状況ですから、これも仕方ないことなのでしょう。
それにしても、上の図を見ても「地主」の部分へのお金の流れは・・・・・いかにも・・・。
前時代の遺物というか、何というか・・・・・。
やはり、余計な部分に見えてしまいますね。



あと、これから存廃問題を考えるとき、色々な方のさまざまな意見が飛び交うでしょうが、それがどの立場の方のどういった主張なのかを上の図でよく頭で整理してから考えたいです。
どうにも流されやすい性分なので。。。
私は一ファンとして、私が一番競馬がやりたくなるような状況にするにはどうして欲しいのか考えていきたいです。
私にできることは、私が私の馬券を買うことだけですから。











月が替わって、またしばらくお休みすることになりそうです。
よろしくお願いします。











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